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番外編 木場ファミリー物語~ガルー編〜
ガルムは必タヒで貯めたお金と恋人マキさんから出資をして貰ったことにより立ち上げた『有限会社モンスター人材紹介』、少しずつ軌道に乗り、社長であるガルムも秘書のマキさんも他の従業員達も、充分食べていける稼ぎを得られるようになりました。
それを機に、ガルムとマキさんは、結婚しました!
種族の垣根を超えて!!
ガルムの兄:ガオームはウェアウルフ興信所を留守にはできない故(当時は信頼できる部下=『No.2』に指定できる者が居なかった)、そしてマキさんは天涯孤独な身ゆえに結婚式は挙げなかったが、アルバイト時代の仲の良い同僚、人材派遣会社の従業員たちと、ささやかなパーティーをしました。
「ガルム、おめでとー!!マキ姐さんを大事にしろよ~!!!」
「マキさん、お幸せにね!」
「子供産まれたら教えてくれよ~!」
結婚パーティーを行なったその日に、『初夜』を迎えました。
それが見事に命中したのか、マキさんは約1ヶ月半後に妊娠フラグが立ち始め、産婦人科で診て貰うと、見事におめでたでした!
おめでたから10ヶ月ピッタリと、標準より10日早かったが、無事、出産。
母子共に健康である。
男の子だ。
ウェアウルフとのミックスなので、髪の毛がフサフサで濃い産毛が生えているが、それ以外は普通の人間の赤ん坊と変わりません。
※近年は『ハーフ』と言う表情は、差別用語になるそうです。
『ミックス』と言う表情が使われてます。
作者も、「お父様が外国籍の方」である知人から教えてもらって知ったのですが。
「マキちゃん!頑張ったね!ありがとう!!」
「ダーリン♡貴方みたいな男前で逞しくなりそうな子よ♡」
「名前、どうする?」
「貴方の名前をもじって、ガルーと言うのはどう?外国人の旦那さんとのミックスだから、この国でもイケる名前だと思うし。だってこの国ではひと昔前から『キラキラネーム』と言って普通の読み方では読めない人名が増えてるくらいだから、カタカナでガルーと名付けても、別におかしくないと思うわ。でしょ?」
「確かに⭐︎よし!息子よ!お前の名前はガルー、木場ガルーだ。父さんのように逞しく、母さんのように優しい子に育ってくれよ⭐︎」
ガルーは人間界で生まれた為、普通の男の子とほぼ変わらず育っていきました。
ちょっとだけ毛深いことを除いて。
幸い、幼稚園や学校でも良きクラスメイトや友人に恵まれたので、差別などなく平和な生活を送ることができた。
父親譲りで脚が早く、理数系以外は頭も良かった。
母親譲りの優しさと先入観を持たない性格から、ハンディキャップを持った同級生(特別支援学級に居る)、特に知的なハンディキャップを持った児童・生徒の手助けを積極的に行なっていた。
それ故に、校内の人気者となっていた。
ガルーが高校2年の頃、種族の垣根を超えて結ばれた両親を突然、残酷な運命が引き裂いた!
某アジアの国から流行った感染症が、父親に移ってしまったのである!
サーズである。
たまたま別のアジアの国に出張に行っていた時に、感染したとのこと。
怪我や病気にはかなり強い父親ですが、人間界のレアな感染症には抵抗力を持っていなかった為、重篤化に…。
出張先の国の病院の隔離病棟に、母親とガルーは駆けつけました。
その頃には父親は、かなりやつれていました…。
信じられないくらいに…。
防護服を着た妻と息子に、最後のチカラを振り絞って、こう言った。
「マキちゃん…俺は君と出会えて…本当に良かった…。普通の人間なら、俺たちウェアウルフと仲良くなったり結婚してくれないから…。ガルーよ…強く生きろ…!!」
ガクッ!
