宮廷魔法師団を追放された幼馴染みが村に帰ってきた〜前世賢者の俺を追放した上で弟子まで蔑ろにしたことを後悔させてやる。今更謝ってももう遅い〜

「君を師と崇める者たちは優秀だが、魔力がほぼない君自体は我が宮廷魔法師団に必要ない。去るがいい、クロム・グローザ」

 王立の魔法学園を卒業して宮廷魔法師団の入団試験を受けたクロムは、そう言われてまともに試験すら受けさせてもらえず会場を追い出された過去を持っていた。

 そう、クロムは生まれつき、魔法使いの力量を測る上で最も重要な魔力量が極めて少なかったのだ。
 しかしクロムは、誰も実現できなかった記憶を引き継いだまま転生する魔法すら開発してしまい、人々から『賢者』とまで呼ばれた最高位の魔法使いという前世を持っていた。

 不幸にも転生先の体に魔法使いの才能はほぼなかったが、クロムは諦めずに前世の知識と技術を活かして新しい形の魔法使いとして成長し、同時に幼馴染のシオンを始めとした学園で燻っていた人たちの師匠となって育てる日々を送っていた。

 クロムの指導の甲斐あって気づけば落ちこぼれから主席を奪い合うくらいに成長した弟子たち。
 みんなで憧れの宮廷魔法師団に入ろうと誓っていたのに、弟子たちだけ全員合格でクロムは理不尽な理由で落とされたのだ。

 それから約1年後。故郷の村でひっそりと暮らしていたクロムの下に、酷くやつれたシオンが帰ってきた。
 話を聞くと、宮廷魔法師団に入った彼女達は、大した才能もないのに忖度で入団した同級生の第三王子ジェイルのパーティに入ってサポート役に徹するよう命じられ、彼が成り上がるための踏み台として散々こき使われたらしい。
 そして彼女は限界を感じて別のパーティに入れてくれるよう懇願したところ、怒ったジェイルによってクビにされてしまったようだ。

 さらにどうやらクロムを入団させなかったのはジェイルの根回しによるものだったという話を聞いてしまう。

 自分を追い出しただけにとどまらず弟子たちも都合のいい駒として利用していたことを知ったクロムは静かに立ち上がり、シオンを引き連れて久しぶりに王都へと向かうことを決めた。

「俺の知識と技術、そして弟子たちはお前のための道具なんかじゃない。そのことを分からせてやる」
 
 王子が困ることになろうが知ったことか。
 お前を支えていた俺の弟子たちは全て貰っていく。

 謝ってももう遅い。さあ、これからは自由に旅でもしようーー

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