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第5章 健吾side
第七話
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尚のアパートに着いた時、健吾の心臓は激しく打っていた。
三階建ての鉄筋コンクリートのマンション。
外壁には雨染みが縦に走り、共用廊下の蛍光灯が薄暗く点滅していた。尚は二階に住んでいる。
健吾は錆びた手すりを握りながら階段を上り、尚の部屋の前に立った。
インターホンを押そうとして、手が震えているのに気づく。
七年間の関係の重みが、指先に宿っているようだった。
深呼吸をして、ボタンを押した。
しばらく反応がない。廊下に響くのは、どこかの部屋から漏れるテレビの音と、遠くを走る車の音だけ。
もう一度押す。
「……はい」
尚の声が聞こえた。いつもより弱々しく、まるで息を殺しているような響き。
「健吾だ。話がしたい」
長い沈黙が続いた。
インターホン越しに、尚の戸惑いが伝わってくるようだった。
「……今は無理」
「お願いだ。開けてくれ」
また沈黙。
健吾が諦めかけた時、ドアの内鍵が外れる乾いた音が響いた。
チェーンを外す金属音が、廊下に小さく反響する。
現れた尚を見て、健吾は息を呑んだ。
明らかに痩せている。
頬はややこけ、目の下に濃いクマができている。
普段なら整えられているはずの髪も乱れ、健吾と同じような憔悴の色が顔に刻まれていた。
「どうしたんだ、そんな顔して」
「……入って」
部屋に入ると、健吾は愕然とした。
洗い物が流し台に山積みになり、カーテンは閉め切られたまま。
いつもなら几帳面に整理されている本棚も乱雑で、テーブルの上には薬の空き箱が散らばっている。
尚の部屋に入ったことは数回しかないが、そのいずれも部屋は整然としていた。
今の光景は、まるで別人の部屋のようだ。
「ごめん。最近、調子が悪くて」
尚は力なくソファに座り込んだ。クッションが古くへたって、体が深く沈み込む。
「俺も同じだ。尚と距離を置いてから、体調がおかしい」
健吾の言葉に、尚は驚いたように顔を上げた。その瞳に、かすかな安堵が宿る。
「健吾も?」
「医者に相談した。番の絆の影響だって」
尚の表情が苦しそうに歪んだ。予想していた答えだったのだろう。
「尚、どうして急に距離を置こうとしたんだ? 俺、何かしたか?」
健吾の問いに、尚は長い間黙っていた。
窓の外から、子供の声と自転車のベルの音が聞こえる。
日常の音が、部屋の重い空気と対照的だった。そして、震え声で答えた。
「健吾は……僕のことを愛してない」
その言葉に、健吾は息が詰まった。
予想していたことなのに、実際に口にされると胸に重いものが落ちる。
「七年前に、分かってたことなのに……でも最近、これ以上続けられないって思うようになった」
「尚……」
「健吾は僕を愛してない。それなのに、番としての絆で無理やり繋がってる」
尚の声は次第に大きくなった。七年間溜め込んできた感情が、堰を切ったように溢れ出す。
「こんな関係、意味がないんじゃないかって、そればかり考えてた」
健吾は尚の苦痛に満ちた表情を見つめながら、自分の中の何かが音を立てて崩れていくのを感じていた。責任という名の鎖が、二人を苦しめていただけだったのかもしれない。
「尚、俺は……」
健吾が言いかけた時、尚が手を上げて制した。
その手も、以前より細くなっている。
「もう言わないで。『責任がある』とか『守らなければならない』とか、そういう言葉はもう聞きたくない」
尚の瞳から涙がこぼれた。七年間の重荷が、ついに限界を迎えている。
「僕は健吾の義務じゃない。責任の対象でもない」
その言葉に、健吾は胸を突かれた。
確かに、自分は今まで責任感だけで尚と関わってきた。愛ではなく、義務として。
「でも……」
「七年間、お互いに我慢して、義務感だけで繋がってて……これって本当に正しいの?」
健吾は答えられなかった。正しさという言葉の前で、すべての言い訳が無力になる。
「僕、もう疲れた」
尚の声は小さく、諦めに満ちていた。
「愛し合っているわけじゃないのに、それでも番だから一緒にいなければならない。他の誰も一番にはできない。ねえ、こんな関係、続ける意味があるの?」
健吾は尚の姿を見つめていた。
七年間、尚がどれほど孤独で苦しい時間を過ごしてきたか、今になって理解できた。
自分と同じように、愛のない関係に縛られて。
「尚……俺は君に謝らなければならない」
健吾の言葉に、尚がかすかに振り返った。
「謝らないで。健吾は何も悪いことしてない」
「でも、尚をこんなに苦しませて……」
「事故だったから。誰のせいでもない」