「親父ぃ~!!!」
「ダーリン!!」
ガルーの父親は、息を引き取りました…。
自分の夫が突然亡くなってしまったショックにより、ガルーの母親もだんだん身体を悪くしてしまったのでした。
「おふくろ…。」
「ガルー…私がタヒんだら、お父さんのお兄さんである貴方の伯父さんを頼るのですよ。」
「親父に…お兄さんが居たのか?!」
「そうなのよ。ただし、この世界では無いわ…。」
「この世界じゃないって…?!?!」
「実はね、お父さんは…別の世界から…やってきたの。人間は…住んでいない世界からね。」
「親父はウェアウルフであることは知ってたが、まさか別の世界の出身だったとは…。」
「私もカップルになった時に…お父さんから打ち明けられたの…。最初は驚いたけど…でも、普通の人間と大差ないから…真剣に交際し…結婚もしたわ…。オキテがあるので…普通の人間である私はお父さんの故郷に行けなかったけど…貴方なら…。」
「おふくろ!もう喋らないで!体力消耗するから…!!」
「ガルー…貴方が生まれてくれて、私とお父さんは…幸せだったよ…。ありが…とう…。」
少しずつ目をつぶり、そのまま…力尽きた…。
「おふくろー!!」
2ヶ月の間に両親を失ってしまった木場ガルー。
父親の会社の従業員たちの協力により、簡素な葬儀を執り行った。
葬儀を終えて、1人悲しみにくれていると…
突然
ガルーの頭の中に
男性の声が…!!
*初めまして、ガルー君。私は君のお父さんのお兄さんであるガオームと申す。つまり伯父さんだ。
「えっ?伯父さん??」
ガルーは驚きながら呟くと、伯父さんの声が頭の中に。
*お父さんとお母さんのこと、お悔やみ申し上げる。弟と義妹を失い、伯父さんもすごく悲しい…。ガルー君のお父さん:ガルムから、もし何かあったらガルーの面倒を見てほしいと頼まれていたんだ。これからは、私がガルー君のお父さん代わりになる。高校卒業するまでは伯父さんが金銭面などのバックアップをするよ。卒業したら、伯父さんの所に来て欲しいんだ。
「伯父さんの所?異世界に??」
*そうだよ。伯父さんの住む世界は、魔物しか住んでいない世界なんだ。でも怖がらないで欲しい。魔物の殆どは、君のお父さんのように、人間と仲良くなりたい者ばかりなんだ。人間が嫌いな魔物もいるけど、関わらないようにしてるだけで人間を傷つけたりはしない。それに君は半分はウェアウルフなんだ。だから伯父さんのいる世界に来ても問題ないんだよ。
「そ…そうか…僕は半分、ウェアウルフでしたね…。でも、変身したことはないんです。」
*それはね、人間界では非常事態以外は変身して欲しくないから、君のお父さんが変身方法を教えてなかったんだよ。まだ子供だから、好奇心とか私利私欲の目的の為に変身されるのを恐れてね。
「そうだったのですね。親父は僕を時には厳しく、時には優しく育ててくれました。普通の人間として。確かに親父は非常事態以外は変身しませんでした。僕が車に轢かれそうになった時とか…。」
※ガルーの父親のウェアウルフ体は、妻と息子なら見える。
*君が成人した時に、教えるつもりだったそうだ。君の住む人間界のニホン国は、今は18歳が成人だから、その時にだったんだろう。
「親父…。親父に教わりたかった…。変身を…。」
*伯父さんが変身を教えてあげる。だから、まずは高校を卒業するまで勉強を頑張りなさい。
「伯父さん、ありがとうございます。宜しくお願いします!」
両親を失ってしまったガルーであるが、伯父から金銭面のバックアップを受けたことにより、1人でも生活は何とかなった。
家事関係は、ときどき亡き父の会社の女性魔物従業員が手伝いに来てくれたので、一通りできるようになった。
因みにだが、父亡き後、父の会社の代表取締役は、信頼できる&実力ある部下が引き継いだ。
タヒ期を悟った父は、予め後任を選んでいたのである。
高校を卒業したガルーは、人間界での家を引き払って、『魔物の世界』に旅立った。
ガルーは異世界ワープを使えない為、父の部下だった従業員魔物に、連れて行って貰った。
ー『魔物の世界』ー
特に名前はない世界。
昼夜は有るものの空は紫色で、人間界には無い木々や植物が多い。
