3 / 69
第一幕〈馴れ初め〉
その眸に映るもの 2
しおりを挟む
薄い背中を押さえ込み、細い手足を組み敷いて、白い肢体に乗りあげた。
俯せた身体は抗う素振りで身を捩るのに、それは少しも救いにならない。
「なに、逃げたいの?」
こちらへ向いた横顔を見下ろして、ピアスの光る耳許に囁きを吹き込んだ。
「愉しめよ…。そのほうが楽だ」
震える白い肩と首すじに、漆黒のドレッドロックスがまとわりつくように流れて落ちた。
淡い金の髪はシーツの上ではらはらと揺れ、下肢から伝わる律動に反応をみせる。
背後から忙しなく身体の奧を突き上げられるたび、洩れる吐息は艶を増し、湿りを帯びる。
肉付きの薄い背中から細く頼りない腰へ、脊椎をつたうようにクラウドは手のひらを滑り降ろした。傷ひとつない綺麗な肌は強靱な手に吸いつくように柔らかく、なめらかだった。
興奮するなというほうが無理な話だ。
己の欲望がさらに熱を持って膨れあがるのが分かった。呼応して白い背中がびくりと波打つ。
好いところを先端で擦ってやると、それがひときわ顕著な震えとなって確かな快感をクラウドの眼前に示した。
腰を抱き込んでいた腕をほどいて、汗の流れる鳩尾から胸許へ、ゆっくりと手のひらで撫であげていく。
濡れた肌の感触を愉しみながら、指先は小さな尖りを探りあてる。
そこに柔らかくふくらんだ乳房はない。ないが、クラウドの手はかまわず平らな胸と尖りをまさぐり、その指先で硬くしこるまで小さなそれを愛撫した。
甘く溶けかけた吐息が聞こえる。クラウドの腰があやすように奧を掻き混ぜる。
片手を降ろして、白い下肢の中心で濡れて震える性器を握り込んだ。
己のものより遙かに慎ましやかなそれは、けれど確かに雄の象徴だった。
苦痛を凌駕するほどの快楽に欲望の雫があふれていた。
幼さの残る無垢な性器は硬く勃ちあがって震えている。
焦らす動作でクラウドがそれを擦ってやると、堪えきれないのか華奢な腰を揺らして応えてきた。
形を確かめるように手のひら全部で握り込み、ゆるりと裏側を撫で下ろす。
そのすべてに甘い喘ぎが呼応している。
胸を密着させる体勢で下肢を重ねた。
ギリギリまで腰を持ちあげ何度も深くなかを突き刺し、息を乱すまで小刻みに上下に揺さぶったりした。
顎をつたい首すじを流れ、ほのかに色づく胸許で光を弾くその汗を、とても綺麗だと思う。鼻先を寄せると肌の匂いに酔いそうになる。
平らな胸の、小さな尖りに唇を被せて、きゅうと音がするほど吸いあげた。
女のような反応はなくても、微かに身を捩るさまが可愛くて、肉厚な舌で転がすように胸の尖りを何度も舐めた。
腿に載せた白い下肢を掴みしめ、激しい動作で奧へと楔を打ち込んだ。
この身体の所有者は己だ。支配するのも愛するのも、甘く熟れさせるのも。
涙を流して快楽に耐える細い顎先にくちづける。金色に揺れる頭を引き寄せて、薄い唇を喘ぎごと塞いだ。呼吸を奪われて苦しげに逃げを打つ唇を追って、うぶな舌先を絡めとった。慣れていない下手くそな応え方に笑いが洩れた。
「――…」
切れ切れの息の下で名前を呼ぶ声がした。甘く震える声だった。
腰を掴んでもうひと刺しねじ込んだら、白い身体は背をしならせて全身を震わせた。それを合図に互いの腹の上に熱い液体がぴゅくんと跳ねた。
とろけた身体が力なく縋りついて、白い細い腕がドレッドをまとわりつかせながらクラウドの逞しい肩を抱きしめようとする。
その仕種のすべてが愛しい。
