【完結】BLACK BLOOD・番外【R18】

邦幸恵紀

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雅歌(がか)

3*

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 かつて幼なじみだった男は、優しい口づけだけをして俊太郎から離れた。少し物足りない気がしたが、もう一度するのはさすがにきつい。精神的にではなく、肉体的に。
 友部は抵抗があるだろうと言ったが、俊太郎にはまったく、我ながら訝しく思うほどそういうものはなかった。むしろ、今まで無理矢理引き裂かれていたものがようやく一つに戻れた。そういう喜びさえ覚えた。
 いったいいつから自分もこんなふうに友部を愛するようになっていたのだろう。体を重ねることが当然のことのように思えるほど。

(今、何時なんだろう)

 ふとそう思って、室内に時計がないかと見回してみたが、目につくところには時刻のわかるようなものはなかった。自分の腕時計は邪魔になるからとはずしてどこかへやってしまったし(たぶん脱いだ服の中にあるのではないかと思うが、寝ている間に友部が片したのか、ベッドの横にはなかった)、携帯電話の入ったナップザックも手に届くところにはない。
 友部は風呂場にいるようだ。さすがに電気をつけて何かしている。風呂の準備でもしているのかもしれない。どうせならこうなる前に入りたかったが、そう段取りよくはいかないものだ。友部が言ったように、今夜のことは予想外の展開だった。

「友ちゃん」

 少しだけ声を張り上げて呼ぶと、すぐに友部が返事をして、部屋の入口から顔を覗かせた。

「どした?」
「うん……いま何時?」
「ああ――十時二十五分」

 友部が台所のほうをちらりと見たところをみると、そこには時計があるらしい。

「まだ、そんなもんなの?」

 てっきり、もう真夜中になっているかと思っていた。

「そんなもんだよ。ゆっくりしてろ」

 友部は笑って俊太郎の頭をくしゃりと撫でると――ああ、たまらなく懐かしい――また風呂場へ戻っていった。
 今が十時半くらいだとすると、どのくらい眠っていたことになるのだろう。何だか近年ないくらい熟睡したような気がするが。

「今、風呂入れてるから」

 ようやく友部が戻ってきて、ベッドの縁に浅く腰かけた。

「さすがにそのままじゃ……まずいだろ」

 少しだけ友部は俊太郎から目をそらせる。

「友ちゃんは?」
「俺? 俺はさっきシャワーだけ浴びた」

 とたんにむかついて、俊太郎はまだ持っていたペットボトルで友部の腕を殴った。

「な、何だよ」
「別に」
「……悪かったよ」

 これ以上殴られることを恐れてか、友部はさりげなく俊太郎の手からペットボトルを取り上げると、苦笑いしながら顔を近づけてきた。以前は何でもなかったのに、今はそれだけでどきどきする。

「おまえ、明日も学校だろ? 休みの前だったら、朝までどころか、一日中だって腕枕してやるから」
「友ちゃんのバカ!」

 図星を突かれて真っ赤になった俊太郎は、力まかせに友部の胸板を殴った。友部は顔をしかめたが、俊太郎の手を強引に押さえこむと、真剣な表情で俊太郎を見つめた。
 こういう友部は、見慣れていなくて落ち着かない。でも、俊太郎が見惚れてしまうのも、こういうときの友部なのだ。

「俊太」
「な、何?」
「我が真名まなにかけて誓う」

 俊太郎の手を握ったまま、友部は神聖な呪文のように生真面目に囁いた。

「天が落ち、地が砕け、この身がくうになろうとも。……我は汝を愛する。汝と共に我はある」

 言われていることはよくわからなかったが(時々、友部はこんな小難しいことを言った)、それでも、これは愛の誓いの言葉なのだと思った。何があっても――たとえ死んでも愛している。おまえのそばを離れない。
 俊太郎はぞくりとした。恐怖からではない。快感からだ。死しても離れないと真顔で誓える妄執からだ。
 こんなことを俊太郎に言うのは、たぶんこの世で友部一人だけだ。なぜ友部のような男がこんなにも自分を愛してくれるのかわからない。わからないが、たまらない。結局、自分たちは〝割れ鍋に綴じ蓋〟なのかもしれない。

「俺は、何て答えればいいの?」

 眼前の美しい男の顔を、俊太郎はうっとりと眺めた。友部は優しく微笑むと、俊太郎の手の甲に音を立てて口づける。

「何でもいいよ。答えなくてもいい。これは、お袋が親父に言ったプロポーズなんだ。俺も一度言ってみたかった」
「おばさん? ……なるほど」

 思わず納得した。友部の両親のことは俊太郎も覚えている。友部は完全に父親似だ。だが、友部とは違っておっとりとした優しい人で、俊太郎のこともとても可愛がってくれた。
 一方、友部の母親も大変な美人だったが、昼は苦手だとかで、滅多に会うことはなかった。が、その短い邂逅でも、彼女にいわゆる母親らしさというものは皆無であるということはわかった。あの母親なら、こういうセリフを口にしても不思議ではない。

