惨劇の魔法使いとサシャリクスの天空城

　気が付くと俺は薄暗い場所に横たわっていた。周囲を見回すと、ゴツゴツとした黒褐色の岩石の地面が幅約5m程で無限に続き、道の両端に幅約1mずつ場所をとった水路が通った洞窟らしき、神殿らしき空間が広がっていた。
　神殿ーーというのも、2本の水路に流れる水は下側から漏れる青藍な灯に照らされていた。
　意識が覚醒してきたところで、俺は右手に辞書のような集めの本を握っていることに気づく。


　フクロウ。


　そして8人の魔法使い。


　クイナ、カナリア、セキレイ、ホトトギス、ツノメドリ、ヒタキ、カッコウ、ウグイス。


　その本の作者・フクロウは俺であり、俺は彼らを捜し出し全員を殺す運命にあるとの言葉。


　俺はなぜ荒廃した光のない地下にいるのか。


　俺にはなぜ記憶がないのか。


　俺はなぜ、何故ゆえ人を殺す使命を自分自身に課したのか。


　9人の人間しか存在しない世界で究極のサバイバルが始まる……！