落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

文字の大きさ
8 / 43
学内実戦実習編

性悪猫かぶり女

しおりを挟む
健治が迎えにきてくれたので足早に教室を出る。
「紅君、ちょっと話があるんだけどいい?」
エントランス前の広場で女の子に声をかけられた。
ちなみにその子を俺は知っていて、今最も会いたくない人物だ。
「何話って?」
内容のおおよそは見当付いているが一応聞く。
「今回の戦闘実習、私をチームに入れて欲しいの!」ほらやっぱり。
この女の子は雨宮 蓮菜と言う。いつも俺が式神のみ使える訓練場に連れて行かれる時に、人質役をしている子だ。
彼女は入学当初から俺に普通に接してくれていて、そこを今朝の男子学生に目をつけられて巻き込まれてしまっている。
というのが表向きの話で、実は率先して人質役を買って出て、裏で俺から巻き上げた金を受け取っている、ただのクズだ。
でも本人は俺が惚れていると思っているらしく、平気で話しかけてきたり、図々しいお願いという名の要求を突きつけてくる。
因みにこいつはこの学園で二桁を超える男と肉体関係になっているいう噂もある。
まぁ事実だけど。 

今まではこれ以上敵を作ると面倒くさそうだったから放置してきたが、コンや恵子さんをきてくれたし、これ以上相手にする必要もないよな。
「それは無理な相談だな」
「どうして?メンバーは健治君とメイドさんでしょ?後1人空いてるんだし私も入れてくれないかなぁ?」
俺思わず苦笑いしてしまう。
一回こいつを連れて行った時は最悪だった。色仕掛けや夜這いをし、健治のクラスメイト達の人間関係をめちゃくちゃに引っ掻き回し、食料水を惜しげも無く使い、そして肝心な戦闘の時に姿を消す。
健治達はお前は悪くないと言っていたが、そのせいで水が切れて川の水を飲むことになったんだけど、なぜか用意してた浄水用の錠剤だったりが無くなってて、メンバーのほとんどが腹を下しとその看病で2日くらい動けなくなってしまった。
後で食料水を管理してた雨宮を問い詰めたら、落としたとか言っていたが俺間違いなく隠して自分だけ使ってたと思う。思う。
そこにいたのが全員治癒術師だったから大事には至らなかったが、本当に申し訳ないと思う。
そのテストで俺らは生徒会を倒して1位になったので何もしていない彼女の成績もその分上がっている。
何とも度し難いことだが、前々から食料泥棒として噂が広がってるため学院生からは避けられている。
そんなことになっているのだから、相手にもされなかったのだろう。
それでノコノコと俺のところに来たってことだろう。
「まず雨宮さんが役に立つ要素はない。前回食料を運搬と管理する係だったのに、君は食料を寧ろ世水のように使っていて役割を果たせないような奴を次誰が誘う?」
「そんなふうに言わなくてもいいのに」雨宮が泣き始めた。
広場の真ん中で泣き始めたもんだから野次馬が集まり始めた。
まぁ外から見てたら、俺がちょっとかわいい女の子泣かせてるんだもんな。
俺が付いてこないことに気がついた健治が戻ってきたのか遠目からこっちを見守っている。
俺は健治にまだ来ないくていいと目配せした。
それと同時に1人の男子学生がやってくる。
「蓮菜どうしたんだい?」
「私前回仕事に失敗しちゃったから、今回チームに入れてもらえないって言われたのぉ」雨宮が男子に泣きついている。正直言って命に関わることで、パーティ参加を拒否されるくらいなら安いもんだと思う。だってこれ戦場や陰陽師としての仕事中なら完璧戦犯だからね?
「なんて酷いことを!ミスを挽回できるチャンスすら与えないとは君は鬼か!」声を張り上げていう。おそらく周りにこいつは訴えかけて無理やり組ませてまたいい思いをしたいだけだろう。

「なら貴方が組んであげればいいのではありませんか?」
黙って聞いていた恵子さんが当然の疑問を投げかけた。

「そりゃ彼女が彼と同じがいいと言ったからそっちが組むべきだろ!」
「坊っちゃまは断りになりましたので、それに貴方のような性悪猫かぶりビッチはたとえ坊っちゃまが許しても、私が許可しませんので。」
性悪猫かぶりビッチ、かなりのパワーワードが出てきたな。

「ピッチなんてひどい!なんてこと言うの」
「そうだ彼女はそんなこと言われるような筋合いはない!」
もうこっちが完璧に悪人に見られてるんだよなぁ。
「ピッチかと言う証拠になるかは怪しいですが、性悪猫かぶりの証拠ならございます。」
そう言って恵子さんは自分の頭に手をかざした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...