街はあるけど、中世風や砂漠の国の建物ばかり。
電気やビル、自動車は見当たらない。
そこそこ大きな街の奥に、3階建の建物がある。
そこが、ガルーの伯父が所長を務めるウェアウルフ興信所なのだ。
「ガルー君、こちらです。」
異世界ワープで魔物の世界まで連れてってくれた、亡き父の会社の女性従業員:サキュバスの須馬 咲が、入り口まで案内してくれた。
「では、私はこれで失礼します。ガルー君、どうか身体に気をつけてくださいね。そして、たまには会社に顔を出してくださいね。貴方のお父様には大変お世話になりましたので、ご子息である貴方がお顔を見せて下さると皆も喜びますわ。」
「ありがとうございました、須馬さん!」
従業員サキュバスと別れ、ウェアウルフ興信所の入り口に入り、大きな声で挨拶。
「失礼します!僕はウェアウルフ興信所所長の甥、木場ガルーと申します。伯父であり、所長であるガオームさんと面会のアポがあります。お取次をお願いします!!」
すると、生還な顔つきのウェアウルフが入り口まで出てきて、
「おおっ!君がガオーム所長の甥っ子:ガルー君だね?ささっ!伯父上のガオーム所長の所へご案内しますね。」
と、フランクな対応で3階の所長室まで案内してくれた。
「ガオーム所長!甥御さんをお連れ致しました。さぁ、ガルー君、どうぞ」
所長室に入ると、父親を少し老けさせたような顔のウェアウルフが、ガルーを歓迎した。
「リアル対面は初めてですね、ガルー君。私が君の父:ガルムの兄のガオームです。」
「初めまして、ガオーム伯父さん。そして、人間界での高校生活のサポート、本当にありがとうございました!!」
「いえいえ。君は本当に人間時のお父さんそっくりになってきたな?」
「伯父さんも親父のお兄さんだけあって、ウェアウルフ変身時の顔つきがほぼ親父に似ておられます。親父が老けると、伯父さんみたいに??」
「ハハハ…そうか!僕は弟と歳が9歳離れてるんだよ。」
「えーっ!知らなかったです!!」
「まぁ、人間界のニホンでも、昔は歳が離れた兄弟って普通に居たらしいよ?」
「そうなんですか~?人間界生まれでも、まだまだ知らないことが多いです(汗)」
直接顔を合わせるリアル対面は初めてだった為、会話がますます盛り上がった。
ウェアウルフ興信所は、主にスパイ的なモノから、悪徳犯罪者の素性調査がメインである。
ただし、お金を積まれても非人道的ならぬ非魔物道的な依頼は断っている。
一度、盗賊団を率いている悪徳ゴブリンが、依頼料弾むから都の1番の金持ち魔物の屋敷の警備などを調査してくれと頼んだものの断られた為、ゴブリンが逆ギレして手を出してきたが、所長を始めとした屈強なウェアウルフ調査員達にボッコボコにされて返り討ちにされ、人間界の警察にあたる機関に引き渡されたとさ!
因みにそのゴブリン達は裁判の結果、処刑担当ラミアによる丸呑みシ刑が言い渡された!
実は丸呑みシ刑は、元々この魔物の世界に存在していた処刑方法なのですよ。
ガルーはウェアウルフとのミックス故、人狼に変身する能力がある。
ただし、まだ、変身の方法を知らない為、ガオーム所長から直々に指導を受けることに。
「良いかいガルー君、我々の世界は魔物だけの世界。人間に近い姿をした人型魔族は居るが、人間は来てはいけない世界なんだ。先日説明したように、普通の人間の身体がこの世界の環境などに耐えられないことや、野生の魔物に見つかったら人生の終わりになるからだ。そして、魔物の中には人間嫌いも居る。命を取るようなことはしないが精神的に宜しくないからな。だから、『人間は来てはいけない』オキテがあるんだ。」
「だからこそ、変身する必要が…?でしょうか?」
「そうだよ。私もウェアウルフだからな、変身を解けば人間の姿になれるよ。オキテの都合上、人狼の姿のままでいるけどな。」
「いつか何かの機会に素顔を見せてください。では、ご指導、宜しくお願いします!!」
「慣れるまでキツイが、頑張れよ!!亡き弟から聞いてるが、君は頑張り屋だそうだな。では、いくぞ!」
人狼への変身の仕方を教わった。
「ガルー君、まずは精神を集中し…」
「精神を…集中…」
「そして、身体の奥底に眠る獣の血を湧き上がらせる…。」
