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After Story
ご主人様には逆らえない⁉(6)
しおりを挟む生まれて初めてメイド服というものを着た俺は、自分の女装姿に絶望すら感じていたわけだけど――。
「深雪……これ、気持ちい?」
「ぁんっ……んっ……んんっ……はいっ……気持ちいい……です、ご主人様ぁっ……」
今はメイド姿のまま頼斗に犯されることに悦びすら感じてしまうあり様で、恥も何もなかった。
俺をベッドに押し倒した後の頼斗は、俺の身体を愛撫するためにも背中のファスナーは外してくれたけど、俺が着ているメイド服を完全に脱がせてはいなかった。
そもそも、最初からメイド服を脱がせるつもりなんてないんだと思う。
ワンピースタイプのこのメイド服は、背中のファスナーを引き下げてしまえば簡単に脱がせられると思うけど、それってつまり、背中のファスナーを下ろしてしまえば、胸も簡単に剥き出しになってしまうということで、俺の胸を露わにした頼斗は、頼斗の前に晒される俺の胸をいっぱい愛撫してきた。
薄いピンク色だった俺の乳首も、頼斗にいっぱい弄られたり吸われたりしているうちに赤く腫れぼったくなっているし、いつもは服に隠れて見えない俺の薄い胸の上には、頼斗がつけたキスマークが所々に散っていた。
そして、頼斗に口でご奉仕している時から痛いくらいに張り詰めていた俺のナニは、スカートを捲り上げてパンツを脱がせてしまった頼斗の手に擦り上げられ、爆発寸前なくらいにパンパンになっていた。
「んっ、ぁ……ぁんっ……ぁっ……ぁあっ、ん……」
頼斗は俺のナニを手で擦りながら、俺の中まで指で掻き回してくるから、勃ち上がったナニの先端からは、透明な蜜が溢れてきて止まらなかった。
その蜜は光さんに無断で借りているメイド服にも零れてしまっていて、光さんがいないのにこんな服を洗濯して干していたら、頼斗の親が何て言うのかが怖くなってしまう。
だからといって
『うちで洗濯してあげる』
とは言えない。我が家の物干し竿にこんなものが干されていたら、それこそ雪音が目の色を変えて飛びついてきそうだもん。
「にしても、深雪はほんとにエッチで可愛いメイドだな。俺に触られる前からココをこんなにして。口でご奉仕してるだけでも、こんなになるほど気持ち良くなってたのか?」
「んんっ……だって……だってぇ……」
濡れた音を立てながら、俺のナニも中もいっぱい刺激してくる頼斗の手に声が震える俺は、その刺激が物足りなくて、自分の意思とは関係なく腰が揺れてしまっている。
自分のこんなはしたない姿を頼斗に見られたくないと思っているのに、身体の内側から湧き上がってくる欲望の波には逆らえなくて……。
腰を揺らすだけに留まらない俺の口からは
「頼……ご主人様とエッチな事するの……凄く気持ち良くて感じちゃう……から……」
正常な時なら絶対に口にしないような言葉が飛び出していた。
これが俺の本性というか、本心なのかと思うとゾッとする。
気持ちいいという感覚に支配された俺がこんな発言をしてしまうから、雪音や頼斗も俺がセックス好きだと勘違いしちゃうんだろうな。
でも、セックスとは気持ちがいいものだし、性欲は人間の三大欲の一つって言うもん。快楽に抗えないところは、人として正しい姿なんじゃないかって気もしちゃうよね。
「そっか……。深雪は俺とエッチな事をするのが気持ち良くて好きか」
「んっ……好き……大好きっ……」
おいおい。もう自分で「大好き」って言っちゃってるじゃん。これじゃ雪音や頼斗が「勘違いしてる」なんて言えないよね。
