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第50話 デートができない
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鈴雲と正秀は街中をアテも無くブラついていた。
二人ともデートは未経験だったのでどうして良いのかイマイチ分からず、辺りをキョロキョロしながら行き先を相談しているだけである。
お互いにどうにかしようとは思っているのだが、まだ若い思春期の男女にとって、ネットで仕入れただけの知識と現実では想像以上に掛け離れているものであった。
「なあ」
「はい」
「どこか行きたい場所とか無いのか?」
「そうですね…… え~…… では、正秀さんの学校とか……」
「……いや、それはちょっと……」
「ですよね。はい…… 冗談ですよ」
鈴雲は冗談と言いながらも、あながち嘘ではなかった。
もし、普通の家庭に産まれて普通に学校へ通っていれば…… と思えば学園生活に未練がなくもない。
友達と遊びに行ったり、素敵な恋をしたりと楽しい毎日を送っている自分を想像したことは当然ある。
(どうしてでしょうか……)
いつの頃からだろうか? そんなことはどうでもよくなっていた。
しかし、こうして正秀と出逢い、一緒に歩いているだで、なぜだか胸が締め付けられる思いにかられる。
「じゃあさ、何か食いに行こうぜ」
「え?」
「あ、いや…… 腹減ってないかなって……」
「あ、え、ええ。そうですね」
「落ち込んだ時はさ、腹いっぱい食えば元気になるんだぜ」
自分の思いが見透かされているようであった。
「は、はぃ……」
人の優しさに触れるのが辛かった……
……………
………
…
そんな鈴雲の思いをよそに、不器用な正秀によって手当たり次第に買食いをさせられた。
商店街でケバブから唐揚げクレープ、タコ焼き等々。
極めつけはブラジル料理店で鶏の丸焼きであった。
「ふ~旨かったぜぇ。次は何にする?」
「い!? ま、まだ食べるんですか?」
「頑張ればいけるぜっ」
「いやいや、もう限界ですから! 食べられませんよ!」
「そうか?」
「そうですよ。だいたいデートって食べてるだけなんですか?」
「う~ん…… 違うのか?」
「違うと思いますが……」
「じゃあどうするんだ?」
「そ、それは……」
「……それは?」
「あ…… えっと…… そ、それより私そこのビルに行ってきます」
「お、おう?」
鈴雲が近くのビルに行こうとすれば正秀も当然とばかりに付いて来る。
「付いて来ないでください!」
「え? ええ? なんでだよ……」
「……トイレですよ! トイレ! 言わせないでください!」
「あ、ああ…… 悪りぃ。じゃ、ここで待ってるぜ」
「まったく……」
「いっぱい食べたらいっぱい出るもんな」
「うるさいですよっ!」
ちょっと怒り気味にトイレへ向かう鈴雲であった。
だけど、なぜだろうか?
悪い気はしなかった。
……………
………
…
そんな二人を物陰から覗く人物が一人。
上下黒い服に手には紙袋を下げている謎の怪しげな青年。
「あいつら何やってんだ? 髪の色は違うけど多分プディカベリーかも。似てるし。男の方はスリングショット泥棒ですしおすし」
ブツブツと変な独り言を言いながら鈴雲の後をつけビルへと入って行く。
「むふふ、これは次の婬人の情報が手に入るチャンスかも。今日は再販のガンタンクも手に入ったし、学校休んで正解だったは」
如何にも変人っぽい青年はニヤニヤしながら、コッソリと鈴雲の後を追うのであった。
……………
………
…
鈴雲がトイレに入ろうとした時だった。
スマホの着信ミュージックが鳴り響く。
「あれ? 電話? マナーモードだったはずですが……」
画面を見ると神様と表示されている。
「…………」
出るのを躊躇っていると勝手にスピーカーモードで繋がった。
「早く出てほしいものですわ」
「え?」
聞き覚えのある声だった。
(エロ神じゃない……)
「どうかしたのかしら? 今日連絡するって言ったじゃない」
「……オカスゾン」
間違いない。
敵のボスであるオカスゾンの声であった。
「ええ、そうよ」
「何か用ですか? ああ。大人しく降参する気にでもなったんですね」
「残念だけど違うわ。今からわたくしの家にご招待して差し上げようと思いまして。そうすればあなたを持ち帰る必要もないですし。うふふ」
「はぁ? 何を寝ぼけたこと言ってるのですか…… さっさと私に倒されてエロ神共々この世界から消えてくださいよ。はぁ…… おばさんってホント陰湿ですね」
「誰がおばさんかしら?」
「あなた以外に居ないと思いますが…… それとも更年期障害だけでなく痴呆症でしょうか? あはは」
「…………」
いまの言葉は相当癇に障ったのであろうか?