「こ…こうですか…??う゛う゛う゛う゛ぁ~!!」
「ただ力むだけではダメだぞガルー君。力ではなく、心をたかぶらせるんだ。」
「う゛う゛う゛う゛ぁ~!!」
「少しだけ、姿が変わった!…と思ったら、不発だった。惜しいぞガルー君!」
「ハァハァハァハァ…。」
「ガルー君、休憩しよう!」
「いえ、ガオーム伯父さん!僕まだやれます!!」
「無理をしすぎると身体を壊してしまうぞ。伯父さんとして、そして未来の上司としての命令だ。休憩を取りなさい。」
「ハイ!伯父さ…えっ?未来の上司って…まさか?!?!」
「そうだ!君にはうちの興信所で働いて貰いたい。1人の若手ウェアウルフとしてな。私は仕事では身内贔屓はしない。君もきっとコネ入社とかを嫌うタイプだろう?だから仕事中は、1人の従業員として扱うつもりだ。」
「僕を…?ありがとうございます!ガオームおじ…いえ!ガオーム所長!!」
「ハハハ…仕事とプライベートはキッチリ分けられるタイプで安心したぞ。では、30分休憩したら、特訓の続きだ。水分はしっかり取っておくのだぞ。」
「ハイ!所長!!」
こうして、変身の特訓は続き、3日後に変身できるようになり、更に2日後に長時間変身を保つことができるようになり、更に1週間後に人狼のままでいられるようになった!
ガルーが変身をマスターしてから一従業員としてウェアウルフ興信所で働くことになった。
努力家で速い脚を活かした仕事ぶりが評価され、『所長の甥』抜きで先輩後輩から慕われた。
そして、4年が経った。
ガルーがもうすぐ23歳になろうとした頃、ガオーム所長からお呼び出しがあった。
「ガルー君、君が私の元に来てから4年になるが、実力の高さに驚きまくりだよ!普通なら4年なんてまだまだヒヨッコの部類なのだが…。流石、亡き弟の子だ!そこでだ!君にウェアウルフ興信所の所長を継いで貰いたい!これからは、若いチカラでウェアウルフ興信所を大きくして欲しい!」
「えっ?!伯父さ…いえ所長…!まだ僕には早すぎます!」
「自信を持て、ガルー君!身内贔屓で言ってるのでは無いぞ。ホレ!彼らを見てみなさい。」
伯父が指差した方向を見ると、伯父の部下達:ウェアウルフ調査員・ハーピー調査員の方々が、ガルーの所長就任を歓迎しているムードになっていた。
「な?みんなガルー君が所長になることを望んでいるんだよ。私は退任するが、会長として、『助言者』として留まるつもりだ。だから心配しないで、君のチカラでウェアウルフ興信所を大きくして欲しい。人間界で生まれ育って学んだことを活かしてみると良い。」
先輩後輩調査員の方々は口々に、
「ガルー!お前なら大丈夫だ!!」
「ガルーさん!是非、所長に就任して下さい!!」
「オレ達が支えるから、自信持って下さい!!」
ガルーは実力もあり人望があった。
だから『前所長の甥っ子』と言うこと抜きで、所長就任することを望まれていた。
ガルーは決心がつき、
「ガオーム所長!皆さん!!僕、所長に就任します!ご覧の通り、まだ若輩者なので、伯父上であるガオーム所長のように上手くできないかもしれません。でも、こうして僕を慕って下さる先輩後輩の方々の為にも全力で頑張ります!どうか、宜しくお願いします!!!」
就任挨拶をし深々とお辞儀すると、
「いいぞガルー!!」
「頑張れよー!!」
「私たちは貴方について行きます!!」
こうして、木場ガルーは2代目所長に就任した。
余談ですが、本編でラーラたちが活躍している時代でも、ガオーム元所長は会長として今も彼らを見守り続けています。
ここだけの話ですが、数話前のミアちゃんが、人間界の地球の子供たちを喰らってた犯人を興信所に依頼した際に、ガオーム会長も調査に加わっていたのです。
生まれて初めての人間界だったそうで、事件がなければ、心から人間界を楽しみたかったそうです。
ガルー所長は後に、事務員の1人である女性ウェアウルフと職場恋愛の末に結婚し、息子を1人もうけた。
人間界の素晴らしさも知っている故、息子には人間界も経験させてあげたいと言う教育方針から、人間界の小学校に入学させる計画を練った。
ラーラとウェアウルフ興信所との出会いを、別話で書きます。
それを機に、ガルムとマキさんは、結婚しました!
