白薔薇の紋章

第二章 仲間

第５話

今日最後の授業終了のチャイムが鳴った。
ようやく家に帰れる。

疲れた。今日はとにかく疲れた。
隙あればクラスメイトから戒さんとの関係を聞かれるし
正直なことを言うわけにもいかないし…
とにかく、これ以上質問されるのは避けたい
私は教科書を鞄に詰め込んで即効で教室を出た。


玄関まで全速力
ここまでくればもう大丈夫…



じゃなかったぁ！！



「なんでいるの…」


「待ってたからに決まってんだろ」


「だからそれが何でだって言ってんのぉ…」


せっかくクラスメイトから逃げたのに。
人の下駄箱の前で立ってないでよ！
ほら、通りすがりの人がこっちをちらちら見てるし
なんか悪口みたいな声も聞こえてくるんだけどぉ！
白薔薇姫だとか四霊だかなんだか知らないけど
そこまで関わらなきゃいけないことなの？

「なんで関わって来るんだ！って思ってるかもしれないけど」

「え？なに？心読む力とかあるんですか？」

「お前が顔に出やすいんだよ」

「マジでか…」

「それより、今日はほかの仲間を紹介しようと思ってな」

「仲間ですか」


ほらこっち！と腕を引っ張られて校門まで歩くと
蛍さんと男の人と女の子の３人が立っていた。

「本当はあと一人いるんだけど」

「あぁ、鳳先生ですね」

「なんで知ってんの？あ、そっか…担任だもなあいつ」

納得したように戒さんは頷いている。

「ま、いいやとりあえず行くぞ」

「はい」

「今日はお前の家でお前の歓迎会だ」

「は？はぁ？聞いてませんけどぉ！」