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しおりを挟むロニーの事を考えていたら熱を出して…
コンコン
「ライラ、大丈夫か?」
「ロニー」
「無理して起き上がるな」
「もう熱は下がったわ。ずっと寝てたから椅子に座りたいの」
「そうか」
ロニーは私を横抱きしソファーに座らせた。
ロニー、
軽々と私を抱き上げたわ。
それに、今の私の格好…
髪はボサボサ、それにネグリジェ姿…
ロニーはソファーに掛けてあった羽織りを私に掛け、
「ライラは熱を出すとこれしか食べないだろ?」
私は熱を出すとゼリーしか食べない。
「ほら、食べれるか?」
「うん」
「熱は?」
「下がったわ」
「本当か?まだ顔が赤いぞ?」
ロニーは自分の額を私の額にくっつけ、
こんなに顔が近くてもロニーは嫌じゃない。でも、お父様がしても嫌じゃないわ。
「熱は下がったみたいだな」
「うん」
「どうだ?美味しいか?」
「うん」
「そうか」
ロニーの顔が、
私を見つめるロニーの顔が、
優しい?
愛しい?
「食べたらまた布団に入れよ」
「うん」
私はゼリーを食べ終え、
「ねぇ、ロニー、一度抱きしめてくれない?」
「良いけど」
私は立ち上がり、
ロニーは私を抱きしめた。
え?
この感じ、
しっくりくる。
「ありがとう」
ロニーから離れた時、フラッと、
「ライラ!」
ロニーがガシっと受け止めてくれた。
そのままベッドまで運んでくれ、
「もう寝ろ」
「うん」
ロニーは私の頭を撫でている。
クラスの令息に抱きしめられた時、気持ち悪かった。テオに抱きしめられた時は安心したけどお父様に抱きしめられる感じと似ていた。
ロニーは?
ロニーに抱きしめられた時、少し恥ずかしくて、でもロニーの匂いに安心してしっくりきたのよね。
テオに言われた、回りを見たら今迄気付かなかった事に気付く…
ベッドからソファーへ運んでくれた時もベッドへ寝かせてくれた時も、ロニーは私を軽々抱き上げてた。
私がふらついた時、ロニーは普通に私を受け止めてくれたわ。
それに、よく見たら…
いつの間にこんなに逞しくなったの?
背を抜かされたのは子供の時だったから気にした事なかったけど、背も私よりずっと高かった。それに…昔はヒョロヒョロだったのに…。
いつの間に青年の男性の顔になったの?
幼い頃の顔から変わったのは分かっていたけど、それでもまだ少年の顔だと、そう思っていたのに…。
リップが言ってたロニーにしか見せない姿、
こんな頭ボサボサでネグリジェ姿、普通なら誰にも見せないわ。
家族と思っているから?
確かに家族には見せれるわね。
こうやってお母様もお父様も私の頭を撫でてくれるわ。
幼い頃は大きな手で優しく撫でてくれて、手の温もりが心地よくて安心した。幼い頃より減ったけど今もそれは変わらないわ。
ロニーの手は何が違うんだろう。
子供の頃は毎日一緒に遊んで、昼寝もくっついて寝ていたわ。隣に居るのが当たり前で、
私はロニーが大好きだった。
そう、子供の頃はロニーが大好きだったわ。ライラはロニーのお嫁さんよって言われた時は嬉しかったわ。ずっと一緒に居られるって。
どうして私はテオを運命の人って言ったのかな?
遊んでくれたから?
軽々抱っこしてくれたから?
優しかったから?
なんか、色々考えていたら頭がぐるぐるしてきた…。
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