種族の垣根を超えて!!
ガルムの兄:ガオームはウェアウルフ興信所を留守にはできない故(当時は信頼できる部下=『No.2』に指定できる者が居なかった)、そしてマキさんは天涯孤独な身ゆえに結婚式は挙げなかったが、アルバイト時代の仲の良い同僚、人材派遣会社の従業員たちと、ささやかなパーティーをしました。
「ガルム、おめでとー!!マキ姐さんを大事にしろよ~!!!」
「マキさん、お幸せにね!」
「子供産まれたら教えてくれよ~!」
結婚パーティーを行なったその日に、『初夜』を迎えました。
それが見事に命中したのか、マキさんは約1ヶ月半後に妊娠フラグが立ち始め、産婦人科で診て貰うと、見事におめでたでした!
おめでたから10ヶ月ピッタリと、標準より10日早かったが、無事、出産。
母子共に健康である。
男の子だ。
ウェアウルフとのミックスなので、髪の毛がフサフサで濃い産毛が生えているが、それ以外は普通の人間の赤ん坊と変わりません。
※近年は『ハーフ』と言う表情は、差別用語になるそうです。
『ミックス』と言う表情が使われてます。
作者も、「お父様が外国籍の方」である知人から教えてもらって知ったのですが。
「マキちゃん!頑張ったね!ありがとう!!」
「ダーリン♡貴方みたいな男前で逞しくなりそうな子よ♡」
「名前、どうする?」
「貴方の名前をもじって、ガルーと言うのはどう?外国人の旦那さんとのミックスだから、この国でもイケる名前だと思うし。だってこの国ではひと昔前から『キラキラネーム』と言って普通の読み方では読めない人名が増えてるくらいだから、カタカナでガルーと名付けても、別におかしくないと思うわ。でしょ?」
「確かに⭐︎よし!息子よ!お前の名前はガルー、木場ガルーだ。父さんのように逞しく、母さんのように優しい子に育ってくれよ⭐︎」
ガルーは人間界で生まれた為、普通の男の子とほぼ変わらず育っていきました。
ちょっとだけ毛深いことを除いて。
幸い、幼稚園や学校でも良きクラスメイトや友人に恵まれたので、差別などなく平和な生活を送ることができた。
父親譲りで脚が早く、理数系以外は頭も良かった。
母親譲りの優しさと先入観を持たない性格から、ハンディキャップを持った同級生(特別支援学級に居る)、特に知的なハンディキャップを持った児童・生徒の手助けを積極的に行なっていた。
それ故に、校内の人気者となっていた。
ガルーが高校2年の頃、種族の垣根を超えて結ばれた両親を突然、残酷な運命が引き裂いた!
某アジアの国から流行った感染症が、父親に移ってしまったのである!
サーズである。
たまたま別のアジアの国に出張に行っていた時に、感染したとのこと。
怪我や病気にはかなり強い父親ですが、人間界のレアな感染症には抵抗力を持っていなかった為、重篤化に…。
出張先の国の病院の隔離病棟に、母親とガルーは駆けつけました。
その頃には父親は、かなりやつれていました…。
信じられないくらいに…。
防護服を着た妻と息子に、最後のチカラを振り絞って、こう言った。
「マキちゃん…俺は君と出会えて…本当に良かった…。普通の人間なら、俺たちウェアウルフと仲良くなったり結婚してくれないから…。ガルーよ…強く生きろ…!!」
ガクッ!
