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距離
12.賑わいの跡地
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大陸の東にある山岳地帯。
その中腹に位置している街から少し離れた所にあるのが、ハーファが目指していた目的地。放棄されダンジョンと化した鉱山跡だ。
地図で見れば距離は渡り道の三分の一も無いけれど、なにぶん道が酷かった。荒れ果てた道と山岳地帯特有の高低差で進みが著しく鈍っていく。重装備の冒険者は進むだけでも大変そうだ。
そんな人間たちを数多く襲ってきたのだろうか。道が細くなり始めた辺りで魔物の攻撃頻度が格段に上がってきた。
けれど。
「リレイ!」
ハーファは器用に魔物の間を掻い潜る。引きつけていた魔物をひとかたまりにした所で大きく横へ退いた。
その瞬間、後ろで待機していたリレイの魔術が宙を切り魔物を襲う。直線上に突進する空気の塊は進むほど密集し、ハーファの手前で少しだけ起動をずらして突撃していく。思うように動けずにいる魔物の群れを捉えた暴風はまた少し進路を変え、真っ直ぐに突っ込んで断末魔と鮮血を辺りに撒き散らした。
結構な厚みで密集していたはずだけれど、今や見る影もない。
「一撃……やっぱすげぇな」
見事な一掃に感嘆していると、リレイが近付いてくる。
「大丈夫か? 囮をさせて悪かったな」
「平気。訓練のお陰で疲れにくくなったから、まだ元気」
「術は当たらなかったか?」
仲間を囮にした事への謝罪は単なる前置きで、本当の関心事はそっちだったらしい。そういえば術が思ったほど上手くコントロール出来ないとこぼしていた気がする。
この人でなしめ。
そんなハーファの心の中の文句までは流石に伝わっていないらしく、相棒は話しながらハーファの怪我の有無を調べ始めた。手があちこち触れてきてちょっとくすぐったい。
「リレイの術なら上手いことオレを避けてったぞ。変な魔術まで上手いな」
あの魔術は直線に進む中でも味方を避けて敵を追いかけていた。範囲型に見せかけた追尾型だったのだ。蛇みたいな動きをする術の使い手なんて、神官兵だった頃に討伐任務で一度だけ見た上級神官くらいしか知らない。
「そうか。それならよかった」
皮肉を込めて言ったつもりなのに、上手く伝わらなかった。それどころかリレイは少しホッとしたように微笑んでハーファを見つめてきて。
なんだか無性に恥ずかしくなって、それ以上の言葉は出てこなかった。
二日かけて麓にあった街から鉱山跡にたどり着き、ぽかりと開いた入口をくぐる。
土臭い、ひんやりとした空気。ホールのようになっている空間には朽ちた棚や採掘用の道具のような物が散らばっている。地面には運搬装置のためのものだろうか、二本のレールが左右に分かれて奥へと続いていた。
手帳を見て何か確認していたリレイは、鉄路の通らない真ん中の道を指し示す。
「奥に行くならレールに沿った方が早いんじゃねぇの」
「途中に陸橋を立てて通している区間があるようだ。無事ならいいが、崩落していたら引き返す羽目になる」
「なるほど……」
人の手が入らなくなった人工物は脆い。早い内に崩落しているかどうかが分かればいいけれど、そうでないなら引き返すのは面倒だ。後ろから魔物がついてきていたりすれば、行き止まりを背に戦う羽目になる。確かにそれは避けたい。
周囲を警戒しながら大人しく示された道を進んでいく。飛び掛かってくる蝙蝠型の魔物を蹴散らし、何度も階段や昇降装置を降りて。
しばらく奥へ進むと一気に周囲の気配が変わった。
急にぐっと水の匂いが強く感じられるようになり、周囲をコケや蔦が覆う景色が広がっている。散々探索で足止めを食らった東の森を彷彿とさせる空気に、うげぇ……とハーファの口から唸り声が漏れて出た。
それが聞こえてしまったのか、リレイは軽く噴き出して笑いをこらえている。
「ここの水は地底湖から汲み上げられているらしい。人工的な水場だから安心していいと思うぞ」
「……何も言ってねぇし」
「東の森の陸魚は悪夢の様なしつこさだったもんな」
「だから何も言ってねぇっての!」
全部お見通しらしい相棒は、ニヤニヤ笑いながら東の森の出来事を呼び覚まそうとしてくる。水の中に棲む手足の生えた魚型の魔物に、水陸関係なく追い回された嫌な記憶を。
そんな二人のやり取りに引きつけられてか、また魔物が顔を出した。今度はコウモリの魔物ではなく、石や黄色い笠のキノコの様な魔物が壁や地面から湧いて出てくる。