オカスゾンは無言で返した。
「昨日もほうれい線に皺を寄せながら逃げて行ったようですし。淫人と遊んでいた方が身のためですよ。お・ば・さ・ん」
「そう…… いいわ。ならもう手加減はしないわ。徹底的に嬲って…… あなたの彼氏も目の前で八つ裂きにしてあげるわ」
「……正秀さんは関係ありません。そもそも、おばさん相手なら私一人で余裕ですよ」
「ふふっ、彼はただの人間でしたわね。婬人相手ならすぐに死んでしまうでしょうから」
オカスゾンの言う通りであった。
鈴雲自身は変身して強くなることができても、正秀は生身の人間である。
今まで運良く生き延びてこれただろうが、一撃でも攻撃を喰らえば良くて致命傷、普通ならば死んでしまうであろう。
心強い味方ではあるが、これ以上は危険に晒したくはなかった。
「どこへ行けばいいのですか? 今すぐにでもあなたを倒しに行ってあげますよ。そして街の平和も守ってみせます!」
「意気込みだけはいいのね。だけど慌てなくても大丈夫よ。これからあなたを淫欲の世界に誘ってあげるから心配しないで」
「心配などしていません」
「いいわ…… なら場所を教えてあげる。乃木倉庫よ。そこが地下への入口になっていますわ。わたくしの家ですの」
「のぎそうこ? ンンン? 何処ですか?」
「あら…… 知らないの……」
「知りません」
「名古屋城の北西にある倉庫ですわ。行けばすぐに分かると思うわ」
「はぁ。そうですか」
「そこで待ってるから、今からでも来ればいいわ。今日は休館日ですし」
「今から…… ですか……」
「今は彼と一緒に居るのでしょう? なら丁度いいじゃない。連れて来て無残に殺されるのを見ているといいわ。ふふっ」
「言いましたよね…… 私一人でじゅうぶんだと。今すぐにでも行ってあなたを倒します!」
「そう。ま、どうでもいいわ。正義のヒロインが墜ちるのは決まってますから」
「絶対に負けません!」
「そう。じゃ待ってるわね」
そう言って、電話は切れてしまった。
「…………」
トイレの前で一人立ち尽くす鈴雲。
(正秀さんごめんなさい。私行きますね。デートの続きはすべて終わってから……)
オカスゾンから連絡があったと知れば正秀は必ず一緒に来るであろう。
しかし、これ以上は彼を巻き込みたくない。
鈴雲は意を決すると、黙ってその場を立ち去るのであった。
……………
………
…
ビルの裏口へと向かう鈴雲を覗き見していた変な人は、スマホを取り出してマップを開いていた。
画面には名古屋城の周辺が映し出されている。
「乃木倉庫か…… また厄介なとこだなぁ…… 堀があって侵入し辛いんだけどー。てかガンタンクの箱デカイし」
電話がスピーカーモードで繋がっていたのは、変な人にとって幸いであった。
なんとか会話の内容が聞き取れ、次なる戦いの場を知ることができた。
おかげで動画配信が捗るのは間違いなしだ。
しかし、休館日の名古屋城に入るのは少々骨が折れると思われる。
「んま、フックあるから最悪よじ登れるかな」
当然、門は閉じているのだから。
「でも、あいつ置いて行って大丈夫なんかな? プディカベリー意外と弱いし…… ま。いっか」
と、変な人はブツブツいいながら歩いて行った。
……………
………
…
―― 1時間後
「鈴ちゃん長いな…… うんこかな? いっぱい食べたもんな。うん。だな」
正秀はまだビルの前で待っていた。
二人ともデートは未経験だったのでどうして良いのかイマイチ分からず、辺りをキョロキョロしながら行き先を相談しているだけである。
お互いにどうにかしようとは思っているのだが、まだ若い思春期の男女にとって、ネットで仕入れただけの知識と現実では想像以上に掛け離れているものであった。
「なあ」
「はい」
「どこか行きたい場所とか無いのか?」
「そうですね…… え~…… では、正秀さんの学校とか……」
「……いや、それはちょっと……」
「ですよね。はい…… 冗談ですよ」