「ただ……これだけは覚えていてくれ。俺は何があっても、俊太。おまえだけを愛してる」
「友ちゃん……」

 俺もそうだと俊太郎が言いかけたとき、ふいに友部が手を離して立ち上がった。

「と、友ちゃん?」
「風呂。忘れてた」

 友部は苦笑いすると、さっさと風呂場へ行ってしまった。

「……友ちゃんのバカ」

 もっと自分にも、好きだと言わせてほしいのに。
 俊太郎はふてくされて、枕に顔をうずめた。




 正直、風呂に入るのは面倒だったが、明日はいったん家に戻ってから登校することになっていた。少しでも長く眠るためにも、今入っておいたほうがいい。
 何なら俺も一緒に入ろうかと友部がにやにやしながら言ったが、自分はもうシャワーを浴びたんだろう、一人で入れるとすげなく断った。内心、心惹かれるものはあったが。
 そのかわりというわけでもないが、友部にベッドから風呂場まで〝お姫様抱っこ〟で運んでもらった(恥ずかしかったが、一度経験してみたいという誘惑には勝てなかった)。ビジネスホテルにあるような狭いユニットバスだったが、このときばかりはトイレが一緒でよかったとひそかに俊太郎は思った。
 そろそろとシャワーを浴びる。セックスっていろいろと汚れるもんなんだなと他人事のように思う。たぶん、今頃友部は部屋の電気をつけて、ベッドのシーツその他諸々の交換をしているだろう。さぞかし盛大に汚れているはずだ。この体と同じくらいに。汗とか唾液とか血とかあれとか。
 電気の下で改めて自分の体を見てみると、所々に赤い花びらのような跡がある。これがいわゆるキスマークというやつかと、我ながら不思議なほど冷静に俊太郎は思った。まさか自分がこれをつけられる立場になるとは思ってもみなかった。
 体がだるい。少し動くだけで筋肉が悲鳴を上げる。セックスで筋肉痛になるなんて、やってみて初めて知った。確かに、日常生活であんな格好はそうそうしない。中国雑技団員あたりだったら、こんな痛みには悩まされないかもしれない。そのために雑技団に入団したいとは思わないが。
 いわゆる男女のセックスがどういうものか、俊太郎も知識としてはまったく知らないわけではない。が、男同士のそれは知識どころか、想像したこともなかった。
 きっと、友部はすでに経験があるのだろう。相手が女か男かは知らないが(ここで俊太郎はむしゃくしゃして、頭を掻きむしった)、とても慣れている感じがした。
 俊太郎の自由をあっけなく奪い、たやすく翻弄する友部は、俊太郎が知る小学生のときの彼とは、もちろん同じではなかった。しかし、それでもこれはあの友部だと、理性を超えたところで俊太郎は理解していた。
 少年から青年に変わっても、友部は俊太郎を愛していた。まだ、愛しつづけていた。
 声が、指が、体が。
 どうして拒めるだろう。拒む必要があるだろう。友部だけが、俊太郎の欲しいものを与えてくれるのに。
 男の場合はどこに入れるのかと訊ねて、入れてほしいと俊太郎がせがんだ。本当は友部が謝る必要はなかったのだ。
 友部と一つになりたかった。つながりたかった。もっと確かな形で、体に記憶したかった。友部は渋ったが、無理そうだったらすぐにやめるという条件つきで、指と軟膏(救急箱の中にあった。たぶん、俊太郎はこの先一生、あの軟膏を直視できない)で丁寧にほぐしてから――こんなこと、愛がなくちゃできないよなと、俊太郎は喘ぎながらも冷静に考えていた――俊太郎の中へ突き入れた。
 裂けると思った。実際はまったく逆だが、女の出産の痛みはこれに似ているのではないかと思った。反射的に逃れようとすると、友部のほうがやめようとした。それに気づいて俊太郎は友部の腕をつかんだ。いいよ。続けて。かまわないで。
 あの感覚は、かつて俊太郎が一度も味わったことのないそれだった。自分の中に、他人の肉がある。熱くて、激しく脈打って、俊太郎を引き裂いている。確かに痛かった。未知の痛さだった。だが、それと同じくらい、あるいはそれ以上の興奮があった。
 これが友部とでなかったら、この行為は男にとって最大の屈辱だ。少なくとも、俊太郎はそう思う。こんな思いをさせられるくらいなら、殺されたほうがはるかにましだ。
 友部だから。今、自分は望んで貫かれている。征服されている。友部のものになっている。倒錯した悦び。痛い。苦しい。でも――愛しい。
 無我夢中で友部にしがみついた。体勢的にはきつかったはずだが、屈強な彼は文句も言わず、俊太郎のしたいようにさせた。ゆっくりと友部が進む。俊太郎は耐えた。下半身が自分のものではないようだ。

 ――俊太……

 そっと、友部は俊太郎の耳許に囁いた。少しだけ息が上がっている。男でも、こういうときの声は艶かしい。俊太郎の中心がさらに固くなる。

 ――ほら。今、つながってるよ。おまえの中に、俺がいる。……熱いな。熱くて、溶けちまいそうだ。おまえは、どうだ? 俺が、わかるか?