「……いい子だな、…レスタ」
ぱっと瞼が開いた。
「………」
身体が欲するままに詰めていた息を深く吐き、大きく胸を上下させる。
額にはうっすらと汗がにじんでいた。握り込んだ拳の内側にも。
「…――、」
ゆめ、か。呟いたはずが声は掠れて吐息に紛れた。
夢だとしても、なんて夢だ。
ゆっくりと上体を起こしたクラウドは、己の下肢を見下ろすなりドレッドの頭を抱え込んだ。
「…勃ってんじゃねえよ……」
よりにもよって、あのレスタに。そうだあのレスタだ。
ましてや夢だというのにその肢体はどこもかしこも男のものだった。
夢独特の曖昧さも、経過の矛盾もなく、レスタは最初から少年の身体で、胸に柔らかなふくらみなどなく、脚の間には余分な一物までしっかりあった。見たこともないかれの肢体をクラウドは夢に具現させた。
それが絵物語の妖精も斯くやという完璧な造形美だったというのも相当アレだが。――そんなレスタの白い身体に、まだ華奢な線を色濃く残すひとつ年下の少年の身体に、自分はいったい何をした。
己の雄で奥まで侵して、あふれる欲望を注ぎ込んだ。
違う。そういうことじゃない。
あれは男だ。
夢の中でもそれは変わらず、自分でも確かに分かっていて、それなのにその身体に欲情していた。興奮して、自ら汗の浮いた平らな胸に吸いついた。勃起していたレスタのものを愛撫して、その感触を愉しんでさえいた。
(まてまてまてまて)
ありえないだろう。第一クラウドは男など相手にしたことはない。
したいと思ったこともない。むしろ絶対に願い下げだ。それなのに。
股間には布を押し上げて主張する欲情の証しがある。
「……勃ってんじゃねえよ……」
先と同じ言葉を吐いて、クラウドはどさりと背中を倒した。
そろそろ正午になろうという頃、クラウドの私室にノックの音が鳴り響いた。
朝から夢見と機嫌の悪い屋敷のあるじは、何故かその音にぎくりと肩を揺らした。
入れではなく、誰だ、と扉に向かって誰何の声を飛ばしたのは無意識だ。
「リクです。もしかして入っちゃ拙いですか」
返ってきた声に思わずほっとして、ほっとしたことに一層不機嫌になって、クラウドはカウチを蹴って扉に向かった。
外開きの二枚の扉を両手で思いきり押し開けたのは、もちろんわざとだ。八つ当たりともいう。
鈍い衝突音と呻き声を同時に聞いて、クラウドは少しだけ腹の底をすっきりさせた。
「痛いですよ! クラウドさま!」
「うるせえよ」
顔面を押さえて廊下に蹲る少年を見下ろす。
「なんだ、機嫌が悪そうだな」
すぐ近くからべつの声が聞こえた。
開け放った扉の片方から、淡い金色の髪をひらりと揺らしてレスタが顔を覗かせた。
「いまの、レスタさんが隣に立ってたら絶対巻き添えでしたよ…」
よかったですね、とどちらにともなく言って、リクと名乗った少年はクラウドのまえで姿勢を正した。聡明そうな広い額が扉の縦の線を浮かせて、うっすら赤くなっていた。
「これ、帝都のリヒトさまから書簡が届きました」
「………」
その額の赤痣も、差し出された白い封書も、帝都官邸の留守を任せている兄の名前さえ、すべてがクラウドの意識を上滑りして、何ひとつ引っ掛かってはこなかった。
彼の纏う空気が変わったことをふたりは感じ取ったようだったが、しかしクラウドは返事もせずに部屋の中へ踵を返した。
いらいらする。それを認めたくはなかった。
扉のまえのレスタとリクは無言で顔を見合わせてから、クラウドに続いて部屋の中へ入っていった。
