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2日目
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天国の遣いになったけど、いつも通りの朝を迎えた。
使用人として早起きをするけれど、ゆっくり朝食を摂って、温かい飲み物をいただきながら読書をしたりとか、落ち着く時間くらいはあるんだ。
昨日から始まったオレの長生きのためのチャレンジ2日目。
突然覚醒してしまったチートのオレ君、メンタルはチートにならなかったのが残念だよ。
昨日みたいに急に指令出されても心も体も対応しきれないので、いつも通りの朝を迎えた今、今日の行動予定を先に確認したい。
お願い、チートな鑑定、ナビ様!
今日もよろしくお願いしまーす!
という縋る気持ちでお願いすると、ピロンとウィンドウがちゃんと出てきた。
「ふぅ」
安心してため息でちゃったよ。
昨日の出来事はやっぱり夢じゃなかったんだね。
2日目
子爵から手紙を受け取る
起床時間が遅くなったことを次期さまに報告
昼食後、外出
馬と厩番と仲良くなる
ギルドに行く
ざっと簡単に行動予定を見るとこうだった。
なんで馬たちと仲良くしなくちゃいけないのか、謎だけど。
いや、ナビの情報を全て細かく読めば理由はわかるんだけど、文章が長すぎてピンポイントに読みたいところがスっと見つからないんだ・・・・・・
緊張していると文字が頭に入ってこないことってあるよね。
さて、まだ落ち着く時間はある。
いつ何時も何が起きても良いように、チートになった収納スキルを試してみたい!
ナビによると、普通の収納スキルは手に触れないと収納できないのだが、オレの覚醒しちゃった収納スキルは、視界に入っていれば念じるだけで収納できてしまうのだそうだ。
すげーな!
では早速、オレの私物を全部収納しちゃおう!
小さなチェストの引き出しを開けて、引き出しの中の物全部収納!と念じる。
すると、次の瞬間、本当に触っていないのに消えてしまった。
お~
次の引き出しを開けて、今度は数歩下がり、同じように念じる。
するとさっきと同じように消えてしまった。
おお~
次の引き出しは、そこから1番遠いい壁まで下がって念じてみた。
やはり同じように引き出しの中身が消えた、いや、収納スキルで収納されてしまったのだ。
おおお~!
距離があっても視界に入っていればいいんだね!
つい楽しくなって両手を広げ、部屋の端から端まで、私物を指差してどんどん収納していった。
もちろん隠し金庫に入っているオレのお金もね!
おかげで部屋が殺風景になっちゃった。
鏡の前に置きっぱなしにしていたヘアブラシも収納しちゃったからね。
これからは使う時に手に出して、使い終わったらすぐに収納すればいいだけだ。
そうそう、視界に入ってなくても触っていれば収納できる機能は失われてなかったよ。
「床のゴミを全部収納!」
糸くずや抜け毛のゴミがいっぺんに収納されて、再び念じてゴミ箱に出して捨てた。
毎朝の掃除もこれで楽ちんだね!
チートって最高!
魔法って楽しー!
ちょっと浮かれすぎてしまったけど、時間になったので気を引き締めて今日を精一杯生きていきましょう。
AM7時
いつも通りの時間に子爵の部屋に伺い、起床の支度をする。
それは毎日のことなので誰かとすれ違っても問題ない。
堂々といつものように振る舞って、タオルや着替えを用意する。
多少は人の目が気になるけど、鑑定で敵か味方か見分けることもできるからちょっとは安心だ。
「おはようございます」
いつものように子爵の部屋に入室して声をかける。
しかしいつものように返事は返ってこない。
それもそのはず、11時までは寝たふりをするようにオレが指示したんだ。
素晴らしい演技力ですよ!子爵様!
「子爵様、アトラスです。お手紙はできておりますでしょうか」
すると子爵はゆっくりと目を開け、オレを確認した。
「おはよう。ああ、指示通りに出来たとも」
枕の下から取り出した手紙を受け取ると、それはしっかりと封蝋がされていた。
勝手に鑑定が発動。
これは子爵家の家紋だ。
子爵の指に収まったままの立派な指輪に仕掛けがあって、表面の青い宝石をキャップのようにくるくる回すとはずれて、シーリングスタンプが出てくるのだそうだ。
「必ず手渡しするように」
え!!!
子爵の一言に驚きすぎて危うく声が出てしまうところだった。
天国の遣いが驚くとかないよな。
でも驚くだろ!オレが手渡しするってことになっちゃったけど、大丈夫なのか!?侯爵家になんて行ったことないんだけど!
内心慌てているオレに、ナビが次のセリフを早く言えといわんばかりにウィンドウを出してきた。
「承知しました。お預かりいたします。」
魔法で手紙を収納して、これで紛失しないし奪われもしない。
手紙が消えたのを見た子爵はしっかり驚いてくれたよ。
オレも感情を出したいよ!
感情を押し殺して平然とした演技をするってツライ!!!
「では、子爵様は引き続き11時頃まで寝たふりをしてください。
私は1時間おきに起床の支度伺いに参ります。」
子爵は頷くとゆっくり目を閉じた。
少し乱れた掛布を直してから退室。
子爵の朝食はどうしたらいいんだ?