「親父ぃ~!!!」
「ダーリン!!」
ガルーの父親は、息を引き取りました…。
自分の夫が突然亡くなってしまったショックにより、ガルーの母親もだんだん身体を悪くしてしまったのでした。
「おふくろ…。」
「ガルー…私がタヒんだら、お父さんのお兄さんである貴方の伯父さんを頼るのですよ。」
「親父に…お兄さんが居たのか?!」
「そうなのよ。ただし、この世界では無いわ…。」
「この世界じゃないって…?!?!」
「実はね、お父さんは…別の世界から…やってきたの。人間は…住んでいない世界からね。」
「親父はウェアウルフであることは知ってたが、まさか別の世界の出身だったとは…。」
「私もカップルになった時に…お父さんから打ち明けられたの…。最初は驚いたけど…でも、普通の人間と大差ないから…真剣に交際し…結婚もしたわ…。オキテがあるので…普通の人間である私はお父さんの故郷に行けなかったけど…貴方なら…。」
「おふくろ!もう喋らないで!体力消耗するから…!!」
「ガルー…貴方が生まれてくれて、私とお父さんは…幸せだったよ…。ありが…とう…。」
少しずつ目をつぶり、そのまま…力尽きた…。
「おふくろー!!」
2ヶ月の間に両親を失ってしまった木場ガルー。
父親の会社の従業員たちの協力により、簡素な葬儀を執り行った。
葬儀を終えて、1人悲しみにくれていると…
突然
ガルーの頭の中に
男性の声が…!!
*初めまして、ガルー君。私は君のお父さんのお兄さんであるガオームと申す。つまり伯父さんだ。
「えっ?伯父さん??」
ガルーは驚きながら呟くと、伯父さんの声が頭の中に。
*お父さんとお母さんのこと、お悔やみ申し上げる。弟と義妹を失い、伯父さんもすごく悲しい…。ガルー君のお父さん:ガルムから、もし何かあったらガルーの面倒を見てほしいと頼まれていたんだ。これからは、私がガルー君のお父さん代わりになる。高校卒業するまでは伯父さんが金銭面などのバックアップをするよ。卒業したら、伯父さんの所に来て欲しいんだ。
「伯父さんの所?異世界に??」
*そうだよ。伯父さんの住む世界は、魔物しか住んでいない世界なんだ。でも怖がらないで欲しい。魔物の殆どは、君のお父さんのように、人間と仲良くなりたい者ばかりなんだ。人間が嫌いな魔物もいるけど、関わらないようにしてるだけで人間を傷つけたりはしない。それに君は半分はウェアウルフなんだ。だから伯父さんのいる世界に来ても問題ないんだよ。
「そ…そうか…僕は半分、ウェアウルフでしたね…。でも、変身したことはないんです。」
*それはね、人間界では非常事態以外は変身して欲しくないから、君のお父さんが変身方法を教えてなかったんだよ。まだ子供だから、好奇心とか私利私欲の目的の為に変身されるのを恐れてね。
「そうだったのですね。親父は僕を時には厳しく、時には優しく育ててくれました。普通の人間として。確かに親父は非常事態以外は変身しませんでした。僕が車に轢かれそうになった時とか…。」
※ガルーの父親のウェアウルフ体は、妻と息子なら見える。
*君が成人した時に、教えるつもりだったそうだ。君の住む人間界のニホン国は、今は18歳が成人だから、その時にだったんだろう。
「親父…。親父に教わりたかった…。変身を…。」
*伯父さんが変身を教えてあげる。だから、まずは高校を卒業するまで勉強を頑張りなさい。
「伯父さん、ありがとうございます。宜しくお願いします!」
両親を失ってしまったガルーであるが、伯父から金銭面のバックアップを受けたことにより、1人でも生活は何とかなった。
家事関係は、ときどき亡き父の会社の女性魔物従業員が手伝いに来てくれたので、一通りできるようになった。
因みにだが、父亡き後、父の会社の代表取締役は、信頼できる&実力ある部下が引き継いだ。
タヒ期を悟った父は、予め後任を選んでいたのである。
高校を卒業したガルーは、人間界での家を引き払って、『魔物の世界』に旅立った。
ガルーは異世界ワープを使えない為、父の部下だった従業員魔物に、連れて行って貰った。
ー『魔物の世界』ー
特に名前はない世界。
昼夜は有るものの空は紫色で、人間界には無い木々や植物が多い。
街はあるけど、中世風や砂漠の国の建物ばかり。
電気やビル、自動車は見当たらない。
そこそこ大きな街の奥に、3階建の建物がある。
そこが、ガルーの伯父が所長を務めるウェアウルフ興信所なのだ。
「ガルー君、こちらです。」
異世界ワープで魔物の世界まで連れてってくれた、亡き父の会社の女性従業員:サキュバスの須馬 咲が、入り口まで案内してくれた。
「では、私はこれで失礼します。ガルー君、どうか身体に気をつけてくださいね。そして、たまには会社に顔を出してくださいね。貴方のお父様には大変お世話になりましたので、ご子息である貴方がお顔を見せて下さると皆も喜びますわ。」
