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学内実戦実習編
決死の抵抗
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隠形使いの正体が式神使いという、生徒会にとっては予定を全て狂わされる驚愕の事実を知った生徒会の偵察役である会計係。
彼はここ事実を踏まえて生徒会側で何ができるか新たに作戦を考えながら、生徒会本陣に戻る。
格上の妖怪の目を盗み、完璧に任務を成し遂げた事により少し気分が高揚している。
本人は完璧に偵察したと思っているが、実のところコンはもちろん健治や恵子にもバレており、そのまま放置されて逃がされたと言うのを知るよしもない。
そこに圧倒的な存在感を放ち近づいてくるものがいた。
少し気分が上がり注意力が散漫になっていたらしく、それに気づいたのはすでに避けて通ることが不可能な位に接近していた。
やばい
彼がそれを感知して最初の感想はこれだ。
今彼の武装は数枚の式札とナイフ1本。
彼は隠形術に極振り状態で戦闘能力はあまり高くない。
式札も設置するだけ逃げた方向を教えるだけなので、無駄だろう。
式札数枚で倒せる相手でもない。
それでも彼は少しでも情報を持ち帰るために迂回しながら確認試みる。
相手もこちらを追いかけるように移動する。
蛇竜
彼が見たものはそう、あの雨宮が召喚した蛇竜だ。
ちなみに彼女は蛇竜の背中で寝ている。
蛇竜も彼女を起こさないようにかつ、周囲を警戒して移動している。
向こうはこちらに気づいたらしく、目線だけをこちらに向ける。
心臓を射抜かれたような感覚が会計係を襲う。
一般学生ならここで声を上げるか、逃げ出したりしてしまうが、さすがは生徒会役員全学生トップの集団は伊達ではなく、蛇竜の目線を意に返さず蛇竜を見つめ返す。
敵意がないと感じたのか、蛇竜はそのまま進んでいく。
ホッとして胸をなで下ろす。
「ねぇ?なんであいつ食べないの?」
さっきまで寝ていたはずの雨宮が起きて蛇竜の頭の上から竜を覗き込むようにしている。
蛇竜が進んでいた方向からこちらに向き直る。
おそらく、彼も契約者にはあまり逆らえないのだろう。
会計係は身体強化の術札を発動し全速力で走り出す。
「あがっ?!」
蛇竜はまさかの加速する前の出だしに会計係を捕まえる。
その後辺りには男性の悲鳴が響き渡った。
「遅いですね。」
女副会長が少し苛立ちを見せる。
「まぁ相手はこないだ俺らを倒した相手だ。多少手こずってもしかたないだろ」
イケメンの言葉に言い返せず黙る。
「報告します!」
付近の見張りをしていた、生徒会役員が走りこんでくる。
「どうした?」
「光輝が死にました。」
光輝、あの会計係が死んだ事は生徒会役員達の動揺が広がる。
この実習で人が死ぬようなことが珍しくない。だってお互いが実戦のようにやっているのだ。流石に故意は許されないが事故や続行不能な状態なのになんらかの状況で脱出術式を使えなかった場合など、数回に1回は死人が出てる。色々世間的には問題になったことがあるが、彼らの進路がほとんど軍や警察組織で普通に死ぬこともあるので甘っちょろいことはできないらしい。
「詳しくはわかるか?」
会長が続きを促す。
「私の索敵技術では光輝の動きを追うのに広く薄くしないといけないので詳しくはわかりませんが、移動を開始したのちに反応が消滅しました。この消え方は食われた?ような気がします。」
「奴を追いかけて食うことのできる式神を向こうが使役しているのか、はたまた別の勢力か、どちらにしろ警戒する必要があるな。」
彼らはこれから寝ないで情報を集める事になる。
彼はここ事実を踏まえて生徒会側で何ができるか新たに作戦を考えながら、生徒会本陣に戻る。
格上の妖怪の目を盗み、完璧に任務を成し遂げた事により少し気分が高揚している。
本人は完璧に偵察したと思っているが、実のところコンはもちろん健治や恵子にもバレており、そのまま放置されて逃がされたと言うのを知るよしもない。
そこに圧倒的な存在感を放ち近づいてくるものがいた。
少し気分が上がり注意力が散漫になっていたらしく、それに気づいたのはすでに避けて通ることが不可能な位に接近していた。
やばい
彼がそれを感知して最初の感想はこれだ。
今彼の武装は数枚の式札とナイフ1本。
彼は隠形術に極振り状態で戦闘能力はあまり高くない。
式札も設置するだけ逃げた方向を教えるだけなので、無駄だろう。
式札数枚で倒せる相手でもない。
それでも彼は少しでも情報を持ち帰るために迂回しながら確認試みる。
相手もこちらを追いかけるように移動する。
蛇竜
彼が見たものはそう、あの雨宮が召喚した蛇竜だ。
ちなみに彼女は蛇竜の背中で寝ている。
蛇竜も彼女を起こさないようにかつ、周囲を警戒して移動している。
向こうはこちらに気づいたらしく、目線だけをこちらに向ける。
心臓を射抜かれたような感覚が会計係を襲う。
一般学生ならここで声を上げるか、逃げ出したりしてしまうが、さすがは生徒会役員全学生トップの集団は伊達ではなく、蛇竜の目線を意に返さず蛇竜を見つめ返す。
敵意がないと感じたのか、蛇竜はそのまま進んでいく。
ホッとして胸をなで下ろす。
「ねぇ?なんであいつ食べないの?」
さっきまで寝ていたはずの雨宮が起きて蛇竜の頭の上から竜を覗き込むようにしている。
蛇竜が進んでいた方向からこちらに向き直る。
おそらく、彼も契約者にはあまり逆らえないのだろう。
会計係は身体強化の術札を発動し全速力で走り出す。
「あがっ?!」
蛇竜はまさかの加速する前の出だしに会計係を捕まえる。
その後辺りには男性の悲鳴が響き渡った。
「遅いですね。」
女副会長が少し苛立ちを見せる。
「まぁ相手はこないだ俺らを倒した相手だ。多少手こずってもしかたないだろ」
イケメンの言葉に言い返せず黙る。
「報告します!」
付近の見張りをしていた、生徒会役員が走りこんでくる。
「どうした?」
「光輝が死にました。」
光輝、あの会計係が死んだ事は生徒会役員達の動揺が広がる。
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「詳しくはわかるか?」
会長が続きを促す。
「私の索敵技術では光輝の動きを追うのに広く薄くしないといけないので詳しくはわかりませんが、移動を開始したのちに反応が消滅しました。この消え方は食われた?ような気がします。」
「奴を追いかけて食うことのできる式神を向こうが使役しているのか、はたまた別の勢力か、どちらにしろ警戒する必要があるな。」
彼らはこれから寝ないで情報を集める事になる。
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