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第4章 生贄
第6話
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それからしばらく歩くと上に続く階段が現れた。
「登れってことだよな」
戒さんが先頭を切って登って行く。
手をつながれていた私も戒さんに引っ張られるように階段を登って行った。
階段の先には扉が会って
特に鍵もかかっている様子はなく
戒さんが静かにそれを開けた。
キィと嫌な音を立てて開けた扉の先には
沢山の書物がこれでもかというくらい並んでいた。
「すごい…なにこれ」
その数に圧倒され、単純な言葉しか出ない自分が情けない。
「もしかしてここならこの村の伝説や白薔薇姫の力の覚醒についてわかるかもしれないぞ?」
「そうだな。蛍の言うとおりこれ全部白薔薇姫に関する文献だぜ」
「それはそうかもしれないけど、なんでそう言いきれるの?」
倫が首をかしげる。
戒さんはやれやれという顔してため息をつき
近くにあった巻物を取り広げて見せた。
「なに、この文字…文字だよね?読めないんだけど」
「だろ?多分不特定多数のやつに見られたくなくて、こんな文字で書いているんだろうな」
蛍さんも鳳先生も本や巻物を広げてみるけど
全部同じような文字が並んでいた。
「せっかくここまで来たけど読めないんじゃなぁ…なあこれ翻訳できるやついないかな?」
「そうだな…理事長あたりなら読めるかもしれないが…」
鳳先生が言葉を濁す。
「だよな、オレも嫌」
何も言っていないのに通じているようだ。
蛍さんも倫も蓮さんも同じように頷いている。
いろいろ疑問はあるけれど、とりあえず今はこの文字を読むことが大事だ。
私も近くにあった本をとってペラペラめくる。
「あれ…?」
確かに日本語ではない文字が羅列している。
それなのに頭の中に文章が流れ込んでくる感覚がする。
「白薔薇姫と名づけられたその女の残した子供を、次の白薔薇姫とし、それから四霊と陰陽師とともに刀を守り続けていく」
「一之瀬、読めるのか?」
鳳先生が私の顔を覗き込む。
私はこくりと頷いた。
「読むというよりも頭に入ってくるという感じですね」
「もしかして、白薔薇姫力かもな」
白薔薇姫の力…
そうかもしれない。
だって、こんな文字見たこともないし習ったこともない。
それなのに頭に入ってくるということは
私の中に特別なものが流れているからかもしれない。
「あれ?私も読める…『7年に一度の生け贄の儀式…これで今年も刀の封印は守られた』」
なんで!と言いながらも
倫は文字を指で追いながら読み進めていく。
白薔薇姫の分家って言ってたよね?
だからなの?倫もこれが読める。
いや、違う。
ここに記録者の名前が抱えている
応竜、麒麟…
これって
「登れってことだよな」
戒さんが先頭を切って登って行く。
手をつながれていた私も戒さんに引っ張られるように階段を登って行った。
階段の先には扉が会って
特に鍵もかかっている様子はなく
戒さんが静かにそれを開けた。
キィと嫌な音を立てて開けた扉の先には
沢山の書物がこれでもかというくらい並んでいた。
「すごい…なにこれ」
その数に圧倒され、単純な言葉しか出ない自分が情けない。
「もしかしてここならこの村の伝説や白薔薇姫の力の覚醒についてわかるかもしれないぞ?」
「そうだな。蛍の言うとおりこれ全部白薔薇姫に関する文献だぜ」
「それはそうかもしれないけど、なんでそう言いきれるの?」
倫が首をかしげる。
戒さんはやれやれという顔してため息をつき
近くにあった巻物を取り広げて見せた。
「なに、この文字…文字だよね?読めないんだけど」
「だろ?多分不特定多数のやつに見られたくなくて、こんな文字で書いているんだろうな」
蛍さんも鳳先生も本や巻物を広げてみるけど
全部同じような文字が並んでいた。
「せっかくここまで来たけど読めないんじゃなぁ…なあこれ翻訳できるやついないかな?」
「そうだな…理事長あたりなら読めるかもしれないが…」
鳳先生が言葉を濁す。
「だよな、オレも嫌」
何も言っていないのに通じているようだ。
蛍さんも倫も蓮さんも同じように頷いている。
いろいろ疑問はあるけれど、とりあえず今はこの文字を読むことが大事だ。
私も近くにあった本をとってペラペラめくる。
「あれ…?」
確かに日本語ではない文字が羅列している。
それなのに頭の中に文章が流れ込んでくる感覚がする。
「白薔薇姫と名づけられたその女の残した子供を、次の白薔薇姫とし、それから四霊と陰陽師とともに刀を守り続けていく」
「一之瀬、読めるのか?」
鳳先生が私の顔を覗き込む。
私はこくりと頷いた。
「読むというよりも頭に入ってくるという感じですね」
「もしかして、白薔薇姫力かもな」
白薔薇姫の力…
そうかもしれない。
だって、こんな文字見たこともないし習ったこともない。
それなのに頭に入ってくるということは
私の中に特別なものが流れているからかもしれない。
「あれ?私も読める…『7年に一度の生け贄の儀式…これで今年も刀の封印は守られた』」
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倫は文字を指で追いながら読み進めていく。
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