尚は涙を拭いながら続けた。その仕草が、昔の尚を思い出させる。
「でも、このまま続けることはできない。僕たち、番を解消した方がいいんじゃない?」
その言葉を聞いた瞬間、健吾は複雑な感情に襲われた。
安堵と同時に、何かを失う寂しさ。そして、意外にも強い抵抗感。
七年間の歳月が、愛とは違う形の絆を作り上げていたのかもしれない。
「番の解消……。それは、尚への負担が大きいんじゃないか?」
「病院で相談した。お互いに納得しての番解消なら、むしろ今の症状より良くなる可能性もあるって。でも、もちろんリスクもあるし、一時的に今より悪化することもある」
尚の声は震えていた。この決断がどれほど勇気を要したか、健吾には痛いほど分かる。
「もちろん、健吾が嫌なら強制はできない。どっちみち僕からは番解消できない。でも、僕はもう限界」
健吾は尚の言葉を聞きながら、自分の心の奥を覗き込んでいた。
番を解消すること。
それは確かに合理的な判断かもしれない。お互いに自由になれる。新しい人生を歩める。
でも、なぜか強い抵抗を感じる。それは単なる責任感なのか、それとも――
「少し時間をもらえるかな」
健吾がそう言うと、尚は安堵したように頷いた。
「もちろん。急ぐ必要はない」
「でも、このまま体調を悪化させるわけにはいかない。定期的に連絡は取ろう」
「……うん」
健吾は立ち上がった。部屋の空気が、わずかに軽くなったような気がする。
「今日はありがとう。話せて良かった」
「僕も」
尚の表情に、久しぶりに穏やかな色が浮かんだ。
部屋を出る時、健吾は振り返った。
「尚、君は良い友人だ。尚に幸せになってほしいと思ってる」
「僕もそう思ってる」
階段を降りながら、健吾の心は嵐のように揺れていた。
番を解消すれば、お互いに新しい人生を歩める。
尚も、自分を本当に愛してくれる人を見つけられるかもしれない。そして自分も――
一階に降りると、約束通りコンビニの前で蛍が待っていた。
街灯の下で本を読んでいたが、健吾に気づくと心配そうな表情で立ち上がる。
「お疲れ様。どうだった?」
蛍の優しい声に、健吾は少し救われた気持ちになった。
この人がいてくれる。それだけで、混乱した心に一筋の光が差す。
「色々と……話せた」
健吾はそれ以上詳しく話さなかった。蛍も詳細を聞こうとはしなかった。その配慮が、今の健吾には何よりありがたい。
駅へ向かう足取りはまだたどたどしい。頭の中は尚との会話で一杯で、未来への道筋も見えない。
それでも、蛍のそばにいると呼吸が整う――その事実だけは、混乱の中ではっきりしていた。
三階建ての鉄筋コンクリートのマンション。
外壁には雨染みが縦に走り、共用廊下の蛍光灯が薄暗く点滅していた。尚は二階に住んでいる。
健吾は錆びた手すりを握りながら階段を上り、尚の部屋の前に立った。
インターホンを押そうとして、手が震えているのに気づく。
七年間の関係の重みが、指先に宿っているようだった。
深呼吸をして、ボタンを押した。
しばらく反応がない。廊下に響くのは、どこかの部屋から漏れるテレビの音と、遠くを走る車の音だけ。
もう一度押す。
「……はい」
尚の声が聞こえた。いつもより弱々しく、まるで息を殺しているような響き。
「健吾だ。話がしたい」
長い沈黙が続いた。
インターホン越しに、尚の戸惑いが伝わってくるようだった。
「……今は無理」
「お願いだ。開けてくれ」
また沈黙。
健吾が諦めかけた時、ドアの内鍵が外れる乾いた音が響いた。
チェーンを外す金属音が、廊下に小さく反響する。
現れた尚を見て、健吾は息を呑んだ。
明らかに痩せている。
頬はややこけ、目の下に濃いクマができている。
普段なら整えられているはずの髪も乱れ、健吾と同じような憔悴の色が顔に刻まれていた。
「どうしたんだ、そんな顔して」
「……入って」
部屋に入ると、健吾は愕然とした。
洗い物が流し台に山積みになり、カーテンは閉め切られたまま。
いつもなら几帳面に整理されている本棚も乱雑で、テーブルの上には薬の空き箱が散らばっている。
尚の部屋に入ったことは数回しかないが、そのいずれも部屋は整然としていた。
今の光景は、まるで別人の部屋のようだ。
「ごめん。最近、調子が悪くて」
尚は力なくソファに座り込んだ。クッションが古くへたって、体が深く沈み込む。
「俺も同じだ。尚と距離を置いてから、体調がおかしい」
健吾の言葉に、尚は驚いたように顔を上げた。その瞳に、かすかな安堵が宿る。
「健吾も?」
「医者に相談した。番の絆の影響だって」
尚の表情が苦しそうに歪んだ。予想していた答えだったのだろう。
「尚、どうして急に距離を置こうとしたんだ? 俺、何かしたか?」
健吾の問いに、尚は長い間黙っていた。
