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5章【そんなに好きにさせないで】
7 *
しおりを挟むカナタはあまり、性的なことに関して知識が豊富なわけではない。
ゆえに、ツカサの提案がなにを意味しているのかが、理解できなかった。
疑問符を浮かべるカナタには構わず、ツカサはカナタの体を横向きにさせる。
「こうやって、膝を曲げて……そう、上手。そのまま、脚は閉じていて?」
背後に寝転がるツカサに言われるがまま、カナタは膝を曲げ、脚を閉じた。
戸惑うカナタは、恐る恐るといった様子で背後を振り返る。
「あの、ツカサさん……っ? オレは、なにを──」
するとツカサが突然、下着ごと自身のズボンを下げ始めた。
露出したのは、ほんの少しの反応を示すツカサの逸物。
「あ、っ」
ほぼ通常状態の男根を見て、カナタは小さく息を呑んだ。
「カナちゃん、そんな声出さないでよ。それに、そんな目で見ちゃダメ。挿れたくなっちゃう」
「ご、ごめんなさい……っ」
「あははっ、謝らなくてもいいよ。エッチなカナちゃんも最高に可愛いから。……それに、恋人から求められて嬉しくない男なんてきっといないよ。少なくとも、俺は嬉しい」
そのまま、ツカサはカナタと距離を詰める。
「カナちゃんは【素股】って聞いたことある?」
「す、また……?」
「うん、そう、素股。こうやってね……」
重ね合わされたカナタの太ももに、ツカサは逸物を擦り付けた。
「んっ、え……っ?」
「太ももを使ってする、疑似的なセックスみたいな感じかなぁ」
「う、あっ」
「どう? ドキドキする?」
太ももの間を、ツカサの男根が出たり入ったりする。
その淫猥な感覚に、カナタは胸を高鳴らせた。
ツカサはカナタを背後から抱き締め、とろけ始めるその表情を眺める。
「カナちゃん、エッチな顔してる。ねぇ、自分の太ももがオナホみたいに使われて、どう? 嬉しい?」
「そんな、ことは……っ」
「ちなみに、俺は嬉しいよ」
思わず、カナタはツカサを見上げた。
「俺だけが知っている、カナちゃんの絶対領域。そこを、俺だけが好き勝手に汚せるんだもの。嬉しいし、メチャクチャ興奮する」
いつもは冷たいツカサの手が、少しだけ熱を持っている。
その手が、ニーハイソックスに包まれたカナタの脚を撫でた。
次第にぐちぐちと、卑猥な音が部屋に響き始める。
「カナちゃんの太もも、気持ちいい……っ」
硬度を増したツカサの逸物から、先走りの液が溢れ始めていた。
ツカサが動くたびに、その蜜がカナタの太ももに擦り付けられているのだ。
初めての感覚に、なぜだかカナタの体は熱を帯びていく。
「オレ、も……ドキドキ、して……っ」
カナタが素直に同意をすると、背後にいるツカサが身じろぐ。
「もう少し上にずれた方が、カナちゃんは嬉しいかな?」
「んぁ、っ!」
上方へ向かい、ツカサの逸物が移動する。
そうすると下着越しに、カナタの逸物までもが刺激された。
「カナちゃんのパンツ、もしかして結構濡れてる? 太ももを犯されて感じちゃったのかな?」
「あっ、ぁあ、っ!」
「ヤバ……っ。カナちゃんの感じてる声、腰にクる……っ」
背後からツカサに抱き留められたカナタは、逃げられない。
ただただ、あられもない声を漏らすだけ。
……そもそも。
今のカナタには『逃げたい』という意思すら、ありはしなかった。
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