君は淫らなシンデレラ~ちびっ子天才デザイナーは初恋ノッポちゃんを離さない~

真波トウカ

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「ごめん、我慢できない。来て」

 手を引かれ連れていかれたのは蜜也のベッドルームだった。セミダブルのベッドに掛かるリネンは無地のシンプルなもので、ほとんど物のないその部屋は本当に寝るためだけの部屋のようだった。

 蜜也の匂いでいっぱいに満たされた部屋に胸が高鳴る。

 ベッドに並んで腰掛けると今度は深く口づけられる。

「ん……」

 侵入してきた舌に自分のそれをおそるおそる絡ませると、そのまま吸い上げられた。

 頭の中心がじんと痺れたようになる。
 ゆっくりと押し倒され、服の上から胸を柔く揉まれる。

「んんっ」

 もどかしい快感に身を捩ると蜜也が身体を起こした。花奈実を見下ろす瞳は少しだけ潤んでいる。

「可愛いよ、花奈実」

 額の髪をそっとどけられ、掠れた声で囁かれるとどくんと胸が鳴った。

 その声音がとても優しくて、なんだか泣きたい気分になる。

 どうして蜜也が急に態度を変えたのかわからなかったが、今はそんなことどうでもいい。

 ――もう、夢でもなんでもいいから。

 蜜也が優しく囁いてくれるなら、あとでもっとつらくなったっていい。
 ブラウスのボタンに駆けられた手を花奈実は拒絶しなかった。

 蜜也は花奈実に馬乗りになると徐々にあらわになる素肌に軽くキスを落としながら、ボタンを外していく。段々とキスの位置が下がって、へその辺りまで辿り着いたところで全てのボタンが外された。

 シャツを取り払われて、今度は下着のホックに手をかけられる。
 金具はぷちんとあっさり外され、花奈実は思わずブラジャーを押さえた。

「は、恥ずかしい……」

 他の部屋よりも明るさは落とされているが、ルームランプの光はこの距離ならお互いの顔がはっきり見える程度には明るい。なにも身に着けていない身体を見られるのはやっぱり恥ずかしかった。

