237 / 307
第231話 お盛んな女神とリポン失踪
しおりを挟む
ドワーフの女神ドヴェルは小柄な身体からは想像出来ない量の酒を飲み干すと、そのまま床に転んだままスヤスヤと寝始めた。
「承りました~セムネイル様。 では、後ほど採寸に行きますね~」
「すまんが、よろしく頼む。 また夜に顔を出すから、ドヴェルが目覚めたら伝えておいてくれるか?」
「はい~了解です~。 まぁ、この御様子だと当分起きないと思いますけどね……」
ルグは眠るドヴェルに布団をかけてやり、可愛らしい寝顔を見せるドヴェルの頭を撫でた。
「構わん。 色々と酷い目にあったんだ。 気持ち良く寝れているなら何よりだよ。 じゃあ、またな」
セムネイルはルグ達に任せ、酪農エリアへと向かった。
◆◇◆
「セムネイル様! おはようございます!」
酪農エリアでは鬼人達が既に家畜の世話を始めており、セムネイルに気付いたオルガが出迎えた。
「おはよう、オルガ。 ちょっとモーンデに伝える事があるんだが、良いか?」
「モーンデ様ですか? あ~……大丈夫だとは思いますが……ちょっと様子を見て来ますのでお待ちいただけますか? す、直ぐに戻りますので!」
何やら挙動不審なオルガはモーンデの住む家へと急いで入って行き、セムネイルは大人しく外で待つことにする。
「ふむ……? まさか、モーンデは朝に弱いのか?」
セムネイルが疑問に思っていると、家の中からドタバタと音が聞こえオルガの焦る声が耳に届く。
『モーンデ様! あれ程、朝から……のはお止め下さ……と言いま……よね!? それ……ミリム! 何故貴女ま……朝から……しているの?! セムネイル様がモーンデ様を訪ね……来られ……るん……よ!? 早く……をしまって……いや、部屋の……が悶々とし過ぎ……す! ……ダメ……ね。 心苦しい……が、セムネイル様には謝って……すから。 ええ、本当に……お願いし……ね?』
聞こえたのは途切れ途切れだが、どうやらモーンデの都合が良くないようだ。
暫く待っていると、耳が真っ赤なオルガが戻って来た。
「あー……すまん、オルガ。 タイミングが悪かったようだな」
「え!? まさか……聞こえてました?! す、すみません! どうか、どうかお許しを!!」
セムネイルは本心からオルガに謝っただけなのだが、何かを勘違いしたオルガは地面に伏して許しを請い始める。
「いや、其処までしなくていいぞ? 突然訪ねた俺が悪かったんだ。 頭を上げてくれ、他の鬼人達も見てるし頼む」
オルガはセムネイルの様子に、例のキノコがバレた訳では無いと安堵しふらふらと立ち上がった。
「す、すみません……ちょっと早とちりをしました。 も、申し訳ありませんが、モーンデ様はちょっとお会い出来ないそうで……」
「さっきも言ったが、俺のタイミングが悪かっただけなんだ。 仕事中に手間を掛けさせたな、すまん」
「とんでもないです! あ、何か伝言がございましたらお伝えしますが?」
「そうか。 じゃあ、頼む。 ドワーフの女神ドヴェルを助けたんだが、今はドワーフの家で眠っている。 また会いに行ってみてくれ、と伝えておいてくれ」
「確かに。 かしこまりました」
セムネイルはオルガに伝言を頼み、いくつかの卵と肉を貰うと家へと帰って行った。
「ふ~……良かった、バレたかと思った」
セムネイルの姿が見えなくなり、4次元に住む女達の間では絶対に守るべき秘密が守れたとオルガは安堵した。
『やばぃぃぃ♡ セムネイルちゃんのキノコ凄すぎるのぉ♡ 女神なのにぃセムネイルちゃんの牝になっちゃぅ♡ ダメダメダメ♡ 新しい種族ができちゃぅぅぅぅっ♡』
ジュポ♡ ジュポジュポ♡ ジュポジュポッ♡♡
「モーンデさまぁぁぁぁ?!」
しかし、直ぐにモーンデの住む家からあられもない声と音が聞こえ始め、オルガはブチギレながら家へと向かうのであった。
◆◇◆
「じゃあ、行ってくる。 ハヤはさっき言った通り、今日は4次元で待っていてくれ」
「は、はい! 待ってます! でも、その……リポンさんが悪い人じゃなかったら、その」
朝食を食べ終えたセムネイル達は装備を整え、4次元の扉で居残り組の妻達と別れを告げていた。
そして、既にハヤにもリポンの事は説明済みだ。
ハヤはリポンと親しい関係上、最悪な現場を見せる可能性がある為にセムネイルはハヤに4次元で待っているように頼んだ。
「大丈夫ですよ、ハヤさん。 貴方様なら必ず正しい決断をして下さいます」
「そうです。 それにもし脅されてるとかだったら、4次元に住めば良いのです!」
「お、リン頭良いな! そうだぞ! みーーんな、この4次元に住めば安全だからね!」
「あはは……確かにそうだけど、人が増え過ぎると争いも増えるから程々にしないとね。 まぁ、セムネイルなら女に弱いし大丈夫よ」
「皆さん……あ、ありがとうございます。 どうか、よろしくお願いしますね!」
セリス達に励まされ、ハヤは笑顔でセムネイル達を見送った。
しかし、セムネイルは冒険者ギルドに到着するや否やギルドマスターのソルバから受付嬢リポンが失踪したと聞かされるのであった。