鈴雲は冗談と言いながらも、あながち嘘ではなかった。
もし、普通の家庭に産まれて普通に学校へ通っていれば…… と思えば学園生活に未練がなくもない。
友達と遊びに行ったり、素敵な恋をしたりと楽しい毎日を送っている自分を想像したことは当然ある。
(どうしてでしょうか……)
いつの頃からだろうか? そんなことはどうでもよくなっていた。
しかし、こうして正秀と出逢い、一緒に歩いているだで、なぜだか胸が締め付けられる思いにかられる。
「じゃあさ、何か食いに行こうぜ」
「え?」
「あ、いや…… 腹減ってないかなって……」
「あ、え、ええ。そうですね」
「落ち込んだ時はさ、腹いっぱい食えば元気になるんだぜ」
自分の思いが見透かされているようであった。
「は、はぃ……」
人の優しさに触れるのが辛かった……
……………
………
…
そんな鈴雲の思いをよそに、不器用な正秀によって手当たり次第に買食いをさせられた。
商店街でケバブから唐揚げクレープ、タコ焼き等々。
極めつけはブラジル料理店で鶏の丸焼きであった。
「ふ~旨かったぜぇ。次は何にする?」
「い!? ま、まだ食べるんですか?」
「頑張ればいけるぜっ」
「いやいや、もう限界ですから! 食べられませんよ!」
「そうか?」
「そうですよ。だいたいデートって食べてるだけなんですか?」
「う~ん…… 違うのか?」
「違うと思いますが……」
「じゃあどうするんだ?」
「そ、それは……」
「……それは?」
「あ…… えっと…… そ、それより私そこのビルに行ってきます」
「お、おう?」
鈴雲が近くのビルに行こうとすれば正秀も当然とばかりに付いて来る。
「付いて来ないでください!」
「え? ええ? なんでだよ……」
「……トイレですよ! トイレ! 言わせないでください!」
「あ、ああ…… 悪りぃ。じゃ、ここで待ってるぜ」
「まったく……」
「いっぱい食べたらいっぱい出るもんな」
「うるさいですよっ!」
ちょっと怒り気味にトイレへ向かう鈴雲であった。
だけど、なぜだろうか?
悪い気はしなかった。
……………
………
…
そんな二人を物陰から覗く人物が一人。
上下黒い服に手には紙袋を下げている謎の怪しげな青年。
「あいつら何やってんだ? 髪の色は違うけど多分プディカベリーかも。似てるし。男の方はスリングショット泥棒ですしおすし」
ブツブツと変な独り言を言いながら鈴雲の後をつけビルへと入って行く。
「むふふ、これは次の婬人の情報が手に入るチャンスかも。今日は再販のガンタンクも手に入ったし、学校休んで正解だったは」
如何にも変人っぽい青年はニヤニヤしながら、コッソリと鈴雲の後を追うのであった。
……………
………
…
鈴雲がトイレに入ろうとした時だった。
スマホの着信ミュージックが鳴り響く。
「あれ? 電話? マナーモードだったはずですが……」
画面を見ると神様と表示されている。
「…………」
出るのを躊躇っていると勝手にスピーカーモードで繋がった。
「早く出てほしいものですわ」
「え?」
聞き覚えのある声だった。
(エロ神じゃない……)
「どうかしたのかしら? 今日連絡するって言ったじゃない」
「……オカスゾン」
間違いない。
敵のボスであるオカスゾンの声であった。
「ええ、そうよ」
「何か用ですか? ああ。大人しく降参する気にでもなったんですね」
「残念だけど違うわ。今からわたくしの家にご招待して差し上げようと思いまして。そうすればあなたを持ち帰る必要もないですし。うふふ」
「はぁ? 何を寝ぼけたこと言ってるのですか…… さっさと私に倒されてエロ神共々この世界から消えてくださいよ。はぁ…… おばさんってホント陰湿ですね」
「誰がおばさんかしら?」
「あなた以外に居ないと思いますが…… それとも更年期障害だけでなく痴呆症でしょうか? あはは」
「…………」
いまの言葉は相当癇に障ったのであろうか?