今の俺のこの発言は頼斗の耳にもしっかり届いただろうし、頼斗の記憶にも深く刻まれたに違いない。
俺はもう、頼斗の前で「セックス好きじゃない」とは言えなくなっちゃったよ。
「なら、もっといっぱいエッチな事して、いっぱい気持ち良くなろうな。何てったって、深雪が俺から貰いたいご褒美は、いっぱい気持ち良くしてもらうことだもんな」
「う……うん……」
頼斗へのご奉仕が上手にできた俺は、そのご褒美に何をして欲しいのかを頼斗に問われた。
既に気持ちは最高潮に昂ぶり、身体も疼いて仕方が無かった俺は
『今すぐ頼斗が欲しい』
って言いたかったんだけど、それだとあまりにも堪え性が無い気がしちゃって……。
思い止まった俺は
『いっぱい……ご主人様にいっぱい気持ち良くして欲しい……です……』
なんて、潤んだ瞳でおねだりしちゃったんだよね。
今思うと、そんな遠回しなおねだりをするよりも、ストレートに「今すぐ挿れて」と言った方が、潔くて良かった気がするし、変に媚びている感じがしなくて良かったんじゃないかと思う。
明らかに選択を間違えてしまった俺に頼斗は満足そうな顔をして、俺の望み通り、俺の身体にありとあらゆる愛撫と刺激を与えてきて、俺をいっぱい気持ち良くしてくれた。
でも、俺が「いっぱい気持ち良くして欲しい」なんて言ったものだから、そう簡単には俺をイかせるつもりがないようで、頼斗から与えられる愛撫や刺激は、俺にとって物足りないものばかりでもあった。
心の中では「早くイきたい」と思っている俺にとって、イきたいのにイけない刺激と快感というものは生き地獄みたいなものだった。それはもう、ご褒美ではなくお仕置きのようなものだった。
堪え性のない俺は、焦らされれば焦らされるほどに余裕がなくなっていくし、ずっと続く〈気持ちいい〉という感覚に、頭がどうにかなってしまいそうだった。
「で……でも、そろそろ……ぁんっ……そろそろご主人様がっ……」
胸は剥き出しになっていても服は着たままだし、パンツは脱がされていても太腿まであるレースつきのロングソックスは履いたままという中途半端な格好で愛撫される俺は
(一体いつになったら、頼斗はこのメイド服を脱がせてくれるの?)
と心配になってきた。
「ん? 俺が何? ちゃんと言ってくんなきゃわかんないぞ?」
「~……」
俺が言いたいことなんてわかっている癖に。どうやら今日の頼斗は俺に沢山喋らせたいみたいだった。
多分、こんな時でもなきゃ、俺に自分のことを「ご主人様」だなんて呼ばせられないから、俺にそう言わせることを楽しんでいるんだろうな。
頼斗がいつまで経ってもメイド服を脱がせてくれないのも、今日はとことん俺とのメイドごっこを楽しみたいからに違いない。
(ってことは、今日はこのまま頼斗とセックスしちゃうの?)
服を着たままセックスするなんて邪魔臭い気がするけど、穿いているのがズボンではなくスカートであれば、ヤってヤれないことはない。
現に、スカートを捲り上げてパンツを脱がせてしまえば、俺のお尻を遮るものは何もないから、頼斗も俺のナニや中を好きなだけ弄るのに支障がないもん。
よくよく考えてみれば、そもそもコスプレプレイで何を楽しむかと言えば、いつもと違う服を着ているところを楽しむわけだよね?
服を脱いでしまえば、その非日常感がなくなってしまうから、コスプレをした時は服を着たままセックスするのが一般的なのかもしれない。
(つまり、光さんもこの服を着て彼氏と……?)
気まずっ! 何で自分の彼氏のお姉ちゃんが恋人とセックスする時に着ていた服を着て、弟の頼斗とセックスしなくちゃいけないの? 姉弟揃って同じ服でセックスを楽しむとか何なんだよ。見方を変えたら、頼斗がとんでもないシスコンにも思えちゃうよね?