俯せた身体は抗う素振りで身を捩るのに、それは少しも救いにならない。
「なに、逃げたいの?」
こちらへ向いた横顔を見下ろして、ピアスの光る耳許に囁きを吹き込んだ。
「愉しめよ…。そのほうが楽だ」
震える白い肩と首すじに、漆黒のドレッドロックスがまとわりつくように流れて落ちた。
淡い金の髪はシーツの上ではらはらと揺れ、下肢から伝わる律動に反応をみせる。
背後から忙しなく身体の奧を突き上げられるたび、洩れる吐息は艶を増し、湿りを帯びる。
肉付きの薄い背中から細く頼りない腰へ、脊椎をつたうようにクラウドは手のひらを滑り降ろした。傷ひとつない綺麗な肌は強靱な手に吸いつくように柔らかく、なめらかだった。
興奮するなというほうが無理な話だ。
己の欲望がさらに熱を持って膨れあがるのが分かった。呼応して白い背中がびくりと波打つ。
好いところを先端で擦ってやると、それがひときわ顕著な震えとなって確かな快感をクラウドの眼前に示した。
腰を抱き込んでいた腕をほどいて、汗の流れる鳩尾から胸許へ、ゆっくりと手のひらで撫であげていく。
濡れた肌の感触を愉しみながら、指先は小さな尖りを探りあてる。
そこに柔らかくふくらんだ乳房はない。ないが、クラウドの手はかまわず平らな胸と尖りをまさぐり、その指先で硬くしこるまで小さなそれを愛撫した。
甘く溶けかけた吐息が聞こえる。クラウドの腰があやすように奧を掻き混ぜる。
片手を降ろして、白い下肢の中心で濡れて震える性器を握り込んだ。
己のものより遙かに慎ましやかなそれは、けれど確かに雄の象徴だった。
苦痛を凌駕するほどの快楽に欲望の雫があふれていた。
幼さの残る無垢な性器は硬く勃ちあがって震えている。
焦らす動作でクラウドがそれを擦ってやると、堪えきれないのか華奢な腰を揺らして応えてきた。
形を確かめるように手のひら全部で握り込み、ゆるりと裏側を撫で下ろす。
そのすべてに甘い喘ぎが呼応している。
胸を密着させる体勢で下肢を重ねた。
ギリギリまで腰を持ちあげ何度も深くなかを突き刺し、息を乱すまで小刻みに上下に揺さぶったりした。
顎をつたい首すじを流れ、ほのかに色づく胸許で光を弾くその汗を、とても綺麗だと思う。鼻先を寄せると肌の匂いに酔いそうになる。
平らな胸の、小さな尖りに唇を被せて、きゅうと音がするほど吸いあげた。
女のような反応はなくても、微かに身を捩るさまが可愛くて、肉厚な舌で転がすように胸の尖りを何度も舐めた。
腿に載せた白い下肢を掴みしめ、激しい動作で奧へと楔を打ち込んだ。
この身体の所有者は己だ。支配するのも愛するのも、甘く熟れさせるのも。
涙を流して快楽に耐える細い顎先にくちづける。金色に揺れる頭を引き寄せて、薄い唇を喘ぎごと塞いだ。呼吸を奪われて苦しげに逃げを打つ唇を追って、うぶな舌先を絡めとった。慣れていない下手くそな応え方に笑いが洩れた。
「――…」
切れ切れの息の下で名前を呼ぶ声がした。甘く震える声だった。
腰を掴んでもうひと刺しねじ込んだら、白い身体は背をしならせて全身を震わせた。それを合図に互いの腹の上に熱い液体がぴゅくんと跳ねた。
とろけた身体が力なく縋りついて、白い細い腕がドレッドをまとわりつかせながらクラウドの逞しい肩を抱きしめようとする。
その仕種のすべてが愛しい。
「……いい子だな、…レスタ」
ぱっと瞼が開いた。
「………」
身体が欲するままに詰めていた息を深く吐き、大きく胸を上下させる。