「うえ、麻痺キノコじゃねーかムカつく」
キノコ型の魔物は状態異常を引き起こす胞子を出す奴が多い。毒な紫、麻痺なら黄の警戒色をしていて分かりやすいが、その分近付き難くなる。
軽装備しかなく、その胞子に晒されやすい格闘家とすこぶる相性が悪い。身動きが取れなくなる麻痺は特に嫌な相手である。
「安心しろ、麻痺したら治してやる」
「すぐ治せよな」
「…………もちろんだ」
微妙に間の開いた返事をするリレイをひと睨みして、ハーファは魔物との距離を詰めるべく地面を蹴った。
武器を持たない格闘家と相性の悪そうな硬い岩の魔物だけれど、それはレベルの低い頃の話。ある程度修行を積むと魔力に働きかけて衝撃派を放つ攻撃が使えるようになり、その脅威は格段に低くなる。
むしろ問題は、一緒に現れたキノコの方。
「大丈夫か?」
「だ、じょ……ゃ、なぃ……」
地面に転がるハーファが息も絶え絶えに言うと、苦笑するリレイの魔術がふわりと全身を包む。すっと何かが抜けていくような気配がして、立っていられない程の痺れと呼吸への障りが少しずつ解けていった。
キノコ型の魔物は獲物が近付くまで擬態していて、攻撃範囲に入った瞬間飛び出してくる事がままある。とはいえやけに色鮮やかな警戒色をした笠を出しているので通常は気付くのだが。
「うまってる、とか……ひきょーすぎ……」
どうやら坑道のキノコは地中で活動する能力が発達しているらしい。完全に地面へ埋もれていたキノコに囲まれたハーファは、吸い込むと麻痺状態になる胞子をしこたま浴びてしまったのだった。
「落ち着いたか?」
「ん……なんとか」
ようやく痺れが取れて起き上がると、よく倒し切ったなと労うリレイの手が頭を撫でる。こうしておけば機嫌が良くなると思われているような気もするけれど、実際撫でられるとくさくさした気持ちが落ち着くのだから、不思議なものだ。
「魔力は? 分けておこうか」
「わ、分けてもらうほど動いてねぇよ!」
にやにやしながら顔を近付けてくる相棒から一気に伸び退く。逃げるように歩き出すと微かに笑う声がついてくる。
完全に揶揄ってやがる。どんな反応をするか観察されているのだ。
じろりと後ろの魔術師を睨むと、悪い悪いと羽の様な軽さの謝罪が聞こえてくる。
するとその声に被せるように、どこからか低い唸り声が聞こえてきた。
その中腹に位置している街から少し離れた所にあるのが、ハーファが目指していた目的地。放棄されダンジョンと化した鉱山跡だ。
地図で見れば距離は渡り道の三分の一も無いけれど、なにぶん道が酷かった。荒れ果てた道と山岳地帯特有の高低差で進みが著しく鈍っていく。重装備の冒険者は進むだけでも大変そうだ。
そんな人間たちを数多く襲ってきたのだろうか。道が細くなり始めた辺りで魔物の攻撃頻度が格段に上がってきた。
けれど。
「リレイ!」
ハーファは器用に魔物の間を掻い潜る。引きつけていた魔物をひとかたまりにした所で大きく横へ退いた。
その瞬間、後ろで待機していたリレイの魔術が宙を切り魔物を襲う。直線上に突進する空気の塊は進むほど密集し、ハーファの手前で少しだけ起動をずらして突撃していく。思うように動けずにいる魔物の群れを捉えた暴風はまた少し進路を変え、真っ直ぐに突っ込んで断末魔と鮮血を辺りに撒き散らした。
結構な厚みで密集していたはずだけれど、今や見る影もない。
「一撃……やっぱすげぇな」
見事な一掃に感嘆していると、リレイが近付いてくる。
「大丈夫か? 囮をさせて悪かったな」
「平気。訓練のお陰で疲れにくくなったから、まだ元気」
「術は当たらなかったか?」
仲間を囮にした事への謝罪は単なる前置きで、本当の関心事はそっちだったらしい。そういえば術が思ったほど上手くコントロール出来ないとこぼしていた気がする。
この人でなしめ。
そんなハーファの心の中の文句までは流石に伝わっていないらしく、相棒は話しながらハーファの怪我の有無を調べ始めた。手があちこち触れてきてちょっとくすぐったい。
「リレイの術なら上手いことオレを避けてったぞ。変な魔術まで上手いな」
あの魔術は直線に進む中でも味方を避けて敵を追いかけていた。範囲型に見せかけた追尾型だったのだ。蛇みたいな動きをする術の使い手なんて、神官兵だった頃に討伐任務で一度だけ見た上級神官くらいしか知らない。
「そうか。それならよかった」
皮肉を込めて言ったつもりなのに、上手く伝わらなかった。それどころかリレイは少しホッとしたように微笑んでハーファを見つめてきて。
