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学内実戦実習編
式神使いの選民思想
しおりを挟む俺はそのあと、普通に講義を一コマ受けた。これから健治が迎えに来てくれて、訓練場で実習に向けてチームの連携を確認する予定だ。
「授業の内容はとてもためになりますね。」
恵子さんが感心したように言う。
「そりゃここ国営期間だし、学校で用意できるものは良いものになるだろ普通。」
俺は何を当たり前のことをと思った。
「来てるものがこれじゃあ、勿体無いとしか言いようがないですけどね」
また恵子さんが余計なことを言う。
俺がめんどくさそうに睨みつけると、ニコニコと楽しそうな笑顔を浮かべている。
そんな俺たちの所にに高身長の美形な女性がやってきて俺の座っている席の机を叩きつけた。
「私達じゃ、受けるだけ無駄だと言いたいの?!」ほらまた面倒なのが来た、言わんこっちゃない。
この女は学園長の娘で次女。
誇り高く自分の才能を愛して止まない性格で1番得意な式神使役こそ最強かのような振る舞いをしている。
実際良い線まで行ってはいるが、それでも健治とか生徒会の役員達には遠く及ばない。
「ええ、その通りです。あなたでは使いこなせない情報でしょう。なにせ式神使役しかやらないのですからね。」
「うるさいわね、式を一体も使役できない雑魚が!」キーキー喚いてる。
「式神様を使役するなんて偉そうだから、大した実力しかない妖怪しか契約できないんですよ。」
おお、煽る煽る。実際問題契約は両者の合意の上で行われるものだから、ある程度知能のある妖怪ならこんな高飛車な女まず選ばない。
「何ですって?偉そうにいってくれるじゃない雑魚の使用人のくせに!」
その言葉に恵子さんの妖気が一気に膨れ上がる。まずいこれは死人が出る。
「私の主人を「紅は式神を扱えないんじゃない、おぬしら相手に使う必要などないのじゃ、そこのところを間違えないでくれるか?」俺が恵子さんを止めようとした時、後ろからコンが現れて学園長の娘前に出る。
「え?妖狐?何で?」
「だから言っておるだろ、使わないとなほれ邪魔だからさっさと消えぬか、健治殿がきてしまう。」
しっしっ、とコンが追い払う。
「坊っちゃま、私はっ」
恵子さんが怒っている。まぁ主人がバカにされて怒らない従者もいないよな。
「わかってる、あんなの相手にしていたらきりがない、ここの奴らは選民思想が強いからな、仕方ないと思うしかない。」
式神使いに俺たちは神をも操る特別な存在なのだ!って考えの人は多い。
これはまぁ式神ってのが努力しないでもある程度才能があれば何もせず契約が結べてしまうのが問題だな。
そのせいで自分は天才なのではと勘違いし自分らは式神を使い人々を導くべきだという選民思想を持つものが結構いる。
このクラスのほとんどはそういう家に生まれたのか、式神と契約できなかった俺への罵倒や暴力がすごかった。
「ちわーす」
しばらくして健治が教室に入ってきた。
「あら、健治さんどうしたのですか?今回のチームの相手でもお探しで?」
学園長の娘が顔に貼り付けたような笑顔で健治に声をかける。
健治はあからさまに嫌そうな顔をして。
「そうだが、もう相手は決まってるのでな、他のチームに入れてもらえるように動いたほうがいいぞ」
当回しにここに誰も誘いになんかこないと言っている。
それに気づいたらしく、学園長の娘は怒って扉を壊れる勢いで開きどっかに行ってしまった。
「待たせたな行こうぜ!」
健治がこっちにくる。俺たちは結界術師科の面々が貸し切っている訓練場に向かった。
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