落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

静かになった夜

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ついさっきまで敵だったのにすっかり打ち解けてしまった、生徒会と共闘を宣言したチームを見送り、他のメンバーはまだ見張りの時間ではないと再び寝に入った。
今は俺とコンの見張りの時間がまだ残ってるので外を見張っている。
一部の奴らは恵子さんの夜食を食べて、テンションが上がって眠れなくなったらしくちょっとした宴会みたいになってる。
深夜テンションおそるべしだ。

コンがこっちにやってくる。
コンは俺がいる位置とはみんなのいる場所を挟んで反対側で見張りをしているはずだ。
きっと何かあったのだろう。
「紅、事後報告なのだが、今監視してた奴が帰っていったのじゃ。」
「?帰っていった?よく逃げ切れたな。」
コンが逃したってことは相当の手練れだったのだろう。
「あぁ、動き出したら、潰してやろうと思ったのだがの、空間跳躍の術式で逃げ帰ったのでな。全く逃げに徹されると捕まえにくいのなんの。」
「空間跳躍を使う奴がいるって事は、巨漢の言う通り分断してくるのは100%確定だな。」
問題は俺を隠形使いとして他と弾いて潰しに来るのか、式神使いとしてコンをどかすために1人孤立させられるのかだ。どっちにしてもコンが空間跳躍の術を使えるので俺が相手の柵で無力化されることはないけど。
「先ほどの戦闘を見てたと思うからの、おそらく弾かれるのは健治とおぬしじゃろうな。」
「?恵子さんはどうなんだ?あの人は学生の皮を被ったプロだぞ?」うちに雇われている時点で陰陽師としての腕前は十分あるって事だしな。
「あやつは近接格闘しかしておらんだろ、そんな奴を1対1に持ち込んだところで不利だからの、それに本当に近接格闘しかないのなら乱戦が予想できる、本隊の方に残しておいた方が戦いづらいじゃろ。」
「あぁそれもそうか、俺は飛ばせばコンが付いてくるからと」
「もし付いてこなくても、隠形使いを1人にする事ができれば、向こうも有利に運べると思っているだろうしのぉ」
打つ手なしじゃとコンが笑う。
が、直後一変して表情が暗くなった。
「どうした?」
コンが少し考えたあと口を開く。
「この学園で龍を使役できるものはどれくらいおる?」
「どうだろうなぁ、代々式使いの学園長や、その血族。あとこないだ来たばかりの若いのに軍を引退して教師になった先生がワンチャン。」
「要は正式に契約を認められてるものはおらぬのだな。しかしこれはまずいかも知れん」
コンがぶつぶつ言葉をこぼしながら考え出す。
溢れた言葉の中には健治なら受け止められるとか、紅だと傷が浅いが恵子ならとか色々言っている。
「本当は聞きたくないが一応聞くな?龍がここにいるのか?」
「あぁ、さっきここから逃げた小僧を追っていたらのそいつが対峙してたのじゃ。しかし所属不明となると、もしかしたら裏ルートから渡ってきたのとかだといつ契約が壊れて暴走するか、、、」
「どうした?」
「どうやらこちらを生徒会より先にどうにかしないといけなさそうじゃ。あやつ人を、あの小僧を食った。」

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