9 / 10
8話
しおりを挟む
「すー…すー…ん、…」
静かに寝息を立てて寝る華河。もう泣き疲れてしまったのか、ぐっすり眠っている。
しばらくはこのままにしておこう_そう思い、病室から出ようとした。
「…あ、鷹村さん。こんにちは」
病室から出たすぐ目の前に、もう1人の患者_
北河が立っていた。まさか、さっきの事を聞かれたのか?
「…北河、どこから聞いてた?」
「?なんの事ですか?…あ、もしかして、何か恥ずかしい事でも話してたんですか?信孝と」
一応聞いてみるも、知らない素振りをする北河。
どうやら聞かれてはいなかったようだ。
「そうか。…ならいいんだ」
「どうしたんですか?まぁいいや。さようならー」
そして俺は、残っている事務仕事をするためさ事務室へと戻っていった。
……………………………………………………………
「…」
もう十分離れたかな
鷹村さんが近くにいない事を確認し、病室に入る。
中には泣き疲れて寝ている、信孝がいた。
さっきの知らない素振りは真っ赤な嘘だ。
本当は最初から全て聞いていた。
…あんな話、僕に話したことは無かった。
「綺麗な寝顔…」
小さく呟きながら、頬に優しく触れる。
「…んん……」
小さく悶えて、信孝が起きそうになってしまった。
幸い起きなかったが…危ない危ない
でも、本当に不思議だ。
どうして何年も一緒だった僕じゃなくて、ぱっと出の新しく就任した担当医に、鷹村にだけ話したの?
どうして僕じゃなかったの?
「…僕じゃ、駄目なの?」
本当に小さく呟いた独り言。
誰にも届くことはなく、静かに消えていった。
静かに寝息を立てて寝る華河。もう泣き疲れてしまったのか、ぐっすり眠っている。
しばらくはこのままにしておこう_そう思い、病室から出ようとした。
「…あ、鷹村さん。こんにちは」
病室から出たすぐ目の前に、もう1人の患者_
北河が立っていた。まさか、さっきの事を聞かれたのか?
「…北河、どこから聞いてた?」
「?なんの事ですか?…あ、もしかして、何か恥ずかしい事でも話してたんですか?信孝と」
一応聞いてみるも、知らない素振りをする北河。
どうやら聞かれてはいなかったようだ。
「そうか。…ならいいんだ」
「どうしたんですか?まぁいいや。さようならー」
そして俺は、残っている事務仕事をするためさ事務室へと戻っていった。
……………………………………………………………
「…」
もう十分離れたかな
鷹村さんが近くにいない事を確認し、病室に入る。
中には泣き疲れて寝ている、信孝がいた。
さっきの知らない素振りは真っ赤な嘘だ。
本当は最初から全て聞いていた。
…あんな話、僕に話したことは無かった。
「綺麗な寝顔…」
小さく呟きながら、頬に優しく触れる。
「…んん……」
小さく悶えて、信孝が起きそうになってしまった。
幸い起きなかったが…危ない危ない
でも、本当に不思議だ。
どうして何年も一緒だった僕じゃなくて、ぱっと出の新しく就任した担当医に、鷹村にだけ話したの?
どうして僕じゃなかったの?
「…僕じゃ、駄目なの?」
本当に小さく呟いた独り言。
誰にも届くことはなく、静かに消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる