禁断の愛～初恋の人が義父になりました～

朝

「おはよう、メアリー」
「おはよう、パパ」


メアリーは昨夜見たリチャードの姿が頭から離れず、なかなか寝れない夜を過ごした。リチャードは朝からいつもと変わらぬ爽やかな様子で朝食を作っている。


「よく寝れなかったのかい?隈ができてるよ」
「う、うん。大丈夫」


まさか彼の裸を思い出して寝れなかったとは言えない。メアリーは気まずくなり目を反らした。メアリーが席につくとリチャードは料理を再開した。メアリーはその後ろ姿を見て、昨晩の彼の引き締まったお尻の筋肉や背中を思い出す。


──ゴクン──


準備を終えたリチャードが不思議そうにメアリーを見ていたのだが、メアリーは子供っぽく大袈裟に食事を褒めた。


「わーい、こんがり焼けたパパのベーコン、美味しそう!!いただきまーす!!」


リチャードはガウン姿でコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいた。その姿はメアリーのお気に入りで、胸元がチラリと見えるガウン姿でリラックスしている彼はとても格好いいのだ。


(今日もパパ格好いい)


そんな彼を盗み見ていたのだが、彼はそれに気がつき、メアリーをじっと見ていた。リチャードはそっと手を伸ばし、メアリーの口に付いていたケチャップを拭い、それをリチャードは自信の口に持っていった。


──ドキン──


メアリーの口に付いていた赤いケチャップを舐める姿にメアリーの心臓はドキンと跳ねた。


「ケチャップ口に付けるなんて、まだまだ子供だなぁ」
「こ、子供じゃないもん」


メアリーはプリプリと怒ったふりをしながら高まる心臓を落ち着かせようと深呼吸した。


「そうだ、今日は買い物に行こうか」
「え、行く!エレナの実家の店も行ってもいい?」
「ああ、いいよ」
「やったぁ!」


借金も返し終え、外交官であるリチャードの給金は少なくない。しかし借金がなくなっても二人きりの生活は変わらなかった。


「使用人を雇ってもいいんだけど、どうする?」
「ううん、いい。二人だけで生活できるもん。雇えるお金があるなら領地に使ってあげて」


リチャードは男爵位と共に小さな港町を授かっていた。リチャードは王城で外交官としてもの仕事があるので、週末に過ごすことはあっても長く滞在することはあまりない。しかしリチャードは貧困のない町にしようと、領主として初心者ながら着実に活気のある町に変えようとしていた。


「楽しみにしてるね」
「ああ、今日は仕事頑張って終わらせておくから、買い物終わったら外で食事もしような」
「うん」