窓の外から、子供の声と自転車のベルの音が聞こえる。
日常の音が、部屋の重い空気と対照的だった。そして、震え声で答えた。
「健吾は……僕のことを愛してない」
その言葉に、健吾は息が詰まった。
予想していたことなのに、実際に口にされると胸に重いものが落ちる。
「七年前に、分かってたことなのに……でも最近、これ以上続けられないって思うようになった」
「尚……」
「健吾は僕を愛してない。それなのに、番としての絆で無理やり繋がってる」
尚の声は次第に大きくなった。七年間溜め込んできた感情が、堰を切ったように溢れ出す。
「こんな関係、意味がないんじゃないかって、そればかり考えてた」
健吾は尚の苦痛に満ちた表情を見つめながら、自分の中の何かが音を立てて崩れていくのを感じていた。責任という名の鎖が、二人を苦しめていただけだったのかもしれない。
「尚、俺は……」
健吾が言いかけた時、尚が手を上げて制した。
その手も、以前より細くなっている。
「もう言わないで。『責任がある』とか『守らなければならない』とか、そういう言葉はもう聞きたくない」
尚の瞳から涙がこぼれた。七年間の重荷が、ついに限界を迎えている。
「僕は健吾の義務じゃない。責任の対象でもない」
その言葉に、健吾は胸を突かれた。
確かに、自分は今まで責任感だけで尚と関わってきた。愛ではなく、義務として。
「でも……」
「七年間、お互いに我慢して、義務感だけで繋がってて……これって本当に正しいの?」
健吾は答えられなかった。正しさという言葉の前で、すべての言い訳が無力になる。
「僕、もう疲れた」
尚の声は小さく、諦めに満ちていた。
「愛し合っているわけじゃないのに、それでも番だから一緒にいなければならない。他の誰も一番にはできない。ねえ、こんな関係、続ける意味があるの?」
健吾は尚の姿を見つめていた。
七年間、尚がどれほど孤独で苦しい時間を過ごしてきたか、今になって理解できた。
自分と同じように、愛のない関係に縛られて。
「尚……俺は君に謝らなければならない」
健吾の言葉に、尚がかすかに振り返った。
「謝らないで。健吾は何も悪いことしてない」
「でも、尚をこんなに苦しませて……」
「事故だったから。誰のせいでもない」
尚は涙を拭いながら続けた。その仕草が、昔の尚を思い出させる。
「でも、このまま続けることはできない。僕たち、番を解消した方がいいんじゃない?」
その言葉を聞いた瞬間、健吾は複雑な感情に襲われた。
安堵と同時に、何かを失う寂しさ。そして、意外にも強い抵抗感。
七年間の歳月が、愛とは違う形の絆を作り上げていたのかもしれない。
「番の解消……。それは、尚への負担が大きいんじゃないか?」
「病院で相談した。お互いに納得しての番解消なら、むしろ今の症状より良くなる可能性もあるって。でも、もちろんリスクもあるし、一時的に今より悪化することもある」
尚の声は震えていた。この決断がどれほど勇気を要したか、健吾には痛いほど分かる。
「もちろん、健吾が嫌なら強制はできない。どっちみち僕からは番解消できない。でも、僕はもう限界」
健吾は尚の言葉を聞きながら、自分の心の奥を覗き込んでいた。
番を解消すること。
それは確かに合理的な判断かもしれない。お互いに自由になれる。新しい人生を歩める。
でも、なぜか強い抵抗を感じる。それは単なる責任感なのか、それとも――
「少し時間をもらえるかな」
健吾がそう言うと、尚は安堵したように頷いた。
「もちろん。急ぐ必要はない」
「でも、このまま体調を悪化させるわけにはいかない。定期的に連絡は取ろう」
「……うん」
健吾は立ち上がった。部屋の空気が、わずかに軽くなったような気がする。
「今日はありがとう。話せて良かった」
「僕も」
尚の表情に、久しぶりに穏やかな色が浮かんだ。
部屋を出る時、健吾は振り返った。
「尚、君は良い友人だ。尚に幸せになってほしいと思ってる」
「僕もそう思ってる」
階段を降りながら、健吾の心は嵐のように揺れていた。
番を解消すれば、お互いに新しい人生を歩める。
尚も、自分を本当に愛してくれる人を見つけられるかもしれない。そして自分も――
一階に降りると、約束通りコンビニの前で蛍が待っていた。
街灯の下で本を読んでいたが、健吾に気づくと心配そうな表情で立ち上がる。
「お疲れ様。どうだった?」
蛍の優しい声に、健吾は少し救われた気持ちになった。
この人がいてくれる。それだけで、混乱した心に一筋の光が差す。
「色々と……話せた」
健吾はそれ以上詳しく話さなかった。蛍も詳細を聞こうとはしなかった。その配慮が、今の健吾には何よりありがたい。
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