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二章 後輩冒険者
元Sランク冒険者 クリスティーナ
しおりを挟む「あ、おいそこにいた幼女をどこにやったんだよ?あっちが本命だったのによぉ~、どうしてくれるんだよ!」
勇者が拳を振り上げます。私の筋力はAですが彼らはそれ以上です。そんな力で頭に拳を食らったらひとたまりもありません。
私は思わず目をつぶってしまいます。ですが、一向に痛みが襲ってきません。
そのかわり禍々しい空気が漂ってきます。
恐る恐る目を開けると、勇者達が別の方を向いたまま固まっています。
「もう一度言うぞ、その子に何をしている?」ドスの効いた低い声、でもご主人様の声では無い。
「い、いや、俺たちは何も、「そんなわけないよな?」」
勇者達がどんどん私から離れていきます。
そこに先ほどの禍々しい空気とドスの効いた声の主クリスティーナさんが私の前にきます。
「ミロちゃん大丈夫だったかしら?大変だったわねぇ~。でも私が来たからにはもう大丈夫よ!こんなクズ共血祭りに上げてやるよオラァ!」
クリスティーナさんの咆哮で勇者達は大通りへと吹き飛んでいきます。
クリスティーナさんについて行って大通りに出ると路地の入り口でクリスティーナさんのことを呼んだ後一緒に来て待っていたであろうレイカが抱きついてきます。
「ごめんなさい。私だけ助けてくれてありがとうミロちゃん。」
レイカは泣いていました。そりゃ急に襲われて怖いわけないですもんね。
「謝らなくていいわ。元々私はレイカに何かあったら、ダメだからいるの。感謝してくれるだけでいいし、クリスティーナさん呼んだのはレイカでしょ?本当にありがとう助かったわ」私はレイカの頭を撫でます。
レイカがしゃくりあげて泣いているのが収まる頃、吹き飛んだ勇者の周りに町の人がどんどん集まっていきます。
「誰だ誰だ?クリスティーナを怒らせたのは?とんだ身の程知らずだなおい。」
「ん、あれユグドラシル様の所の、、、まさかこいつらレイカちゃん達に手出したんじゃないか?バカだな最恐のクリスティーナがお気に入りに手を出されて黙ってるわけないのに。」
最恐のクリスティーナ?クリスティーナさんは冒険者だった頃そんな風に呼ばれていたのですね、なぜか納得できます。
そんなクリスティーナさんは勇者の元に向かっていきます。
可愛い服と禍々しいオーラ、そして膨れ上がった筋肉はなんともミスマッチです。
「さてと、あんたらはこないだユグちゃんのところにも行った命知らずの勇者ね。よく覚えておくことよ、この街では勇者なんて、指一本であしらえるような奴なんてゴロゴロ居るのよ。次からは身の振り方に気をつけることね。もっともこのままボコボコにしてユグちゃんに引き渡すから一生ここに来ることは無いと思うけどね」
勇者達はどんどん青ざめていきます。
ちなみにですがクリスティーナさんのような人は町にゴロゴロいたりはしません。
「じゃあいくわよ~。アタァ!」クリスティーナさんが高速で的確に人差し指一本で勇者達の骨を砕き、筋肉を切断していきます。
一瞬で終わった処刑に周りからは拍手が巻き起こりました。
勇者達はユグドラシル様特製の枷をつけられて衛兵さん達に運ばれていきます。
また屋敷の牢屋が賑やかになりそうです。
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