「ありがとうございました、須馬さん!」
従業員サキュバスと別れ、ウェアウルフ興信所の入り口に入り、大きな声で挨拶。
「失礼します!僕はウェアウルフ興信所所長の甥、木場ガルーと申します。伯父であり、所長であるガオームさんと面会のアポがあります。お取次をお願いします!!」
すると、生還な顔つきのウェアウルフが入り口まで出てきて、
「おおっ!君がガオーム所長の甥っ子:ガルー君だね?ささっ!伯父上のガオーム所長の所へご案内しますね。」
と、フランクな対応で3階の所長室まで案内してくれた。
「ガオーム所長!甥御さんをお連れ致しました。さぁ、ガルー君、どうぞ」
所長室に入ると、父親を少し老けさせたような顔のウェアウルフが、ガルーを歓迎した。
「リアル対面は初めてですね、ガルー君。私が君の父:ガルムの兄のガオームです。」
「初めまして、ガオーム伯父さん。そして、人間界での高校生活のサポート、本当にありがとうございました!!」
「いえいえ。君は本当に人間時のお父さんそっくりになってきたな?」
「伯父さんも親父のお兄さんだけあって、ウェアウルフ変身時の顔つきがほぼ親父に似ておられます。親父が老けると、伯父さんみたいに??」
「ハハハ…そうか!僕は弟と歳が9歳離れてるんだよ。」
「えーっ!知らなかったです!!」
「まぁ、人間界のニホンでも、昔は歳が離れた兄弟って普通に居たらしいよ?」
「そうなんですか~?人間界生まれでも、まだまだ知らないことが多いです(汗)」
直接顔を合わせるリアル対面は初めてだった為、会話がますます盛り上がった。
ウェアウルフ興信所は、主にスパイ的なモノから、悪徳犯罪者の素性調査がメインである。
ただし、お金を積まれても非人道的ならぬ非魔物道的な依頼は断っている。
一度、盗賊団を率いている悪徳ゴブリンが、依頼料弾むから都の1番の金持ち魔物の屋敷の警備などを調査してくれと頼んだものの断られた為、ゴブリンが逆ギレして手を出してきたが、所長を始めとした屈強なウェアウルフ調査員達にボッコボコにされて返り討ちにされ、人間界の警察にあたる機関に引き渡されたとさ!
因みにそのゴブリン達は裁判の結果、処刑担当ラミアによる丸呑みシ刑が言い渡された!
実は丸呑みシ刑は、元々この魔物の世界に存在していた処刑方法なのですよ。
ガルーはウェアウルフとのミックス故、人狼に変身する能力がある。
ただし、まだ、変身の方法を知らない為、ガオーム所長から直々に指導を受けることに。
「良いかいガルー君、我々の世界は魔物だけの世界。人間に近い姿をした人型魔族は居るが、人間は来てはいけない世界なんだ。先日説明したように、普通の人間の身体がこの世界の環境などに耐えられないことや、野生の魔物に見つかったら人生の終わりになるからだ。そして、魔物の中には人間嫌いも居る。命を取るようなことはしないが精神的に宜しくないからな。だから、『人間は来てはいけない』オキテがあるんだ。」
「だからこそ、変身する必要が…?でしょうか?」
「そうだよ。私もウェアウルフだからな、変身を解けば人間の姿になれるよ。オキテの都合上、人狼の姿のままでいるけどな。」
「いつか何かの機会に素顔を見せてください。では、ご指導、宜しくお願いします!!」
「慣れるまでキツイが、頑張れよ!!亡き弟から聞いてるが、君は頑張り屋だそうだな。では、いくぞ!」
人狼への変身の仕方を教わった。
「ガルー君、まずは精神を集中し…」
「精神を…集中…」
「そして、身体の奥底に眠る獣の血を湧き上がらせる…。」
「こ…こうですか…??う゛う゛う゛う゛ぁ~!!」
「ただ力むだけではダメだぞガルー君。力ではなく、心をたかぶらせるんだ。」
「う゛う゛う゛う゛ぁ~!!」
「少しだけ、姿が変わった!…と思ったら、不発だった。惜しいぞガルー君!」
「ハァハァハァハァ…。」
「ガルー君、休憩しよう!」
「いえ、ガオーム伯父さん!僕まだやれます!!」
「無理をしすぎると身体を壊してしまうぞ。伯父さんとして、そして未来の上司としての命令だ。休憩を取りなさい。」
「ハイ!伯父さ…えっ?未来の上司って…まさか?!?!」
「そうだ!君にはうちの興信所で働いて貰いたい。1人の若手ウェアウルフとしてな。私は仕事では身内贔屓はしない。君もきっとコネ入社とかを嫌うタイプだろう?だから仕事中は、1人の従業員として扱うつもりだ。」
「僕を…?ありがとうございます!ガオームおじ…いえ!ガオーム所長!!」
「ハハハ…仕事とプライベートはキッチリ分けられるタイプで安心したぞ。では、30分休憩したら、特訓の続きだ。水分はしっかり取っておくのだぞ。」
「ハイ!所長!!」
こうして、変身の特訓は続き、3日後に変身できるようになり、更に2日後に長時間変身を保つことができるようになり、更に1週間後に人狼のままでいられるようになった!