「承りました~セムネイル様。 では、後ほど採寸に行きますね~」
「すまんが、よろしく頼む。 また夜に顔を出すから、ドヴェルが目覚めたら伝えておいてくれるか?」
「はい~了解です~。 まぁ、この御様子だと当分起きないと思いますけどね……」
ルグは眠るドヴェルに布団をかけてやり、可愛らしい寝顔を見せるドヴェルの頭を撫でた。
「構わん。 色々と酷い目にあったんだ。 気持ち良く寝れているなら何よりだよ。 じゃあ、またな」
セムネイルはルグ達に任せ、酪農エリアへと向かった。
◆◇◆
「セムネイル様! おはようございます!」
酪農エリアでは鬼人達が既に家畜の世話を始めており、セムネイルに気付いたオルガが出迎えた。
「おはよう、オルガ。 ちょっとモーンデに伝える事があるんだが、良いか?」
「モーンデ様ですか? あ~……大丈夫だとは思いますが……ちょっと様子を見て来ますのでお待ちいただけますか? す、直ぐに戻りますので!」
何やら挙動不審なオルガはモーンデの住む家へと急いで入って行き、セムネイルは大人しく外で待つことにする。
「ふむ……? まさか、モーンデは朝に弱いのか?」
セムネイルが疑問に思っていると、家の中からドタバタと音が聞こえオルガの焦る声が耳に届く。
『モーンデ様! あれ程、朝から……のはお止め下さ……と言いま……よね!? それ……ミリム! 何故貴女ま……朝から……しているの?! セムネイル様がモーンデ様を訪ね……来られ……るん……よ!? 早く……をしまって……いや、部屋の……が悶々とし過ぎ……す! ……ダメ……ね。 心苦しい……が、セムネイル様には謝って……すから。 ええ、本当に……お願いし……ね?』
聞こえたのは途切れ途切れだが、どうやらモーンデの都合が良くないようだ。
暫く待っていると、耳が真っ赤なオルガが戻って来た。
「あー……すまん、オルガ。 タイミングが悪かったようだな」
「え!? まさか……聞こえてました?! す、すみません! どうか、どうかお許しを!!」
セムネイルは本心からオルガに謝っただけなのだが、何かを勘違いしたオルガは地面に伏して許しを請い始める。
「いや、其処までしなくていいぞ? 突然訪ねた俺が悪かったんだ。 頭を上げてくれ、他の鬼人達も見てるし頼む」
オルガはセムネイルの様子に、例のキノコがバレた訳では無いと安堵しふらふらと立ち上がった。
「す、すみません……ちょっと早とちりをしました。 も、申し訳ありませんが、モーンデ様はちょっとお会い出来ないそうで……」
「さっきも言ったが、俺のタイミングが悪かっただけなんだ。 仕事中に手間を掛けさせたな、すまん」
「とんでもないです! あ、何か伝言がございましたらお伝えしますが?」
「そうか。 じゃあ、頼む。 ドワーフの女神ドヴェルを助けたんだが、今はドワーフの家で眠っている。 また会いに行ってみてくれ、と伝えておいてくれ」
「確かに。 かしこまりました」
セムネイルはオルガに伝言を頼み、いくつかの卵と肉を貰うと家へと帰って行った。
「ふ~……良かった、バレたかと思った」
セムネイルの姿が見えなくなり、4次元に住む女達の間では絶対に守るべき秘密が守れたとオルガは安堵した。
『やばぃぃぃ♡ セムネイルちゃんのキノコ凄すぎるのぉ♡ 女神なのにぃセムネイルちゃんの牝になっちゃぅ♡ ダメダメダメ♡ 新しい種族ができちゃぅぅぅぅっ♡』
ジュポ♡ ジュポジュポ♡ ジュポジュポッ♡♡
「モーンデさまぁぁぁぁ?!」
しかし、直ぐにモーンデの住む家からあられもない声と音が聞こえ始め、オルガはブチギレながら家へと向かうのであった。
◆◇◆
「じゃあ、行ってくる。 ハヤはさっき言った通り、今日は4次元で待っていてくれ」
「は、はい! 待ってます! でも、その……リポンさんが悪い人じゃなかったら、その」
朝食を食べ終えたセムネイル達は装備を整え、4次元の扉で居残り組の妻達と別れを告げていた。
そして、既にハヤにもリポンの事は説明済みだ。
ハヤはリポンと親しい関係上、最悪な現場を見せる可能性がある為にセムネイルはハヤに4次元で待っているように頼んだ。
「大丈夫ですよ、ハヤさん。 貴方様なら必ず正しい決断をして下さいます」
「そうです。 それにもし脅されてるとかだったら、4次元に住めば良いのです!」
「お、リン頭良いな! そうだぞ! みーーんな、この4次元に住めば安全だからね!」
「あはは……確かにそうだけど、人が増え過ぎると争いも増えるから程々にしないとね。 まぁ、セムネイルなら女に弱いし大丈夫よ」
「皆さん……あ、ありがとうございます。 どうか、よろしくお願いしますね!」
セリス達に励まされ、ハヤは笑顔でセムネイル達を見送った。
しかし、セムネイルは冒険者ギルドに到着するや否やギルドマスターのソルバから受付嬢リポンが失踪したと聞かされるのであった。
12
あなたにおすすめの小説
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる