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第三章 二度目の討伐の不幸
02.副団長の苦悩2
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「しょうがないですよ、団長は貴族なんだから」
そう、ローデシアンは貴族の子弟だ。長男でなかったからと幼い頃から騎士に志願し、剣士で名高い人物に師事した経歴を持っている。だからこそ団長などという仕事や貴族との折衝、さらには王族とのやりとりもそつなくこなせるのだ。
これがアーフェンではままならないだろう。
「あー、俺ももっと勉強しておけば良かったよ」
そうしたらローデシアンが苦労していることの、半分とまではいかないが三分の一くらいは肩代わりできたかもしれない。
孤児院で剣ばかり振るっていた昔の自分を殴りたくなるが、机に座ってじっとするのも性には合わない。
左から剣が飛んできて同じように打ち返すが、今度は相手も予想していたのかアーフェンの剣を避けすぐさま剣を振るってくる。木刀で受け止め腰を僅かに落とし、本格的に相手をする体勢に入る。
やはりこうやって身体を使う方が自分には合っている。
とてもではないがじっとしているのは寝ているときだけで充分だ。
久々に若手と剣を交えるが、以前行った手合わせよりも格段に上達していて、アーフェンは楽しくなった。
右から左からやってくる剣を払い、避け、次々と相手の身体に剣を打ち込んでいく。
その様を真柴がずっと見ているとも知らずに。
「ほら、転がってないで立て。そうしている間に魔獣に襲われるぞ。痛くてもすぐに立つんだ」
痛みで地面に転がっている間にすぐに襲ってくるのが魔獣だ。なにせ相手は常に集団で行動している。痛みに呻いている間に別の個体が背後から喉元を噛み切ろうと狙ってくるだろう。
だから意地でも立ってなければいけないのだ、剣を構えて。
人間にも属性があれば対抗できただろうが、残念ながら神はそこまでの祝福を与えてはくれなかった。
「次行くのはルメシア領だ。あそこは水属性の魔獣が多いからすぐに溺死するぞ。ほらほら、水を避けながら切り込むのを頭に浮かべろ。水属性の魔獣はどうしても足を取られやすいからな、転がらないように踏ん張れ」
次から次へと指示を出せば、若手たちの動きが鈍っていく。その隙を突いて腹に剣を突き込んでいった。
あっという間に一刻が過ぎ、一度休憩に入る。
事務仕事でなまった身体は汗だくになり、良い具合に解れている。背伸びなんかよりもずっといいと渡された手ぬぐいで汗を拭けば、じっとこちらを見る存在があった。
(……なんでいるんだよ、ここに)
清々しい気持ちが一気に翳る。
「なんで部外者がここに入っているんだ」
「すみません、体力作りのために散歩をしていて……そこで騎士団の皆さんの訓練があまりにも凄くて見入ってしまいました」
いつもの作り笑いを貼り付けて言い訳を並べる真柴をギッと睨めつける。
「あれくらいで驚かれちゃ困る。ここにいるのは新人と若手だ」
「いえ、ベルマンさんが凄く強くて。一度も剣が当たりませんでしたね、あんなに皆さんが一斉に襲いかかっているのに」
それがどうしたって言うんだ。
副団長ならできて当たり前だと言おうとして、けれどキラキラした目を向けてくる真柴の側にひっついている少年の存在に気付いて言葉を飲み込んだ。
ドゴと名乗った少年はまだ年若いが、アーフェンと似た境遇で今は神殿の使い走りをしていると知ってからは、この子の前では格好いい自分でありたいと欲が出る。
「ゴホン。それは……まあ。体力作りなら俺たちと一緒に訓練すればいい」
「いやいや、無理ですよ。聖者様はあまり体力ありませんから、皆さんと一緒に訓練したらベッドから起き上がれなくなります」
確かにな。
細い真柴なら筋肉痛で寝込むことは避けられないだろう。
「それは済まなかった。だが体力を付けるのは良いことだ」
「ありがとうございます。次の討伐ではご迷惑をおかけしないように頑張ります」
随分と殊勝な物言いに、あんなにドゴの前でいい格好をしたかったのに、つい眉間に皺が寄ってしまう。たったひと月の間で随分と迷惑をかけてくれたと怒鳴りたい、本当は。だが世話になったのも確かで、ぐっと堪えた。
「別に……」
「あのっ……もしご迷惑でなければ、ローシェンに餌をあげても良いですか? 前回の討伐でとても迷惑をかけてしまったので」
……俺は馬と同類だとでも言うのか。いや、馬以下か。むっとして厳つい顔になるが、真柴は気にしないのか、あの作った笑みを貼り付けたままだ。そして隣にいるドゴもキラキラした目を向けてくるままだ。
二人の変わらない眼差しに、アーフェンはハッと思い切り息を吐き出して濡れた血のような赤い髪をくしゃくしゃに掻き回した。
「分かった、好きにしろ。だけど、絶対にバサルはやるなよ……あとトォムとコロゥナボゥもだ!」
馬が食べては死んでしまう食材を口にすればドゴがすぐさま手に持っていた袋を見せてくれた。中にはたっぷりのジャズレイトが入っている。これなら大丈夫だ……むしろローシェンの大好物である。
「これなら……」
「ありがとうございます、ベルマンさん」
真柴が嬉しそうに笑った。あの作ったのとは全く違う自然な笑みに吸い込まれたように目が離せなくなった。
胸の中で何かが湧きあがりそうになり、その正体が掴めないままモヤモヤとしてそっと目を反らした。
きっとたいしたことはない。
そう自分に言い聞かせて。
なんせ相手は聖者だ。一度は騎士団の存続を脅かした存在。能力が属性の無効化と回復だけと分かり脅威ではなくなったが、それでも最初に植え付けられた感情を抜き取ることができない。
真柴のおかげで先の討伐は大成功を収め、今や誰もが騎士団を無視できなくなったが、すぐに態度を変えることはできない。
だというのに、視線を外すことができない。
ふわりとした柔らかい表情は今まで見た何よりも温かさをもたらしてくる。
「ベルマン副団長!」
遠くから新人の声が背中を殴った。
「あっ、ちょっと待ってろ。今行く!」
ビクリと肩を跳ねさせ、すぐに返事をする。慌てて視線を真柴に戻せばドゴと楽しげに話している。あの作ったような笑みで。
アーフェンはまた仏頂面に戻った。
「あまりここに来るな。皆の集中力が削がれる」
「すみません。ではまた討伐の時に」
軽く頭を下げ、真柴はドゴと共に厩舎へと向かった。後ろ姿から僅かに見える顔は嬉しそうに綻んでいる。
(そんなにローシェンに会いたいのか……まああいつは良い馬《やつ》だからな)
穏やかな気性でありながら、魔獣と遭遇しても臆さない上に体力もある。その上、一度でも良くしてくれた人間には攻撃しないというできた馬なのだ。
好かれて当然だ。
アーフェンでなくともローシェンの特徴を知れば誰もが欲しがるだろう。
たまたま一番に見つけたのがアーフェンというだけで……。
(ん、どうしてだ? なぜ気持ちが沈む……ローシェンに何の感情を抱いたんだ、今)
目を背けたはずなのにまた直視しそうになって慌てて反らした。
真柴など騎士団の敵でしかないと心の中に唱え、仲間の元へと戻った。
そう、ローデシアンは貴族の子弟だ。長男でなかったからと幼い頃から騎士に志願し、剣士で名高い人物に師事した経歴を持っている。だからこそ団長などという仕事や貴族との折衝、さらには王族とのやりとりもそつなくこなせるのだ。
これがアーフェンではままならないだろう。
「あー、俺ももっと勉強しておけば良かったよ」
そうしたらローデシアンが苦労していることの、半分とまではいかないが三分の一くらいは肩代わりできたかもしれない。
孤児院で剣ばかり振るっていた昔の自分を殴りたくなるが、机に座ってじっとするのも性には合わない。
左から剣が飛んできて同じように打ち返すが、今度は相手も予想していたのかアーフェンの剣を避けすぐさま剣を振るってくる。木刀で受け止め腰を僅かに落とし、本格的に相手をする体勢に入る。
やはりこうやって身体を使う方が自分には合っている。
とてもではないがじっとしているのは寝ているときだけで充分だ。
久々に若手と剣を交えるが、以前行った手合わせよりも格段に上達していて、アーフェンは楽しくなった。
右から左からやってくる剣を払い、避け、次々と相手の身体に剣を打ち込んでいく。
その様を真柴がずっと見ているとも知らずに。
「ほら、転がってないで立て。そうしている間に魔獣に襲われるぞ。痛くてもすぐに立つんだ」
痛みで地面に転がっている間にすぐに襲ってくるのが魔獣だ。なにせ相手は常に集団で行動している。痛みに呻いている間に別の個体が背後から喉元を噛み切ろうと狙ってくるだろう。
だから意地でも立ってなければいけないのだ、剣を構えて。
人間にも属性があれば対抗できただろうが、残念ながら神はそこまでの祝福を与えてはくれなかった。
「次行くのはルメシア領だ。あそこは水属性の魔獣が多いからすぐに溺死するぞ。ほらほら、水を避けながら切り込むのを頭に浮かべろ。水属性の魔獣はどうしても足を取られやすいからな、転がらないように踏ん張れ」
次から次へと指示を出せば、若手たちの動きが鈍っていく。その隙を突いて腹に剣を突き込んでいった。
あっという間に一刻が過ぎ、一度休憩に入る。
事務仕事でなまった身体は汗だくになり、良い具合に解れている。背伸びなんかよりもずっといいと渡された手ぬぐいで汗を拭けば、じっとこちらを見る存在があった。
(……なんでいるんだよ、ここに)
清々しい気持ちが一気に翳る。
「なんで部外者がここに入っているんだ」
「すみません、体力作りのために散歩をしていて……そこで騎士団の皆さんの訓練があまりにも凄くて見入ってしまいました」
いつもの作り笑いを貼り付けて言い訳を並べる真柴をギッと睨めつける。
「あれくらいで驚かれちゃ困る。ここにいるのは新人と若手だ」
「いえ、ベルマンさんが凄く強くて。一度も剣が当たりませんでしたね、あんなに皆さんが一斉に襲いかかっているのに」
それがどうしたって言うんだ。
副団長ならできて当たり前だと言おうとして、けれどキラキラした目を向けてくる真柴の側にひっついている少年の存在に気付いて言葉を飲み込んだ。
ドゴと名乗った少年はまだ年若いが、アーフェンと似た境遇で今は神殿の使い走りをしていると知ってからは、この子の前では格好いい自分でありたいと欲が出る。
「ゴホン。それは……まあ。体力作りなら俺たちと一緒に訓練すればいい」
「いやいや、無理ですよ。聖者様はあまり体力ありませんから、皆さんと一緒に訓練したらベッドから起き上がれなくなります」
確かにな。
細い真柴なら筋肉痛で寝込むことは避けられないだろう。
「それは済まなかった。だが体力を付けるのは良いことだ」
「ありがとうございます。次の討伐ではご迷惑をおかけしないように頑張ります」
随分と殊勝な物言いに、あんなにドゴの前でいい格好をしたかったのに、つい眉間に皺が寄ってしまう。たったひと月の間で随分と迷惑をかけてくれたと怒鳴りたい、本当は。だが世話になったのも確かで、ぐっと堪えた。
「別に……」
「あのっ……もしご迷惑でなければ、ローシェンに餌をあげても良いですか? 前回の討伐でとても迷惑をかけてしまったので」
……俺は馬と同類だとでも言うのか。いや、馬以下か。むっとして厳つい顔になるが、真柴は気にしないのか、あの作った笑みを貼り付けたままだ。そして隣にいるドゴもキラキラした目を向けてくるままだ。
二人の変わらない眼差しに、アーフェンはハッと思い切り息を吐き出して濡れた血のような赤い髪をくしゃくしゃに掻き回した。
「分かった、好きにしろ。だけど、絶対にバサルはやるなよ……あとトォムとコロゥナボゥもだ!」
馬が食べては死んでしまう食材を口にすればドゴがすぐさま手に持っていた袋を見せてくれた。中にはたっぷりのジャズレイトが入っている。これなら大丈夫だ……むしろローシェンの大好物である。
「これなら……」
「ありがとうございます、ベルマンさん」
真柴が嬉しそうに笑った。あの作ったのとは全く違う自然な笑みに吸い込まれたように目が離せなくなった。
胸の中で何かが湧きあがりそうになり、その正体が掴めないままモヤモヤとしてそっと目を反らした。
きっとたいしたことはない。
そう自分に言い聞かせて。
なんせ相手は聖者だ。一度は騎士団の存続を脅かした存在。能力が属性の無効化と回復だけと分かり脅威ではなくなったが、それでも最初に植え付けられた感情を抜き取ることができない。
真柴のおかげで先の討伐は大成功を収め、今や誰もが騎士団を無視できなくなったが、すぐに態度を変えることはできない。
だというのに、視線を外すことができない。
ふわりとした柔らかい表情は今まで見た何よりも温かさをもたらしてくる。
「ベルマン副団長!」
遠くから新人の声が背中を殴った。
「あっ、ちょっと待ってろ。今行く!」
ビクリと肩を跳ねさせ、すぐに返事をする。慌てて視線を真柴に戻せばドゴと楽しげに話している。あの作ったような笑みで。
アーフェンはまた仏頂面に戻った。
「あまりここに来るな。皆の集中力が削がれる」
「すみません。ではまた討伐の時に」
軽く頭を下げ、真柴はドゴと共に厩舎へと向かった。後ろ姿から僅かに見える顔は嬉しそうに綻んでいる。
(そんなにローシェンに会いたいのか……まああいつは良い馬《やつ》だからな)
穏やかな気性でありながら、魔獣と遭遇しても臆さない上に体力もある。その上、一度でも良くしてくれた人間には攻撃しないというできた馬なのだ。
好かれて当然だ。
アーフェンでなくともローシェンの特徴を知れば誰もが欲しがるだろう。
たまたま一番に見つけたのがアーフェンというだけで……。
(ん、どうしてだ? なぜ気持ちが沈む……ローシェンに何の感情を抱いたんだ、今)
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