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第111話 少女
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肌が艶々のセリスを先頭に、セムネイル達は南への旅を続けていた。
「ふ~ん♪ ふふ~ん♫」
「ふふ、セリスさんご機嫌ですね」 「おー! なんか、俺まで嬉しくなるな!」
セリスの後ろにはリンとノラが仲良く付いて歩き、その後ろをセムネイルとグラが歩いている。
「グラ……すまん、悪かったって。 そんなに嫌がると思って無かったんだ……許してくれ」
ご機嫌なセリスと違って、グラは頬を膨らませて不機嫌である事を示していた。
「……セムネイル勘違いしてるわよ。 私は別に契約した権能をどう使おうと良いと思ってるし……セリスちゃんの事は嫌いじゃないの」
「なら、何故怒ってるんだ」
「だって……セムネイルが部屋に来てくれなかったんだもん」
頬を膨らませ、ぷるぷると震える可愛らしいグラの頭をセムネイルは愛おしそうに撫でる。
「すまん。 今日の夜は必ず行くから……な?」
「……ん、約束だからね」
「あぁ、約束だ。 愛してるぞ、グラ」
「……えへへ、うん。 私も、愛してるよ……セムネイル♡」
機嫌の治ったグラの可愛らしい笑顔を視て、セムネイルは胸を撫で下ろした。
「……ん? セリスー! この先に何か居るぞー!」
魔力探知に反応が有り、先を行くセリス達に注意を促す。
「はーいですわー!」
元気いっぱいのセリスを見ながらグラは苦笑いだ。
「セリスちゃん……女の子で良かったと私は思うよ」
「くっくっくっ、そうだな」
昨晩、限界まで腰を使ったとは思えない程に元気なセリスを見てセムネイルは笑った。
まさに天性の色欲と云えるだろう。
◆◇◆
「うぇぇぇぇん! 誰か助けてぇぇぇ! おっとう、おっかぁー!」
泣き叫ぶ少女が真っ黒な狼達に追い詰められ、木の上に登って助けを求めているのが見えた。
「あれは黒妖犬! 獲物を執拗に痛め付ける最低な魔物ですわ! リン、ノラ、助けますよ!」
「はい!」 「任せろー!」
少女の下には5匹のブラックドックが涎を垂らして、獲物が落ちてくるのを待っている。
「ガルルルル!」 「「「「ガウッ! ガウッガウッ!」」」」
「いやぁぁぁ! 助けてぇぇぇ!」
パニックになっている少女は今にも木から落ちそうだ。 そして、限界を迎えた少女は木から滑り落ちてしまう。
「風の精霊よ、一時の間その風に乗せて下さい、悪しき風から守り空へ運べ、風の小船!」
直ぐ様、セリスが魔法を唱え落ちる少女を風の小舟が受け止める。
「そのまま動かないで下さいね! しっ!!」
リンが放った2本の矢が、正確無比にブラックドックの頭を撃ち抜く。
「「キャインっ?!」」
「おらぁー! お前等、弱いものいじめするなー!」
ノラが高速で接近し、手に持つ両手斧を振るって2匹のブラックドックの首を落とした。
「「グガァッ?!」」
瞬く間に仲間を殺された最後に残ったブラックドックは逃走を図ったが、それをセリスが許すことは無い。
「逃がしません! 幼気な少女を怖がらせた罪を償いなさい! サンダーボルト!」
練り上げた雷魔法を放ち、直撃したブラックドックは一瞬で炭に変わってしまった。
「……へ? な、何……さっきの威力は」
セリスは自身の放った魔法が予想よりも強すぎた事に驚愕したが、今は少女の安全が最優先だ。
「大丈夫ですか? もう安全ですよ」
「もう大丈夫だ! 俺と、セリス達が悪い奴等はやっつけたからな!」
泣き叫んでいた少女は、セリス達が助けてくれた事を理解し今度は嬉しくて泣き叫び続けた。
「うぇぇぇぇ! ありがとう、お姉ちゃん達……すごく、すごく怖かったよぉぉぉ!」
セリスは少女を風の小舟から下ろし、優しく抱きしめる。 そして、抱っこで背中を撫でて落ち着かせた。
「くっくっくっ、良くやったな3人共。 しかし……俺の魔力探知にも村や町の気配は無いぞ?」
「あれ? ……確か、目的の街まで他に人間が住んでる町も村も無いってセムネイル言ってたよね?」
「あぁ、その筈だ。 その娘は何処から来たんだ?」
セムネイルがブラックドックの死体を4次元に仕舞い込み、グラと共に少女の顔を見る。
すると、2人は驚いた。
「……なるほどな」
「嘘でしょ……生き残ってたなんて」
