中年sランク冒険者の俺が次世代の育成をしてたら、異世界召喚勇者軍団が俺を魔王と勘違いして攻めてきた。

1章 奴隷の育成

主人の主人

とりあえず、アリス達を連れて家に帰って来た。
家はこの町のはずれにある巨大な大木、世界樹の根元にある、木造の大きな館だ。
「ただいまー」俺が帰って来たことを家に伝えるとドタドタと足音が近づいてくる。
「おかえりー」緑色の髪の少女が俺に突っ込んでくる。
「あれ？その子達どうしたの？もしかしてユグに飽きて浮気？！」ゴゴゴゴと髪の毛が怒気で持ち上がって俺をっていうかアリス達を睨みつけている。その怒気に当てられて、腰を抜かしたアリス達が泣き出してしまった。ノンやレイカに至っては床を濡らしている。
「違う、この子達は帰る場所もなく、引き渡してもいいことなさそうだったから連れて帰ってきただけだ。戦闘向きなら俺の手伝い、そうじゃなきゃここの使用人にするつもりだった。」
「女の家に別の女勝手に連れ込んで置いてよくもまぁそんなことが言えるよね」
「お前いつも俺のこと監視していて知ってるくせに、ダメならダメって通達来るだろ、それにお前は俺の何なんだ？」
「妻です」
「いや違うだろ、このちびっこがユグドラシル様だ、俺に加護を与えて囲ってる世界樹だ」
「囲ってるって人聞き悪いわね、自分の使徒を近くに置いて何が悪いのよ。どーも、ユグドラシルです、世界樹やってます。ユグって呼んでね？」
怒気が収まってようやくアリス達が動けるようになるが、まだ泣いている。
「一応はこの家の主人なんだ、挨拶できるか？」
しばらくして、アリス達が落ち着いて来たようなので、挨拶を促す。
「右からアリス、ミロ、レイナ、レイカ、ノン、フーロだ。これからちょくちょく見かけると思うから、よろしく頼む」
「「「よろしくお願いします、奥方様」」」」
「あら、ユグは奥方だって～」
これは仕方ないかもしれない。彼女達からしてみれば、また機嫌を損ねたら、何されるかわかったもんじゃない。
「まぁいいたいことはあるがこの際しょうがない。落ち着くまでは俺の部屋にいてもらうから、ユグは出入り禁止な」
「えー！何で？酷くない？せっかく可愛い子達がきたのに話もさせてくれないの？それにコウタの部屋入れてくれないと夜1人で寝ることになるしそんなのやだよ！」ユグドラシル様はお気に召さないらしい。
「みんな怖がってるだろ、普通に考えれば、ちびらせて来るような奴と誰が話ししたいか？とにかくやりすぎだ、謝れそうすればみんながいいって言ったら入れてやる。」
「ごめんなさい、やりすぎました。」意外に素直に謝ったな。
「お顔をあげてください。奥方様、私たちは大丈夫なのでご心配なさらないでください。」アリスが代表して喋り、周りが頷いている。
「とりあえず俺の部屋に行くから、その前にここ掃除するね」
アリス達を立たせて場所を開ける。床には大きな水たまりが、俺も一昔前なら美少女達のおしっこだー！って食らいついてたかもしれないけど、30代のおっさんがそれやると衛兵に連れて行かれるのであまり反応しないで生活魔法のクリーンをかける。そうすると水たまりも床のシミも綺麗になっていた。アリス達は少し驚いていた。
「その様子だと生活魔法も親から教わらなかったんだね。最初はその練習から始めようか。」
俺はアリス達を連れて部屋に行った。