異世界で平和ボケしてたオレのドタバタ七日間

ぐるぐる

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アニマルセラピー?

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まだ2日目が終わらない・・・・・・




お馬さんぱっかぱっか
かっこいいなー!
人参あるよぉ~
よっといで~

みんなお腹いっぱいなんだろうなあ
一頭も来てくれなかった。

先へと歩いていくとナビの矢印が刺さっている馬がいた。
なんでそんな目的の馬がいるわけ?
アニマルテラピーに適した馬ってことかな?
しかし、癒しではなく威圧を与えてくるようなごつい馬だった。
顔はかっこいいんだけど、他の馬よりデカくて筋肉かたそう!
鼻息も凄かった。

「そこのお馬さーん!オレの人参あげるよぉ良かったら食べてー!」

近寄れば近寄るほどに迫力のあるデカさ!
オレが10才でまだ背が低いから余計に迫力を感じる。
でも男爵家にいた馬達よりも大きいよ!
久しぶりに馬と触れ合えるなんて嬉しいなぁ

『おい、お前。その人参はキレイに洗ってあるんだろうなぁ?』

これまたドスのきいた太い声。
誰?
さっきの怖い人とは違う怖い人がいるの???
でも声だけで、姿が見えないから怖くない!

「洗ってあると思いますが、今ここでキレイに洗いますよー!」

生活魔法で水を出してゴシゴシ洗うと人参は瑞々しく見えた。

『ヒヒン・・・・・・なかなか良い魔力の匂いだ。食べてやるからこちらへ差し出せ』



言っていることがちょっと理解できなくて頭にはてなマークが生えてしまったけど、ゴツい馬が来て顔を下げてきたので、人参を捧げた。

バリボリバリボリ

『うーん!うまー!』

「ははは!馬だけにうまー!ですか!それはうまいですねぇ!」

『そうだろうそうだろう。もっとお前の水も寄越せ!』

「はいはい、どうぞどうぞ。わわわ!オレの手は食べないでよ!?」

あれ!?
会話が成立しちゃってない?

周りを見渡してみても人間はオレひとりだけで、ぱらぱらと馬たちがいる。
怖い人2人目なんて見当たらない・・・・・・

『ところでお前、名前はなんだ?』

困惑し始めたオレ。
もしかしてこれは、この馬が喋っているのか!?
喋る馬なんているの!?

「オレはアトラスです・・・・・・」

とりあえず質問に答えてみた。

『アトラスか!この馬様はジャーキー号という名前だ!
 また明日もこいよ。馬と会話ができる人間なんて初めてだぜ!
 ヒヒーン!』

「はぁ!?」

やっぱりオレは馬と会話していた!
こ、これは、チートになった言語理解のスキル・・・・・・

まさか動物と会話ができる日が来るとは思わなかった。

嬉しすぎる!!!!!!

ジャーキー号に許可を得て立派な体を触らせてもらって、不思議なアニマルテラピー体験した。
言葉がわかると怖くないね。
今度はブラッシングさせてくれるって。
明日の約束をしてオレは配達屋へと出発。

今度はギルドに行くんだっけ。
冒険者ギルド。
ふむふむ、ここで冒険者を雇って子爵様の手紙を公爵様へ手渡ししてくれる人を雇うんだな?きっとそうだ!

オレは用心深くフードをぎゅっと深く被って、ギルドへ入って行った。
ザワザワと騒がしかった。
時刻は昼過ぎで、冒険者はお仕事に出払っているはずなんだけど、なんでこんなに人がいるんだ?

お陰でオレはそんなに目立つことなく中へ入れた。
冒険者ギルとといえば、そこにもテンプレというものがあるからね。
気をつけなくちゃいけない。
ほんとに人が多くてちょっとなかなか奥へ進めませんよ!?

ザワザワ

「あの森にやべー大型魔獣がでたんだって?」
「今朝から立ち入り禁止だとよ。まだ解除されないのか?」
「近隣のギルドに連絡して高ランクの冒険者にきてもらうんだとよ」
「ここでも協力してくれる冒険者を募ってるんだが、どうする?」
「領主にも連絡して応援依頼してるってさ」
「こりゃ討伐までかかりそうだなぁ」
「住民の避難誘導の役割ってやつもあるってよー」

ザワザワ

雲行きの怪しい噂話にオレの心もザワザワ。

やべー大型魔獣ってなに???
なんていう名前なのかな???
聞いてわかるかわからないけど、ぜひ教えてほしいなー

あーギルドのクルー達みんなバタバタあたふたしてるわ。
話しかけられる空気じゃない。

ナビも次の目的地、配達屋へ行けって言ってるから、よし、立ち去ろう。

クワバラクワバラ


週一で手紙を出しているからすっかり常連になった配達屋さん。
ナビはここでオレの手紙だけ出すように指示をしてきた。
あの時の子爵の一言が蘇る・・・・・・『必ず手渡しするように』

冒険者ギルドでは噂話だけ聞いて出てきて、お手紙配達の依頼を出していない。
この配達屋さんにも出さない。

え?

オレか?オレが届けにいくのか?
まさかのまさかだよね!?
ナビは答えない。

沈黙は肯定なんだぞ!!!


また明日ジャーキー号に会いに行くし、きっと明日ギルドで依頼を出すってことだよね!?
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