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【Verβ編】
6話「ランカーPB」
しおりを挟む【前々前世オンラインverβ】
オンライン期間、最終日。
「やったー! これで……おお! ついにランキング三位!」
「やるじゃねえか! さっきのプレイヤーは結構APポイントを溜めてたみたいだからな!」
「へへー。私の運気も上がってるかな?」
「ん? あー上がってる上がってる」
「えーなんか投げやり~」
鈴木さんと現実で会った日からますます私はこのゲームに精を出すようになった。
とにかく目についた奴は全員地の果てまで追い掛けて倒した。そしてまたこの原始林に戻っての繰り返し。私はラスボスなのだ! 刃向かう奴は容赦なく倒す!
さっきも川へと逃げたイタチを狩った後、私は再び原始林へと戻った。別に他のところに行っても良いんだけど、ここにいればAPポイントを持ったプレイヤーが向こうからやってくるのだ。
このゲームのオンライン期間は、今日の正午まで。
現在時刻、午前十時
せっかくだからこのままランキング一位を目指したい。
「……しかしこっからは中々難しいかもしれんな。ひたすらNPCかプレイヤーを狩れば、あるいはいけるかもしれないが……」
「ええ~」
「上位10位にいるプレイヤーをあたし達は【Ranker Previous Beast】略して【ランカーPB】と呼んでいるんだが……その中でもトップ2は流石上位ランカーだけあって慎重かつ狡猾だ。これまでアキコに挑んできた様な物好きとは訳が違う」
「物好き言うな!」
スーズが肩をすくめた。なんだかそのポーズ、どこかで見たような……。
「おそらく、奴等は自分の得意とするフィールドから出ないだろうしな。まあやり方ならある。なんせあと二時間だからな」
「やり方?」
「ああ——それは」
☆☆☆
【前世】前々前世オンラインβ版【アキコゲー】 Part498
522 名前:前世は負け犬
アキコまじ無理倒せなかったわ
センザンコウすらもワンパンできるスキルでHPゲージ一割しか減らねえ
523 名前:前世は負け犬
>>522
アキコは挑むもんじゃない……ウォッチするもんだぞ
バレるとサバンナまで追い掛けてくるけど
おかげでAPすっからかんだわ
524 名前:前世は負け犬
いや、つーかマジで運営に抗議してるんだが
なんだよあれNPCならともかくプレイヤーであの強さはチートだろ
前世をどういう基準で決めてるか知らんが糞ゲーすぎる。やってるお前らもガイキチ
525 名前:前世は負け犬
>>524
前世まで糞雑魚ナメクジとか生きるの辛そう
526 名前:前世は負け犬
>>524
来世に期待しとけハゲ
しかしオンライン期間も後二時間か
正式配信はよ
527 名前:前世は負け犬
>>526
はははははハゲちゃうわ
幸い、自分より早い相手へとパリィはさほどだがスキルがやべえな
HP2000突破してても八割削られる
528 名前:前世は負け犬
wwwwwアキコwwwwランカーぶっ殺宣言wwww
529 名前:前世は負け犬
>>528
は?
530 名前:前世は負け犬
お前ら! 今すぐログインしてオープンチャットを見ろwww
531 名前:前世は負け犬
祭りじゃあああああああああああ
532 名前:前世は負け犬
| | | ________
| | |_ ΦΦΦΦΦΦ∥
| | | /| ∥
|/〉|//|TTT TTTTT∥
//|_|//|^^|三三|^^^^∥
/ |_|//
| | |/ 祭りだ Λ_Λ
|/〉∧ 急げ!( )
//|∧| /|祭 |]つ
/||L|/ V二二〉
||/ / /(_)
|/ Λ_Λ (_)
/ (´∀`)
く//  ̄]つ Λ_Λ
/ ̄ ̄_〉 (` )
/_ノ(_) ⊂[| 祭〕
(_) ┌|__|
(_ノ\ \
(_)
………………
☆☆☆
「……ねえほんとにこれで良かったの?」
「やるだけならタダだ。効果がないようなら、ボス狩りをすればギリギリ一位になれる計算だ。さて、どう出るかな?」
私の目の前に、オープンチャットのログが残っている。
一応公式アナウンスとかが流れるチャットで、プレイヤーも使うことが出来るが、ときおり初心者が間違えて使う以外に使われる事はほとんどない。
そこには、こう書かれていた。
『ランカーPBさん及びプレイヤーの皆様へ。私はこのゲームにログインしてからまだ一度も死んでいません。APポイントで一番上がりにくく地味な項目である『生存日数』が実は計算に大きく影響している事は皆さんご存じだと思います。このままのオンライン期間切れまで、適当にNPCを狩れば私が一位になって終わりです』
『このままそうやって逃げてもいいのですが……それじゃあつまらないでしょ? なので私は、逃げも隠れもしません。私をラスボスと呼ぶならそれはそれで結構。ならばラスボスらしく宣言させていただきます』
『ビビってないで、かかってこいやランカーども』
『それでは原始林でお待ちしてますね——アキコ』
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