 俊太郎は声が出せずに、ただうなずいた。羞恥心から部屋の電気は消してしまっていたから、つながっているところは見えなかった。でも、わかった。つながっている。これ以上はないくらいしっかりと。まるで一つの生き物になったみたいに。
 友部が腰を引いた。内臓を引っ張られたような心地がした。ゆるやかに前後運動が繰り返される。そうしながら、友部は右手で俊太郎自身を愛撫した。始めた早々そうされて、すでに一度放っていたが、もう俊太郎は再充填されつつあった。一方、友部はまだ達していないのだから、とても不公平な気がする。そこがたった一年でも歳の差というものなのだろうか。
 俊太郎が既知の官能に気をとられているうちに、友部の抽挿は速さを増していた。いつのまにか苦痛は減じていた。時々、電流のように快感が走る。そういうとき、俊太郎は自分から腰を動かして、その感覚が起こったところに合わせたくなる。友部はそれを察してそこを突いた。セックスって共同作業なんだ。ぼんやりと俊太郎は思った。そしてそう思えるのも、きっと相手が友部だからなのだ。
 臨界が来ていた。吐息だけで友部の名前を呼ぶと、友部は少しだけ笑って、俊太郎の手を握った。それが合図のように俊太郎はいき、同時に体の中で友部が弾けたのを感じた。
 全身の力が抜けて、俊太郎は指先一つ動かすことができなかった。だが、友部は汗に濡れた長い髪を掻き上げながら、俊太郎から己を抜き去った。生温い液体が滴り落ちる感覚。

 ――……俊太。

 ギリシア彫刻のように美しい男が、壊れものに触れるような手で俊太郎の髪を撫でる。今さらながら、なぜこんな男がこんなにも自分を愛してくれるのだろうと不思議に思った。
 それから何度かついばむようなキスをして、体の汗を拭ってもらっているうちにうとうとして眠ってしまったらしい。気づいたときには俊太郎は一人でベッドの中にいて、友部は窓際で謎の歌を口ずさんでいた。特別、歌が上手かったような記憶はない。歌好きというわけでもなかったと思う。今思えば、非常に珍しい場面に遭遇していたわけだ。
 俊太郎はかなり苦労して浴槽に入り、温めの湯の中へおそるおそる下半身を浸した。案の定、少し染みたがすぐに気にならなくなった。ほうっと深く息を吐き出す。
 友部と再会してから、まだ半日も経っていない。なのに、友部は〝幼なじみ〟から〝恋人〟へ一気に変わってしまった。友部のことは好きだし、彼とのセックスも嫌ではないが、改めて考えるとそのことに軽くショックを受ける。
 ゆくゆくは、友部と一緒に暮らすことになると思う。それにはまったく異存はない。ただ、俊太郎はまだ高校二年生で、少なくとも高校を卒業するまでは家を出ることはできない。ということは、卒業まではこうして友部のアパートで会うことになるのか。
 友部は〝幼なじみ〟からすぐ〝お嫁さん〟はつまらないだろうみたいなことを言ったが、俊太郎にしてみればまだるっこしい。どうせいつかはそうなるのに、どうしてわざわざそんな猶予期間が必要なのか。できることなら高校なんか即刻やめて、本当に〝お嫁さん〟になれる外国へ友部と行ってしまいたい。
 そこまで考えて俊太郎は赤くなった。自分のあまりの躊躇のなさに。もうちょっと悩むとか迷うとか、そういう感情はないのか? 俺のほうが乗り気だぞ?
 ちょうどそんなことを考えていたときに風呂場のドアをノックされたので、俊太郎はひどく驚いた。

「な、何?」

 声がひっくり返っている。

「いや、バスタオルとおまえの服、ここに置いとくけど……どうかしたか?」
「何でもない、ちょっとびっくりしただけ」
「それならいいけど……何かあったらすぐ呼べよ」
「うん」

 友部は風呂場を開けることなく立ち去っていった。俊太郎はほっとして溜め息をつく。明るい電気の下で、自分の裸は見られたくない。何となく。                        
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