転生したら異世界最強種族の竜でした

鈴野 咲樹

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幼少期

派閥作りに向けて1

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「ところでスーはどんな派閥に入りたいんだ?」

お母さんがお父さんとの討論を切り上げ私の希望を聞いてくれた。

「自由なところがいい!」

「そうか、自由か。風だな!」

「いや!火だって自由だ!!」

自由に関しても意見が割れ両親はまた討論を始めた。

「なに言ってるんだ!風の派閥は定期の会合や緊急事態以外は余り干渉しあわない自由な時間が多い派閥だぞ!」

「いいや火の方が自由だね!火の派閥はな強さを求めた結果の行動なら大抵は許される自由な派閥なんだ!それに風は規則に厳しいじゃないか!」

「火のそれは半無法地帯って言うんだよ!だいたい規則を強くなるためならしょうがねえなって曲げるのは火のとこぐらいだろ!」

「強くなるのは大事だろう!」

「それにも限度ってもんが‥」

両親の討論はまだまだ続くようだ。
二人とも自分の派閥大好きだな。

「ねえミーシャ風か火だったら‥」

「「風」」

ミーシャも風だと思って言ってみれば言葉が被る。

「だよねー。でも風は規則に厳しいらしいよ。」

「でもアストさんの言ってる感じからすると定期の会合や緊急事態を真面目にすれば大丈夫そうじゃない?」

「定期の会合を真面目に‥ね」

「‥何とかなるって」

ここで補足をいれると私たちは待ち合わせ苦手だし(早く着くときは早く着くが割りとよく遅刻する。)宿題をやらなかったりする。

果たして規則に厳しいらしい派閥の中で生きていけるのか‥

「‥と、とりあえずスーがどの派閥に入るかは後にしないか?」

「ああ、そうだな。さすがに疲れた。」

どうやら両親による討論会は終わったようだ。

「よし!気をとりなおして、スカイ派閥作りをするにあたって大事なことってなんだかわかるか?」

何だろう?学校みたいなところって言ってたし愛想のよさとかかな?

「笑顔!」

ニコッと笑って答える。
笑顔で挨拶が友好関係には大事でしょ!
わかんないけど!

「「ぐはっ」」

何やらお母さんとお父さんが胸に手を当て悶えている。
なんでだ?ああ!わかった子供の笑顔だもんね可愛いよね!
うんうんわかります。

「スカイ、その笑顔も良いが一番派閥作りに影響するのは強さだ。」

お父さんの話を聞いてると火の派閥は強さに凄い拘りを持ってるみたいだし、竜にとって強さはかなり大事な要素なのかもしれない。

「強さ?強いと人気者になるの?」

「ああ、強いと人気者になれる!でも強くないやつでも取り合いになるのが派閥作りだ。数も派閥の大事な要素だからな。」

「じゃあ強いとどんな良いことがあるの?」

「それはねスー。弱いと入りたくもない派閥に入らされたり、下に付きたくもないやつの配下にされたりするんだ。そんなん嫌だろう?」

確かにそれは嫌だな。
従いたくないやつの下に付くなんて。
プライドが許さないって言うか、何て言うか。

でもおかしいな?
私はもともとそっちの方が楽なら別にいいやって感じで誰かの下に付くことに拘りはあんまりなかったと思うんだけど‥まあこの場合は誰の下に付くのかに拘りができたって感じかな。
今は振りだけでも自分が認めてないやつに従うって考えると苛立ってくる。

なんか凄く嫌なのだ。

「うん。なんか凄く嫌だ。」

「アッハッハ。スカイ、お前も竜だな。」

お父さんが笑いながら頭を撫でてくる。
頭が、頭が~ぐらぐらする!
いくら竜でも頭取れたら死ぬって!
力加減を、力加減を~!

「無理やり従わせられるのは嫌だろう。だから派閥作りに向けて特訓しよう!」

まだ少しぐらぐらする頭ではきっり思った。
強くなろうって。

「うん!私、絶対強くなる!」

もし私が従うなら、心から敬服したひとだけがいい。
他の奴に膝を折るなんて絶対にしたくない。
自然にそう思った。

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