セムネイルとグラが驚く理由が分からず、首を傾げるセリス達にセムネイルとグラは告げる。
「「その娘……魔族だ」よ」
「ふ~ん♪ ふふ~ん♫」
「ふふ、セリスさんご機嫌ですね」 「おー! なんか、俺まで嬉しくなるな!」
セリスの後ろにはリンとノラが仲良く付いて歩き、その後ろをセムネイルとグラが歩いている。
「グラ……すまん、悪かったって。 そんなに嫌がると思って無かったんだ……許してくれ」
ご機嫌なセリスと違って、グラは頬を膨らませて不機嫌である事を示していた。
「……セムネイル勘違いしてるわよ。 私は別に契約した権能をどう使おうと良いと思ってるし……セリスちゃんの事は嫌いじゃないの」
「なら、何故怒ってるんだ」
「だって……セムネイルが部屋に来てくれなかったんだもん」
頬を膨らませ、ぷるぷると震える可愛らしいグラの頭をセムネイルは愛おしそうに撫でる。
「すまん。 今日の夜は必ず行くから……な?」
「……ん、約束だからね」
「あぁ、約束だ。 愛してるぞ、グラ」
「……えへへ、うん。 私も、愛してるよ……セムネイル♡」
機嫌の治ったグラの可愛らしい笑顔を視て、セムネイルは胸を撫で下ろした。
「……ん? セリスー! この先に何か居るぞー!」
魔力探知に反応が有り、先を行くセリス達に注意を促す。
「はーいですわー!」
元気いっぱいのセリスを見ながらグラは苦笑いだ。
「セリスちゃん……女の子で良かったと私は思うよ」
「くっくっくっ、そうだな」
昨晩、限界まで腰を使ったとは思えない程に元気なセリスを見てセムネイルは笑った。
まさに天性の色欲と云えるだろう。
◆◇◆
「うぇぇぇぇん! 誰か助けてぇぇぇ! おっとう、おっかぁー!」
泣き叫ぶ少女が真っ黒な狼達に追い詰められ、木の上に登って助けを求めているのが見えた。
「あれは黒妖犬! 獲物を執拗に痛め付ける最低な魔物ですわ! リン、ノラ、助けますよ!」
「はい!」 「任せろー!」
少女の下には5匹のブラックドックが涎を垂らして、獲物が落ちてくるのを待っている。
「ガルルルル!」 「「「「ガウッ! ガウッガウッ!」」」」
「いやぁぁぁ! 助けてぇぇぇ!」
パニックになっている少女は今にも木から落ちそうだ。 そして、限界を迎えた少女は木から滑り落ちてしまう。
「風の精霊よ、一時の間その風に乗せて下さい、悪しき風から守り空へ運べ、風の小船!」
直ぐ様、セリスが魔法を唱え落ちる少女を風の小舟が受け止める。
「そのまま動かないで下さいね! しっ!!」
リンが放った2本の矢が、正確無比にブラックドックの頭を撃ち抜く。
「「キャインっ?!」」
「おらぁー! お前等、弱いものいじめするなー!」
ノラが高速で接近し、手に持つ両手斧を振るって2匹のブラックドックの首を落とした。
「「グガァッ?!」」
瞬く間に仲間を殺された最後に残ったブラックドックは逃走を図ったが、それをセリスが許すことは無い。
「逃がしません! 幼気な少女を怖がらせた罪を償いなさい! サンダーボルト!」
練り上げた雷魔法を放ち、直撃したブラックドックは一瞬で炭に変わってしまった。
「……へ? な、何……さっきの威力は」
セリスは自身の放った魔法が予想よりも強すぎた事に驚愕したが、今は少女の安全が最優先だ。
「大丈夫ですか? もう安全ですよ」
「もう大丈夫だ! 俺と、セリス達が悪い奴等はやっつけたからな!」
泣き叫んでいた少女は、セリス達が助けてくれた事を理解し今度は嬉しくて泣き叫び続けた。
「うぇぇぇぇ! ありがとう、お姉ちゃん達……すごく、すごく怖かったよぉぉぉ!」
セリスは少女を風の小舟から下ろし、優しく抱きしめる。 そして、抱っこで背中を撫でて落ち着かせた。
「くっくっくっ、良くやったな3人共。 しかし……俺の魔力探知にも村や町の気配は無いぞ?」
「あれ? ……確か、目的の街まで他に人間が住んでる町も村も無いってセムネイル言ってたよね?」
「あぁ、その筈だ。 その娘は何処から来たんだ?」
セムネイルがブラックドックの死体を4次元に仕舞い込み、グラと共に少女の顔を見る。
すると、2人は驚いた。
「……なるほどな」
「嘘でしょ……生き残ってたなんて」
セムネイルとグラが驚く理由が分からず、首を傾げるセリス達にセムネイルとグラは告げる。
「「その娘……魔族だ」よ」
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