もっとも、頼斗はこの服を光さんが持っているということを知っていただけで、この服を着た光さんの姿を想像したことなんてないんだろうけれど。
「ほらほら、深雪。次はどうして欲しいんだ?」
「ぁんんっ! ぁっ……ゃんっ……ぁっ、んんっ……」
少しでも正気を保っていようと、ついつい余計な事を考えてしまっていた俺は、俺が頼斗とのセックスに集中していないことに気付かれてしまったのか、ナニを扱かれながら中を少し乱暴に掻き回された。
そうされちゃうと本当にイきそうなくらいに気持ち良くなっちゃって、勃ち上がったナニの先端からは、透明な蜜がいっぱい溢れ出した。
でも、まだイけるほどの刺激じゃなくて、それが辛くて苦しくなった俺は
「ご……ご主人様が欲しい……です……。俺の中……ご主人様でいっぱい気持ち良くして欲しい……ですっ……」
半泣き状態で喘ぎながら、頼斗と一つになることを切望した。
「いい子だ。ちゃんとおねだりできたご褒美に、深雪の大好きなものをあげるな」
「んっ……んんっ……」
今日は頼斗から与えられるもの全てが俺へのご褒美になるらしい。
それだと俺がとんでもない淫乱野郎みたいに思えて恥ずかしいんだけど、実際に望んでいることは間違っていないからなぁ……。ご褒美と言われたらご褒美になっちゃうんだよなぁ。
頼斗は俺の中に埋めていた指を引き抜くと、指の代わりに再び熱くなった自分を入り口に押し付けてきて
「深雪はコレが欲しいんだろ?」
視線で「早く……」と訴えている俺を焦らすように確認してきた。
「ん……はい……欲しい……です……」
もう待ちきれなくて、入り口に押し付けられた頼斗のナニを取り込もうとする動きを見せる小さな蕾は、頼斗がそこに触れているだけでも感じてしまうほど敏感になっていた。
結局、メイド服は着たままセックスすることになっちゃうみたいだけど、頼斗と一つになれるのであれば、最早服なんてどうでも良かった。
俺の腰を掴み、ゆっくりと俺の中に挿入ってくる頼斗に、俺は一瞬意識を失ってしまうくらいの快感を覚えた。
「んぁあっ……んっ……ぁっ……ぁんんっ……」
「っ……深雪の中、すげー熱くてとろとろだ……気持ちい……」
「んんっ……ぁんっ……ぁっ……ぁあっ、ん……」
頼斗は俺の中が熱いって言うけど、俺の感覚では俺の中を突き進んでくる頼斗の方がよっぽど熱いと感じた。
既に一回イっているはずなのに、この大きさと硬さ、それに熱さは何なんだろう。頼斗の回復力の早さには度肝を抜いてしまいそうだよ。
「んっ……やべー……深雪の中が気持ち良過ぎて、ちょっとでも気を抜くと、すぐにでもイっちまいそうだ……」
「んんっ……俺も……俺もイっちゃいそ……頼斗っ……」
「こら。そこはご主人様だろ?」
「ぁんんっ……ご……ごめんなさい、ご主人様ぁ……」
頼斗と一つになった今、俺はメイドごっこどころじゃないっていうのに。こんな状況でもそこを気にする余裕がある頼斗は、相変わらず俺にご主人様呼びを強要してきたりする。
「っ……気持ちい? 深雪……」
「んっ……んんっ……気持ちいい……です、ご主人様ぁっ……」
それでも、ちゃんと頼斗の要求に応える俺は。乱れに乱れたメイド服を着たまま頼斗とするセックスに興奮しながら、容赦なく俺の中を掻き回し、突き上げてくる頼斗にただただ喘ぐしかなかった。
今日、学校でメイド服を着せられた時は、人前で女装なんて冗談じゃないと思ったけどさ。
彼氏の前でメイド服を着て、彼氏のことを「ご主人様」なんて呼びながらセックスした経験があれば、人前で女装することなんかどうってことない気分になっちゃうよね。
そういう意味では、ある意味いい練習というか、いい経験になったのかもしれない。
どうやら俺は死ぬほど恥ずかしい思いをすることで、ちょっとだけ度胸というものがつくみたいだった。
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