 一度見てるじゃねえか、と笑い飛ばされるかと思ったが、それは違った。
 蜜也は胸を押さえる花奈実の指にチュッと軽く口づけをする。

「手ぇどけて。綺麗だから、恥ずかしがることない」

 砂糖のように甘い声に少しだけ肩の力を抜くと、手は優しくシーツに縫い止められ、下着もブラウスと同じように脱がされる。
 なにも着けていない上半身を蜜也が見下ろす。

「そんなに見ないで……」

 左手が膨らみを捕らえ、やわやわと揉まれるとすぐに中心がピンと尖ってしまう。その様を見られるのも恥ずかしい。

「ん、ふ……ぁ」
「可愛い。ここ、もう立ってる」

 胸の飾りを指先で弾かれると、面白いくらいに身体が跳ねた。

「やあ……っ」

 蜜也は片方の飾りを指先でつまみ上げると、もう片方を唇でくわえ込んだ。きゅうっとつねられたかと思えば、硬く尖らせた舌先でちろちろと優しく舐められる。

 敏感な部分に違う感触の刺激を与えられて、花奈実は気持ちよさに思わず腰をくねらせた。

「あんっ、あっ」

 お腹の奥がきゅんきゅんと痺れるようにひくついて、中心からは蜜が溢れ出しているのがわかる。
 もどかしくて思わず足をすりあわせてしまう。

 胸への刺激をやめた蜜也はスカートを脱がせると、クロッチの上から花奈実の敏感な部分に軽く爪を立てて引っ掻く。

「んあっ……!」
「濡れてる」

 何度も同じようにカリ、と爪を立てられ、腰が跳ねる。
 そのたび更に愛液が溢れてきた。

 身体の力が抜け、ショーツに手をかけられても抵抗すらできない。花奈実が今まで誰にも見せたことのない秘めた部分が簡単に蜜也の眼前に晒されてしまった。

 濡れた下生えをかき分けて、花芽に触れられると下着の上から触られた時とは比べものにならないくらいの刺激が体中を駆け巡った。

「ひあっ!」
「……痛い、か?」

 首を横に振る。そうではなくて、初めて感じる気持ちよさに混乱しているだけだ。

 蜜也は秘所の愛液をたっぷり指に塗りつけると、再び花芽を刺激してくる。こねるように丸く円を描いて弄られると雷撃のような快感が身体を支配した。

「や、な、なんかっ、ヘン……っ」

 身体がどこかの果てに上り詰めていくような感覚。思わず、シーツをぎゅっと握る。
 秘所からは蜜也の指の動きに合わせて、くちゅくちゅと水音が鳴っていた。

「や、あ、あ、……ああぁっ!」

 ぎゅっと敏感な芽を押しつぶされると、首をのけぞらせ全身を大きく痙攣させて花奈実は達した。
 痙攣がおさまるとベッドに沈み込んではあはあと肩で息をする。

「平気か?」
「う、ん……」

 蜜也はまだひくつくそこにまた指を這わせると、濡れそぼった割れ目にそっと中指を差し入れた。

「やっぱ、きついな……」

 隘路はしとどに濡れていて、痛みは感じなかったが、身体の中に何か埋め込まれたような異物感がある。

 蜜也はその中を押し開いていくように、ゆっくりと指を上下させた。

 ぐぷぐぷという空気の混ざった湿った音とともに、中からは蜜がとろりとあふれ出てくる。
 はじめは違和感しかなかった指の感触が徐々に気持ちのいいものに変換されていった。

「ん……、あ……」
「ヨくなってきた?」
「わ、わかんな……」

 花芽に触れられた時ほどではなかったが、じわりと快感のようなものを感じる。
 ぐっとひっかくようにして腹の裏を押されると、隘路のさらに奥がきゅ、と収縮した。

「もう一本増やすぞ」

 少しだけ出来た隙間に今度は人差し指も入ってくる。
 バラバラに動かされて中はきゅうきゅうときつく締まった。

「花奈実、ごめん。痛いかもしれねえけど、我慢できない」

 ずるりと指を引き抜き、服を脱ぎ捨てた蜜也が切なげに花奈実を見つめる。それだけで再び隘路が収縮した。

 蜜也は自分の中心で反り返った怒張の先を花奈実の秘裂にあてがう。
 ぐっと押し込まれるが、散々濡れているはずなのに指のようには入っていかず、侵入を拒んでいる。
 身体を引き裂くような痛みに、思わず腰がひけた。

「花奈実、こっちに集中して」
「んんっ……」

 唇を重ねられ、舌を差し入れられる。夢中でその舌の動きに自分のそれを合わせていると、少しだけ痛みが紛れる気がした。

 蜜也の熱く硬い杭はゆっくりと花奈実の身体を割り開いていく。
 引きつるような痛みに、花奈実は思わず蜜也をかき抱く。それに答えるように、蜜也も花奈実を抱きしめた。

 ――痛い、けど、幸せ。

 全身で蜜也を受け止められたことに、痛さよりも嬉しさの方が勝っている。

「っ、全部入った」

 蜜也が花奈実の腰をぐっと持ち上げると、つながったそこが花奈実からでもよく見えた。
 熱杭は中でどくどくと脈打って、存在感を感じさせている。

「悪い。痛かったろ」

 蜜也がそっと親指で、花奈実の目尻に滲んだ涙を拭った。

「大丈夫。も、平気だから」
「じゃ、動くぞ。痛かったら、言えよ?」

 本当のところなじんできたとはいえまだ秘所はひりひりと痛みがある。でもそれ以上に蜜也が優しく気遣ってくれるのが嬉しかった。

 蜜也は腰を一度肉棒が抜けるギリギリまで引くと、ゆっくりと奥へ差し込む。何度か抽送を繰り返されているうちに痛みはなくなり、じんと痺れるような快楽がせり上がってくる。

 もう一度腰を引かれ、また緩やかな抽送だと思っていると、今度はずんと激しい動きで奥を突かれる。

「あ、あっ」

 目の前が一瞬チカチカとするほどの衝撃。けれどそれは痛みからではなくむしろ――

 蜜也は花奈実の様子を見て大丈夫だと判断したのか、ずん、ずんとリズムをつけて素早く律動する。

「あっ、やあっ、っ、ふぁ……っ」
「っ、花奈実、花奈実っ……!」

 蜜也の剛直がさらに硬く、大きくなったと思った瞬間、それは花奈実の中で爆ぜた。
 熱い飛沫がぶちまけられた感覚に花奈実は身体をふるりと震わせる。

「ごめん。無理させたな」

 蜜也のものが中から抜き去られても起き上がる気力がなかった。身体がぐったりとだるく、まぶたが重い。

 服を着なくちゃと思うのに、あらがえず花奈実はそのまま眠りに落ちた。

 頭を撫でてくれる感覚が心地いい。これは蜜也の手だろうか。蜜也がそんな優しいことをしてくれるなんて。やっぱりこれは夢だったんじゃないだろうか。

「蜜也くん、好き……」
「俺も……愛してるよ、花奈実」

 やっぱり夢だ。
 蜜也がそんなこと言うわけがない。
 でも、今は夢でもいいから、この都合のいい世界に浸っていたかった。



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