ガルーが変身をマスターしてから一従業員としてウェアウルフ興信所で働くことになった。
努力家で速い脚を活かした仕事ぶりが評価され、『所長の甥』抜きで先輩後輩から慕われた。
そして、4年が経った。
ガルーがもうすぐ23歳になろうとした頃、ガオーム所長からお呼び出しがあった。
「ガルー君、君が私の元に来てから4年になるが、実力の高さに驚きまくりだよ!普通なら4年なんてまだまだヒヨッコの部類なのだが…。流石、亡き弟の子だ!そこでだ!君にウェアウルフ興信所の所長を継いで貰いたい!これからは、若いチカラでウェアウルフ興信所を大きくして欲しい!」
「えっ?!伯父さ…いえ所長…!まだ僕には早すぎます!」
「自信を持て、ガルー君!身内贔屓で言ってるのでは無いぞ。ホレ!彼らを見てみなさい。」
伯父が指差した方向を見ると、伯父の部下達:ウェアウルフ調査員・ハーピー調査員の方々が、ガルーの所長就任を歓迎しているムードになっていた。
「な?みんなガルー君が所長になることを望んでいるんだよ。私は退任するが、会長として、『助言者』として留まるつもりだ。だから心配しないで、君のチカラでウェアウルフ興信所を大きくして欲しい。人間界で生まれ育って学んだことを活かしてみると良い。」
先輩後輩調査員の方々は口々に、
「ガルー!お前なら大丈夫だ!!」
「ガルーさん!是非、所長に就任して下さい!!」
「オレ達が支えるから、自信持って下さい!!」
ガルーは実力もあり人望があった。
だから『前所長の甥っ子』と言うこと抜きで、所長就任することを望まれていた。
ガルーは決心がつき、
「ガオーム所長!皆さん!!僕、所長に就任します!ご覧の通り、まだ若輩者なので、伯父上であるガオーム所長のように上手くできないかもしれません。でも、こうして僕を慕って下さる先輩後輩の方々の為にも全力で頑張ります!どうか、宜しくお願いします!!!」
就任挨拶をし深々とお辞儀すると、
「いいぞガルー!!」
「頑張れよー!!」
「私たちは貴方について行きます!!」
こうして、木場ガルーは2代目所長に就任した。
余談ですが、本編でラーラたちが活躍している時代でも、ガオーム元所長は会長として今も彼らを見守り続けています。
ここだけの話ですが、数話前のミアちゃんが、人間界の地球の子供たちを喰らってた犯人を興信所に依頼した際に、ガオーム会長も調査に加わっていたのです。
生まれて初めての人間界だったそうで、事件がなければ、心から人間界を楽しみたかったそうです。
ガルー所長は後に、事務員の1人である女性ウェアウルフと職場恋愛の末に結婚し、息子を1人もうけた。
人間界の素晴らしさも知っている故、息子には人間界も経験させてあげたいと言う教育方針から、人間界の小学校に入学させる計画を練った。
ラーラとウェアウルフ興信所との出会いを、別話で書きます。
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