オカスゾンは無言で返した。
「昨日もほうれい線に皺を寄せながら逃げて行ったようですし。淫人と遊んでいた方が身のためですよ。お・ば・さ・ん」
「そう…… いいわ。ならもう手加減はしないわ。徹底的に嬲って…… あなたの彼氏も目の前で八つ裂きにしてあげるわ」
「……正秀さんは関係ありません。そもそも、おばさん相手なら私一人で余裕ですよ」
「ふふっ、彼はただの人間でしたわね。婬人相手ならすぐに死んでしまうでしょうから」
オカスゾンの言う通りであった。
鈴雲自身は変身して強くなることができても、正秀は生身の人間である。
今まで運良く生き延びてこれただろうが、一撃でも攻撃を喰らえば良くて致命傷、普通ならば死んでしまうであろう。
心強い味方ではあるが、これ以上は危険に晒したくはなかった。
「どこへ行けばいいのですか? 今すぐにでもあなたを倒しに行ってあげますよ。そして街の平和も守ってみせます!」
「意気込みだけはいいのね。だけど慌てなくても大丈夫よ。これからあなたを淫欲の世界に誘ってあげるから心配しないで」
「心配などしていません」
「いいわ…… なら場所を教えてあげる。乃木倉庫よ。そこが地下への入口になっていますわ。わたくしの家ですの」
「のぎそうこ? ンンン? 何処ですか?」
「あら…… 知らないの……」
「知りません」
「名古屋城の北西にある倉庫ですわ。行けばすぐに分かると思うわ」
「はぁ。そうですか」
「そこで待ってるから、今からでも来ればいいわ。今日は休館日ですし」
「今から…… ですか……」
「今は彼と一緒に居るのでしょう? なら丁度いいじゃない。連れて来て無残に殺されるのを見ているといいわ。ふふっ」
「言いましたよね…… 私一人でじゅうぶんだと。今すぐにでも行ってあなたを倒します!」
「そう。ま、どうでもいいわ。正義のヒロインが墜ちるのは決まってますから」
「絶対に負けません!」
「そう。じゃ待ってるわね」
そう言って、電話は切れてしまった。
「…………」
トイレの前で一人立ち尽くす鈴雲。
(正秀さんごめんなさい。私行きますね。デートの続きはすべて終わってから……)
オカスゾンから連絡があったと知れば正秀は必ず一緒に来るであろう。
しかし、これ以上は彼を巻き込みたくない。
鈴雲は意を決すると、黙ってその場を立ち去るのであった。
……………
………
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ビルの裏口へと向かう鈴雲を覗き見していた変な人は、スマホを取り出してマップを開いていた。
画面には名古屋城の周辺が映し出されている。
「乃木倉庫か…… また厄介なとこだなぁ…… 堀があって侵入し辛いんだけどー。てかガンタンクの箱デカイし」
電話がスピーカーモードで繋がっていたのは、変な人にとって幸いであった。
なんとか会話の内容が聞き取れ、次なる戦いの場を知ることができた。
おかげで動画配信が捗るのは間違いなしだ。
しかし、休館日の名古屋城に入るのは少々骨が折れると思われる。
「んま、フックあるから最悪よじ登れるかな」
当然、門は閉じているのだから。
「でも、あいつ置いて行って大丈夫なんかな? プディカベリー意外と弱いし…… ま。いっか」
と、変な人はブツブツいいながら歩いて行った。
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