なんだか無性に恥ずかしくなって、それ以上の言葉は出てこなかった。
二日かけて麓にあった街から鉱山跡にたどり着き、ぽかりと開いた入口をくぐる。
土臭い、ひんやりとした空気。ホールのようになっている空間には朽ちた棚や採掘用の道具のような物が散らばっている。地面には運搬装置のためのものだろうか、二本のレールが左右に分かれて奥へと続いていた。
手帳を見て何か確認していたリレイは、鉄路の通らない真ん中の道を指し示す。
「奥に行くならレールに沿った方が早いんじゃねぇの」
「途中に陸橋を立てて通している区間があるようだ。無事ならいいが、崩落していたら引き返す羽目になる」
「なるほど……」
人の手が入らなくなった人工物は脆い。早い内に崩落しているかどうかが分かればいいけれど、そうでないなら引き返すのは面倒だ。後ろから魔物がついてきていたりすれば、行き止まりを背に戦う羽目になる。確かにそれは避けたい。
周囲を警戒しながら大人しく示された道を進んでいく。飛び掛かってくる蝙蝠型の魔物を蹴散らし、何度も階段や昇降装置を降りて。
しばらく奥へ進むと一気に周囲の気配が変わった。
急にぐっと水の匂いが強く感じられるようになり、周囲をコケや蔦が覆う景色が広がっている。散々探索で足止めを食らった東の森を彷彿とさせる空気に、うげぇ……とハーファの口から唸り声が漏れて出た。
それが聞こえてしまったのか、リレイは軽く噴き出して笑いをこらえている。
「ここの水は地底湖から汲み上げられているらしい。人工的な水場だから安心していいと思うぞ」
「……何も言ってねぇし」
「東の森の陸魚は悪夢の様なしつこさだったもんな」
「だから何も言ってねぇっての!」
全部お見通しらしい相棒は、ニヤニヤ笑いながら東の森の出来事を呼び覚まそうとしてくる。水の中に棲む手足の生えた魚型の魔物に、水陸関係なく追い回された嫌な記憶を。
そんな二人のやり取りに引きつけられてか、また魔物が顔を出した。今度はコウモリの魔物ではなく、石や黄色い笠のキノコの様な魔物が壁や地面から湧いて出てくる。
「うえ、麻痺キノコじゃねーかムカつく」
キノコ型の魔物は状態異常を引き起こす胞子を出す奴が多い。毒な紫、麻痺なら黄の警戒色をしていて分かりやすいが、その分近付き難くなる。
軽装備しかなく、その胞子に晒されやすい格闘家とすこぶる相性が悪い。身動きが取れなくなる麻痺は特に嫌な相手である。
「安心しろ、麻痺したら治してやる」
「すぐ治せよな」
「…………もちろんだ」
微妙に間の開いた返事をするリレイをひと睨みして、ハーファは魔物との距離を詰めるべく地面を蹴った。
武器を持たない格闘家と相性の悪そうな硬い岩の魔物だけれど、それはレベルの低い頃の話。ある程度修行を積むと魔力に働きかけて衝撃派を放つ攻撃が使えるようになり、その脅威は格段に低くなる。
むしろ問題は、一緒に現れたキノコの方。
「大丈夫か?」
「だ、じょ……ゃ、なぃ……」
地面に転がるハーファが息も絶え絶えに言うと、苦笑するリレイの魔術がふわりと全身を包む。すっと何かが抜けていくような気配がして、立っていられない程の痺れと呼吸への障りが少しずつ解けていった。
キノコ型の魔物は獲物が近付くまで擬態していて、攻撃範囲に入った瞬間飛び出してくる事がままある。とはいえやけに色鮮やかな警戒色をした笠を出しているので通常は気付くのだが。
「うまってる、とか……ひきょーすぎ……」
どうやら坑道のキノコは地中で活動する能力が発達しているらしい。完全に地面へ埋もれていたキノコに囲まれたハーファは、吸い込むと麻痺状態になる胞子をしこたま浴びてしまったのだった。
「落ち着いたか?」
「ん……なんとか」
ようやく痺れが取れて起き上がると、よく倒し切ったなと労うリレイの手が頭を撫でる。こうしておけば機嫌が良くなると思われているような気もするけれど、実際撫でられるとくさくさした気持ちが落ち着くのだから、不思議なものだ。
「魔力は? 分けておこうか」
「わ、分けてもらうほど動いてねぇよ!」
にやにやしながら顔を近付けてくる相棒から一気に伸び退く。逃げるように歩き出すと微かに笑う声がついてくる。
完全に揶揄ってやがる。どんな反応をするか観察されているのだ。
じろりと後ろの魔術師を睨むと、悪い悪いと羽の様な軽さの謝罪が聞こえてくる。
するとその声に被せるように、どこからか低い唸り声が聞こえてきた。
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