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侯爵家ってスゴイ
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ジリリリリリリリリリリリリ!!!
けたたましく鳴る目覚ましの音に飛び起きると、軽く頭痛に見舞われた。
魔力枯渇の症状だ。
長時間気絶してたのにまだ完全に回復してないようだ。
「あたたたた……」
柔らかいベッドの上で目覚めたことは有り難かった。
頭を抱えているオレにナビは急かしてくる。
現在の時刻 18:00
侯爵との晩餐及び会談 20:00
侯爵邸出発最終時刻 3:00
子爵邸到着時刻 12:00
次期さま帰宅予定時刻 17:00
子爵邸にオレが着く時間が12時で、次期さまが17時ならもう少しゆっくりしたいところだけど、その間の5時間にやる事があるみたい…
行きに魔力枯渇で倒れてるんだから帰りも同じことになるしね。
その5時間で回復とやる事諸々をやらなきゃいけないと思うと…休める時間が行きよりない気がする…
心身ともに過酷!!
ひとり悲しんでいるオレにナビは容赦ない。
さっさと風呂入れ!身支度整えろ!と次々とアラームかけてくる。
オレは自分に鞭打って起き上がり、こちらの邸の使用人の方々に入浴や侯爵様への会談をお願いした。
入浴では侯爵家の使用人の方々が、突然訪問してきた小僧にもかかわらず、とても丁寧にオレの全てを洗ってくれた。
侯爵家ってスゴイ。
抗おうとしていたオレを無視して何から何まで……マッサージね!
気持ち良過ぎて寝ちゃったよ。
湯上がりにと、お茶の代わりに魔力回復薬をいただき、魔力も全快!マッサージで心身も全快!
リセットされて元気な自分に戻った気がする。
晩餐で、オレは侯爵様とちゃんとした顔合わせした。
優しさの中に厳しさのある眼差しで見つめられて、「お前は何者だ」と見定められてるようで緊張した。
子爵様はお手紙にオレの事をなんて書いたのだろう。
侯爵様はオレについて色々きいてきたけど、オレはナビにより、侯爵様は信用できる方だとわかっていたからなんでも答えた。
無理やり愛する家族と離されて次期様に拉致のように子爵家に連れて行かれた事も話した。
「男爵家三男の割には所作がキレイだ。高位貴族のようだ。」とめちゃくちゃ褒められた!
実家の株が上がるのは嬉しいね!
でも、うん、所作がキレイなのは…オレの他に両親と長男だけだな。
そしていよいよ本題だ!
食後に場所を変えて、紅茶をいただきながらの会談。
オレは天国の遣いとしての演技をして、まっすぐ侯爵様の目を見た。
少しブルーがかったグレーの瞳だった。
「子爵様が、養子にとられた方、次期子爵様にお命を狙われています」
そこから始まって、オレはこれまでの経緯と、これからの予定、オレの行動予定までお話をして、侯爵様のお力添えを嘆願した。
全てを話し終えて、侯爵様のお言葉を待つ。
といってもナビのセリフを全部読んだだけだから、全然頭を使わなくて、そこんところは楽だった。
やがて侯爵様は大きく首肯した。
「子爵からの手紙とお前の話は一致している。
私の元へ届いている後継ぎについての情報もある。
確かな証拠を入手することができるなら、手を貸そう。」
「感謝します」
完璧なナビの計画だから、侯爵様が助けてくれることは確実だったんだろうけど、お言葉をいただいて本当に安堵した。
オレの家族の命もかかってるからね!
「それから」
え、まだなんかあったっけ???
「背中の傷や頬の腫れは誰に?」
頬の腫れなんてほぼ治ってるのに、わずかな腫れにも気づいていたってスゴイ。
侯爵様、スゴイ。
なんと、さらに!
入浴、マッサージ中に背中の傷に気づいた使用人が医師を呼んで、診断書を書いてくださったのだと。
侯爵家って、スゴイ。
背中はアザくらいかなと思いきや、傷になっていたことにも驚きだ。
ヒールって本当に凶器なんだね・・・・・・
「次期子爵様の恋人であるメイドです」
「その後継ぎの恋人とやらは貴族なのか?」
「あの者は確か、平民だったかと思います。」
「そうか、その女も罪に問おう。
平民が男爵家子息に危害を加えるとはな。
真偽のほどはわからないが、お前は天の遣いであるし、天罰が下るか、この国の法では不敬罪で、死罪にあたる。
お前が手を下すか?」
え!オレが人を裁くだって!?
恨みはあるけど、そんなの無理に決まってる!
内心焦りながらも、笑みを崩さずに答えた。
「いえ、特には」
「ふん、天は人間に甘いのだな。」
その辺は・・・・・・ゾンジマセン
ということで、次期さまとあの女も、次期さまの息のかかった使用人たちもみんなまとめて侯爵様が処罰してくださることになった。
実は、森に出現した大型魔獣の討伐に、侯爵様の騎士団の一部が手助けに出ていたそうで、なんと今日のうちに無事に討伐完了したと魔法によるお手紙、マジックレターで連絡があったらしい。
オレが到着した後だったため、まだ現地にて待機させていてくれたのだと。
オレが子爵邸に帰り、次期さまの悪事の証拠を押さえたら、子爵邸の周辺に待機している騎士に証拠を渡し、侯爵様の合図によって次期さまたちを取り押さえてくれることになった。
侯爵様がそのように指示してくださったけど、それもこれも全部オレのナビの言う通りになったのだ。
良かった良かった。
けたたましく鳴る目覚ましの音に飛び起きると、軽く頭痛に見舞われた。
魔力枯渇の症状だ。
長時間気絶してたのにまだ完全に回復してないようだ。
「あたたたた……」
柔らかいベッドの上で目覚めたことは有り難かった。
頭を抱えているオレにナビは急かしてくる。
現在の時刻 18:00
侯爵との晩餐及び会談 20:00
侯爵邸出発最終時刻 3:00
子爵邸到着時刻 12:00
次期さま帰宅予定時刻 17:00
子爵邸にオレが着く時間が12時で、次期さまが17時ならもう少しゆっくりしたいところだけど、その間の5時間にやる事があるみたい…
行きに魔力枯渇で倒れてるんだから帰りも同じことになるしね。
その5時間で回復とやる事諸々をやらなきゃいけないと思うと…休める時間が行きよりない気がする…
心身ともに過酷!!
ひとり悲しんでいるオレにナビは容赦ない。
さっさと風呂入れ!身支度整えろ!と次々とアラームかけてくる。
オレは自分に鞭打って起き上がり、こちらの邸の使用人の方々に入浴や侯爵様への会談をお願いした。
入浴では侯爵家の使用人の方々が、突然訪問してきた小僧にもかかわらず、とても丁寧にオレの全てを洗ってくれた。
侯爵家ってスゴイ。
抗おうとしていたオレを無視して何から何まで……マッサージね!
気持ち良過ぎて寝ちゃったよ。
湯上がりにと、お茶の代わりに魔力回復薬をいただき、魔力も全快!マッサージで心身も全快!
リセットされて元気な自分に戻った気がする。
晩餐で、オレは侯爵様とちゃんとした顔合わせした。
優しさの中に厳しさのある眼差しで見つめられて、「お前は何者だ」と見定められてるようで緊張した。
子爵様はお手紙にオレの事をなんて書いたのだろう。
侯爵様はオレについて色々きいてきたけど、オレはナビにより、侯爵様は信用できる方だとわかっていたからなんでも答えた。
無理やり愛する家族と離されて次期様に拉致のように子爵家に連れて行かれた事も話した。
「男爵家三男の割には所作がキレイだ。高位貴族のようだ。」とめちゃくちゃ褒められた!
実家の株が上がるのは嬉しいね!
でも、うん、所作がキレイなのは…オレの他に両親と長男だけだな。
そしていよいよ本題だ!
食後に場所を変えて、紅茶をいただきながらの会談。
オレは天国の遣いとしての演技をして、まっすぐ侯爵様の目を見た。
少しブルーがかったグレーの瞳だった。
「子爵様が、養子にとられた方、次期子爵様にお命を狙われています」
そこから始まって、オレはこれまでの経緯と、これからの予定、オレの行動予定までお話をして、侯爵様のお力添えを嘆願した。
全てを話し終えて、侯爵様のお言葉を待つ。
といってもナビのセリフを全部読んだだけだから、全然頭を使わなくて、そこんところは楽だった。
やがて侯爵様は大きく首肯した。
「子爵からの手紙とお前の話は一致している。
私の元へ届いている後継ぎについての情報もある。
確かな証拠を入手することができるなら、手を貸そう。」
「感謝します」
完璧なナビの計画だから、侯爵様が助けてくれることは確実だったんだろうけど、お言葉をいただいて本当に安堵した。
オレの家族の命もかかってるからね!
「それから」
え、まだなんかあったっけ???
「背中の傷や頬の腫れは誰に?」
頬の腫れなんてほぼ治ってるのに、わずかな腫れにも気づいていたってスゴイ。
侯爵様、スゴイ。
なんと、さらに!
入浴、マッサージ中に背中の傷に気づいた使用人が医師を呼んで、診断書を書いてくださったのだと。
侯爵家って、スゴイ。
背中はアザくらいかなと思いきや、傷になっていたことにも驚きだ。
ヒールって本当に凶器なんだね・・・・・・
「次期子爵様の恋人であるメイドです」
「その後継ぎの恋人とやらは貴族なのか?」
「あの者は確か、平民だったかと思います。」
「そうか、その女も罪に問おう。
平民が男爵家子息に危害を加えるとはな。
真偽のほどはわからないが、お前は天の遣いであるし、天罰が下るか、この国の法では不敬罪で、死罪にあたる。
お前が手を下すか?」
え!オレが人を裁くだって!?
恨みはあるけど、そんなの無理に決まってる!
内心焦りながらも、笑みを崩さずに答えた。
「いえ、特には」
「ふん、天は人間に甘いのだな。」
その辺は・・・・・・ゾンジマセン
ということで、次期さまとあの女も、次期さまの息のかかった使用人たちもみんなまとめて侯爵様が処罰してくださることになった。
実は、森に出現した大型魔獣の討伐に、侯爵様の騎士団の一部が手助けに出ていたそうで、なんと今日のうちに無事に討伐完了したと魔法によるお手紙、マジックレターで連絡があったらしい。
オレが到着した後だったため、まだ現地にて待機させていてくれたのだと。
オレが子爵邸に帰り、次期さまの悪事の証拠を押さえたら、子爵邸の周辺に待機している騎士に証拠を渡し、侯爵様の合図によって次期さまたちを取り押さえてくれることになった。
侯爵様がそのように指示してくださったけど、それもこれも全部オレのナビの言う通りになったのだ。
良かった良かった。
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