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45】【番外編:side・アーサー】気を失った、その後で
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45】【番外編:side・アーサー】気を失った、その後で
「ぁ゛……ぁ……?♡♡」
ヌポッ……♡ ギシッ……。
絶頂を迎え、ギルベルトが声を上げたあと自身の指を、狭いアナルのナカから抜いた。僅かに指先がふやけているのは、ナカが温かかったからだろう。粘液で濡れた指先の下で、ギルベルトの身体がベッドに倒れ込む。体勢がきついだろうと、苦しくないように身体を軽く拭いて整えた。
「……」
(ギルベルトが、私のベッドで寝ている)
寝ている、というには語弊があるかもしれない。気を失っていると言った方が良いだろう。
幼い頃より、一緒に育ち。自身は王子。ギルベルトは騎士団長として、今も変わらず良好な関係を保っている。だが、自身の気持ちは存外早く気が付いた。私は、ギルベルトが好きだと。それこそ、ギルベルトが私に向けてくえている好意とは違う。色欲の混じった特別な好意だということに。
(あんなに小さな頃の、私の約束まで覚えているなんて)
『私が婚約するまで、ギルベルトも婚約しないで』
「昔から、ギルベルトに対しては独占欲が強かったからなぁ……」
あの時は、私はギルベルトが好きなのに駄々をこねた。
今の年になれば、大人たちの気持ちも今では分かるが、あの時の私はなぜ気持ちも無いのに知らない女性と婚約し、将来を誓わなければと泣いたのだ。だが、いざギルベルトが私を宥めるためにやって来れば、私だけでなくギルベルトにも婚約の話が来ているという。それを知って、誰かにギルベルトを取られてしまうと焦ったのだ。子供の私が咄嗟に考えて、ギルベルトを繋ぎとめる方法が、私より先に婚約しないでというものだった。
「私はずっと、ギルベルトが好きだよ」
小さな声で呟きながら、ギルベルトの頬を優しく撫でる。
「私は、ギルベルトが思っているような純粋な男でもないのに」
少しだけ、ギルベルトに同情する。純粋じゃないから、こんな方法で身体に触れているだろうに。私と違って、純粋で色恋に疎いギルベルト。
私はまた焦ったのだ。互いに身を固める話をされたり。気さくで頼りになるギルベルトは老若男女問わず好意を抱かれている。互いの仕事で一緒に過ごす時間が少なくなった今、知らない場所でギルベルトが誰かのものになっていたら? 突然話があると言われ、恋人を紹介すると言われたら? と思うと、気が気じゃなかった。だから半分引っ掛けるように、声をかけたのだ。
『何か悩みがあるんじゃない?』
(こんなに上手くいくとは、思ってもいなかったけれど)
(しかも悩みが、ペニスが小さいことが悩みだなんてね)
「悩みが悩みなら、まだ余裕はあると思ったけれど……。婚約したら? なんて話すんだもん。ならもう、女性を抱けない身体にするしかないよね?」
*******
お気に入り・イイネ有難うございます
「ぁ゛……ぁ……?♡♡」
ヌポッ……♡ ギシッ……。
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「……」
(ギルベルトが、私のベッドで寝ている)
寝ている、というには語弊があるかもしれない。気を失っていると言った方が良いだろう。
幼い頃より、一緒に育ち。自身は王子。ギルベルトは騎士団長として、今も変わらず良好な関係を保っている。だが、自身の気持ちは存外早く気が付いた。私は、ギルベルトが好きだと。それこそ、ギルベルトが私に向けてくえている好意とは違う。色欲の混じった特別な好意だということに。
(あんなに小さな頃の、私の約束まで覚えているなんて)
『私が婚約するまで、ギルベルトも婚約しないで』
「昔から、ギルベルトに対しては独占欲が強かったからなぁ……」
あの時は、私はギルベルトが好きなのに駄々をこねた。
今の年になれば、大人たちの気持ちも今では分かるが、あの時の私はなぜ気持ちも無いのに知らない女性と婚約し、将来を誓わなければと泣いたのだ。だが、いざギルベルトが私を宥めるためにやって来れば、私だけでなくギルベルトにも婚約の話が来ているという。それを知って、誰かにギルベルトを取られてしまうと焦ったのだ。子供の私が咄嗟に考えて、ギルベルトを繋ぎとめる方法が、私より先に婚約しないでというものだった。
「私はずっと、ギルベルトが好きだよ」
小さな声で呟きながら、ギルベルトの頬を優しく撫でる。
「私は、ギルベルトが思っているような純粋な男でもないのに」
少しだけ、ギルベルトに同情する。純粋じゃないから、こんな方法で身体に触れているだろうに。私と違って、純粋で色恋に疎いギルベルト。
私はまた焦ったのだ。互いに身を固める話をされたり。気さくで頼りになるギルベルトは老若男女問わず好意を抱かれている。互いの仕事で一緒に過ごす時間が少なくなった今、知らない場所でギルベルトが誰かのものになっていたら? 突然話があると言われ、恋人を紹介すると言われたら? と思うと、気が気じゃなかった。だから半分引っ掛けるように、声をかけたのだ。
『何か悩みがあるんじゃない?』
(こんなに上手くいくとは、思ってもいなかったけれど)
(しかも悩みが、ペニスが小さいことが悩みだなんてね)
「悩みが悩みなら、まだ余裕はあると思ったけれど……。婚約したら? なんて話すんだもん。ならもう、女性を抱けない身体にするしかないよね?」
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ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
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