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幼少期
惹き付けられる(エルヴァ視点)
しおりを挟む突然だが俺が先日遭遇した出来事について話そうと思う。
あれから俺はどうやってあいつを俺の傍におくかばかり考えている。
その日俺は特訓が無い日だったので森の中を散歩していた。
いい天気だな。とぶらぶらと歩いていると。
白い光る何かを結構なスピードで追いかける幼竜がいた。
あれは今年生まれた奴なのか小さい。
はじめは只気になって追いかけ始めたが、よく見ると、とても綺麗な容姿をしていた。
体は白に近い銀で少しだけ水色が混じったような色をしていて、太陽の光がキラキラと優しく反射している。
前を通ったときの目の色は金が混じったような翡翠色だったか。
きっと風に属する竜なのだろう。
少し行くと光っていた物体が止まりそれに続いて幼竜も止まった。
幼竜はその場でくるっと回り妖精に自分の姿を見せているようだ。
その様子は無邪気で感情が剥き出しになっていた。
(主人公は無自覚ですがミーシャといる時は幸せ~って感じだし、感情が駄々漏れになっています。普段は感情駄々漏れではありません。)
こんなに離れていても、あの幼竜が嬉しいと思っていることが伝わってくる。
妖精が近くに寄り二人の周りの魔力が淡く光り、揺らぐ。
あいつらは気付いていないようだが契約をしているのだろう。
その光景は他人が踏み込んでいい場所じゃない。
そういっているようで俺は体を、指先ですら動かせなかった。
只呆然と眺めていると、どうやら契約をし終わったようだ。
俺も生まれて5年程しか経っていないが妖精の類いと契約することは難しいと聞く。
(竜は長寿なので成人が百歳位で死ぬタイミングは強さによって変わります。)
でもそれは俺にとってどうでも良かった。
いつもの俺なら嫉妬のひとつでもしていたかもしれない。
だけど今は
あいつが笑う。
感情を溢れさせながら。
ドクッ
俺はあの幼竜から目が離せない。
ドクッ
心臓が煩いくらい音を鳴らす。
淡い光のなかで幸せだと言うように笑うあいつが欲しいと思った。
あの笑顔が俺だけに向けられたら?
あいつの目に俺だけがうつっていることを考えると、心臓がぎゅうっとしまり熱が身体中を回る。
でもあいつは俺じゃない奴にあの『幸せだ』と溢れる笑顔を見せ俺の存在をしりもしない。
そう思うとどろどろとした感情が溢れる。
俺をその目に映して笑って欲しい。
あいつを俺のものにしたい!
なんとしても!
しばらくするとあいつらは何かを話ながら歩き始めた。
今なら近くに行き話すことが出来るだろうか?
いや、止めておこう。
幼い竜であるなら派閥作りの時に会えるだろう。
そのときの圧倒的に強い俺が声を掛ければきっと直ぐになつくだろう。
くくっ、ああ楽しみだ。
そのあと俺は俺の家族で住んでいる洞穴に向かった。
そうと決まればもっと鍛えなくては!
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