使用人として早起きをするけれど、ゆっくり朝食を摂って、温かい飲み物をいただきながら読書をしたりとか、落ち着く時間くらいはあるんだ。
昨日から始まったオレの長生きのためのチャレンジ2日目。
突然覚醒してしまったチートのオレ君、メンタルはチートにならなかったのが残念だよ。
昨日みたいに急に指令出されても心も体も対応しきれないので、いつも通りの朝を迎えた今、今日の行動予定を先に確認したい。
お願い、チートな鑑定、ナビ様!
今日もよろしくお願いしまーす!
という縋る気持ちでお願いすると、ピロンとウィンドウがちゃんと出てきた。
「ふぅ」
安心してため息でちゃったよ。
昨日の出来事はやっぱり夢じゃなかったんだね。
2日目
子爵から手紙を受け取る
起床時間が遅くなったことを次期さまに報告
昼食後、外出
馬と厩番と仲良くなる
ギルドに行く
ざっと簡単に行動予定を見るとこうだった。
なんで馬たちと仲良くしなくちゃいけないのか、謎だけど。
いや、ナビの情報を全て細かく読めば理由はわかるんだけど、文章が長すぎてピンポイントに読みたいところがスっと見つからないんだ・・・・・・
緊張していると文字が頭に入ってこないことってあるよね。
さて、まだ落ち着く時間はある。
いつ何時も何が起きても良いように、チートになった収納スキルを試してみたい!
ナビによると、普通の収納スキルは手に触れないと収納できないのだが、オレの覚醒しちゃった収納スキルは、視界に入っていれば念じるだけで収納できてしまうのだそうだ。
すげーな!
では早速、オレの私物を全部収納しちゃおう!
小さなチェストの引き出しを開けて、引き出しの中の物全部収納!と念じる。
すると、次の瞬間、本当に触っていないのに消えてしまった。
お~
次の引き出しを開けて、今度は数歩下がり、同じように念じる。
するとさっきと同じように消えてしまった。
おお~
次の引き出しは、そこから1番遠いい壁まで下がって念じてみた。
やはり同じように引き出しの中身が消えた、いや、収納スキルで収納されてしまったのだ。
おおお~!
距離があっても視界に入っていればいいんだね!
つい楽しくなって両手を広げ、部屋の端から端まで、私物を指差してどんどん収納していった。
もちろん隠し金庫に入っているオレのお金もね!
おかげで部屋が殺風景になっちゃった。
鏡の前に置きっぱなしにしていたヘアブラシも収納しちゃったからね。
これからは使う時に手に出して、使い終わったらすぐに収納すればいいだけだ。
そうそう、視界に入ってなくても触っていれば収納できる機能は失われてなかったよ。
「床のゴミを全部収納!」
糸くずや抜け毛のゴミがいっぺんに収納されて、再び念じてゴミ箱に出して捨てた。
毎朝の掃除もこれで楽ちんだね!
チートって最高!
魔法って楽しー!
ちょっと浮かれすぎてしまったけど、時間になったので気を引き締めて今日を精一杯生きていきましょう。
AM7時
いつも通りの時間に子爵の部屋に伺い、起床の支度をする。
それは毎日のことなので誰かとすれ違っても問題ない。
堂々といつものように振る舞って、タオルや着替えを用意する。
多少は人の目が気になるけど、鑑定で敵か味方か見分けることもできるからちょっとは安心だ。
「おはようございます」
いつものように子爵の部屋に入室して声をかける。
しかしいつものように返事は返ってこない。
それもそのはず、11時までは寝たふりをするようにオレが指示したんだ。
素晴らしい演技力ですよ!子爵様!
「子爵様、アトラスです。お手紙はできておりますでしょうか」
すると子爵はゆっくりと目を開け、オレを確認した。
「おはよう。ああ、指示通りに出来たとも」
枕の下から取り出した手紙を受け取ると、それはしっかりと封蝋がされていた。
勝手に鑑定が発動。
これは子爵家の家紋だ。
子爵の指に収まったままの立派な指輪に仕掛けがあって、表面の青い宝石をキャップのようにくるくる回すとはずれて、シーリングスタンプが出てくるのだそうだ。
「必ず手渡しするように」
え!!!
子爵の一言に驚きすぎて危うく声が出てしまうところだった。
天国の遣いが驚くとかないよな。
でも驚くだろ!オレが手渡しするってことになっちゃったけど、大丈夫なのか!?侯爵家になんて行ったことないんだけど!
内心慌てているオレに、ナビが次のセリフを早く言えといわんばかりにウィンドウを出してきた。
「承知しました。お預かりいたします。」
魔法で手紙を収納して、これで紛失しないし奪われもしない。
手紙が消えたのを見た子爵はしっかり驚いてくれたよ。
オレも感情を出したいよ!
感情を押し殺して平然とした演技をするってツライ!!!
「では、子爵様は引き続き11時頃まで寝たふりをしてください。
私は1時間おきに起床の支度伺いに参ります。」
子爵は頷くとゆっくり目を閉じた。
少し乱れた掛布を直してから退室。
子爵の朝食はどうしたらいいんだ?
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