額にはうっすらと汗がにじんでいた。握り込んだ拳の内側にも。
「…――、」
ゆめ、か。呟いたはずが声は掠れて吐息に紛れた。
夢だとしても、なんて夢だ。
ゆっくりと上体を起こしたクラウドは、己の下肢を見下ろすなりドレッドの頭を抱え込んだ。
「…勃ってんじゃねえよ……」
よりにもよって、あのレスタに。そうだあのレスタだ。
ましてや夢だというのにその肢体はどこもかしこも男のものだった。
夢独特の曖昧さも、経過の矛盾もなく、レスタは最初から少年の身体で、胸に柔らかなふくらみなどなく、脚の間には余分な一物までしっかりあった。見たこともないかれの肢体をクラウドは夢に具現させた。
それが絵物語の妖精も斯くやという完璧な造形美だったというのも相当アレだが。――そんなレスタの白い身体に、まだ華奢な線を色濃く残すひとつ年下の少年の身体に、自分はいったい何をした。
己の雄で奥まで侵して、あふれる欲望を注ぎ込んだ。
違う。そういうことじゃない。
あれは男だ。
夢の中でもそれは変わらず、自分でも確かに分かっていて、それなのにその身体に欲情していた。興奮して、自ら汗の浮いた平らな胸に吸いついた。勃起していたレスタのものを愛撫して、その感触を愉しんでさえいた。
(まてまてまてまて)
ありえないだろう。第一クラウドは男など相手にしたことはない。
したいと思ったこともない。むしろ絶対に願い下げだ。それなのに。
股間には布を押し上げて主張する欲情の証しがある。
「……勃ってんじゃねえよ……」
先と同じ言葉を吐いて、クラウドはどさりと背中を倒した。
そろそろ正午になろうという頃、クラウドの私室にノックの音が鳴り響いた。
朝から夢見と機嫌の悪い屋敷のあるじは、何故かその音にぎくりと肩を揺らした。
入れではなく、誰だ、と扉に向かって誰何の声を飛ばしたのは無意識だ。
「リクです。もしかして入っちゃ拙いですか」
返ってきた声に思わずほっとして、ほっとしたことに一層不機嫌になって、クラウドはカウチを蹴って扉に向かった。
外開きの二枚の扉を両手で思いきり押し開けたのは、もちろんわざとだ。八つ当たりともいう。
鈍い衝突音と呻き声を同時に聞いて、クラウドは少しだけ腹の底をすっきりさせた。
「痛いですよ! クラウドさま!」
「うるせえよ」
顔面を押さえて廊下に蹲る少年を見下ろす。
「なんだ、機嫌が悪そうだな」
すぐ近くからべつの声が聞こえた。
開け放った扉の片方から、淡い金色の髪をひらりと揺らしてレスタが顔を覗かせた。
「いまの、レスタさんが隣に立ってたら絶対巻き添えでしたよ…」
よかったですね、とどちらにともなく言って、リクと名乗った少年はクラウドのまえで姿勢を正した。聡明そうな広い額が扉の縦の線を浮かせて、うっすら赤くなっていた。
「これ、帝都のリヒトさまから書簡が届きました」
「………」
その額の赤痣も、差し出された白い封書も、帝都官邸の留守を任せている兄の名前さえ、すべてがクラウドの意識を上滑りして、何ひとつ引っ掛かってはこなかった。
彼の纏う空気が変わったことをふたりは感じ取ったようだったが、しかしクラウドは返事もせずに部屋の中へ踵を返した。
いらいらする。それを認めたくはなかった。
扉のまえのレスタとリクは無言で顔を見合わせてから、クラウドに続いて部屋の中へ入っていった。
1
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる