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第五章 副団長の決意
05.岩獅子討伐2
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あれほど訓練を重ねてきたのに。
あれほど戦い続けてきたのに。
聖者召喚の儀を行う前は、誰かがいなければ戦えないなど、一度たりとて考えたことはなかった。
(これじゃ、あいつを守ることなんてできないじゃないか)
駄目な自分を叱責して、頭から必死に真柴の存在を弾き出す。
彼のことさえ考えなければ以前の自分に戻れる、そんな気がしたからだ。
「アーフェン、疲れているだろうが装備の確認の指示を出しておけ。いつでも動けるように」
「もう終わってます。それよりも倒し方をどうするかが重要ですね」
岩獅子の攻略法がまだ見つかっていない。今では炎系と氷系であれば水を拭きかければ動きが鈍ることや、水系は風に弱いなどある程度掴めたが、土系の魔獣だけはいかんともしがたかった。闇雲に戦っては兵が疲弊し怪我をしやすくなってしまう。なんとしても全員が無事王都に戻れるように策を練らねばならない。
「そうだな。岩獅子は滅多に現れない分、情報が少なすぎる。岩のように硬いということしか分かっていないのも大きいな」
さすがのローデシアンも、騎士団に所属してから数回しか遭遇しておらず、明快な対策が分からずにいた。だが難敵だからといって放置するわけにもいかない。
どうしたもんだと団長に宛がわれた部屋に皆で集まり頭をひねる。
「あのー、岩獅子って皮膚の下に岩があったりするんですか?」
新人が突拍子もないことを訊いてきた。
「それすら分からないんだ。あまりにも情報が少なすぎる」
「石だったら壊すのは簡単なのになー」
「……なんだって?」
ぼそりと呟いた新人の言葉に、皆が驚いた。
石だって壊すのに力がいる。剣でもどちらが先に折れるかの勝負だ。それを簡単に壊せる手があるのだろうか。
「いや、子供の頃に野営をしたことがあるんですよ。そんときに火を消そうと水を掛けたら石が弾けて粉々になったんです。親父が、熱した石にだけは水を掛けるな、弾けて危ないって」
確かにそうだ。
火を焚く際に石はどけるようにと言われている。なぜかなど考えたこともなかったが、弾け飛んだ石で怪我をするのを防ぐためだったのか。
「でもさ、どうやって岩獅子を火の中に入れるんだ? あいつらだって火を見たら近づかないだろう」
「そうだな……」
餌を撒いて火の中に入ってくれるなら話は簡単だ。ある程度待って水を掛けて弱体化するなら、これほど簡単な手はない。しかし、獣の本性で炎系の魔獣でなければ火を怖れる。そのため城から村に至るまで魔獣の侵入を防ぐ壁にはどこもたいまつが灯されているのだ。
「火の中に飛び込んでくれる……か……。飛び込んだところに火を点けられれば一番簡単なんだが」
「……お前、頭が良いな!」
アーフェンはぼそりと呟いた新人の肩を掴んで激しく前後に揺らした。
「そうだよ、飛び込んだところに火矢を放てばいいんだよ!」
「どういうことだ、アーフェン」
「油ですよ」
岩獅子は人間のみならず荷馬車まで狙う。食料が積まれていると知ってしまったのだろう。街道に現れるようになったのは、荷馬車を狙っている可能性がある。
ならば油と肉を積んだ馬車をわざと襲わせればいい。油まみれになったのを見計らって火矢を打ち込めば火だるまになることだろう。
「危険は伴うが……やる価値はあるな。どれほどの群れで活動しているか分かる人がいないか聞いてこい! その間に荷馬車と油の用意だ!」
ローデシアンの声に皆が一斉に動き始める。
アーフェンは荷馬車の用意に回った。
火矢は、真柴が乗っていると見せかけた馬車を焼くときに使った手だ。
ドゴに合図を送って逃げ出した後に火矢を放ったが、それがまた魔獣の攻撃に似て功を奏した。あの馬車も、事前に燃えやすいように油を塗ったのを思い出す。
「すまん、テレビン油はないか。多ければ多いほど良い」
領城の侍従長を捕まえ、たいまつに使われる油はないかと訊ねれば、涼やかな顔で首を傾げた。
「何にお使いになるのでしょうか」
「岩獅子の討伐だ。それと荷馬車が欲しい。なければ材木の伐採許可を領主から貰いたい」
討伐と聞けば、侍従長は慌てて領主の元へと向かった。
あまり財源があるとは思えない領だが、すぐに大量の油を用意してくれた。同時に数台の荷馬車も。
「これで足りないようでしたら、領地内のどの木もお好きに切って下さい。領城から近く太い木であればあちらに多く茂っております」
領城の右手にある森のどの木も使っていいと聞いて、アーフェンは早速斧を借り、仲間たちと切り始めた。
話を聞いた領民も集まり、荷馬車を作っていく。
その間にローデシアンと熟練の団員が周囲への聞き取りを行った。
街道によく現れる岩獅子の群れは六頭。どれも個体は大きく、成獣とみられる。
一匹に付き一台の荷馬車を用意し、年老いた馬に引かせた。
こればかりはローシェンなど騎士団の馬を使うことはできない。申し訳ないが、殺処分寸前の馬はないかと領内を探し回った。テュレアール領の誰もが協力的で、老いた馬を六頭用意するのに三日とかからなかった。
討伐開始だ。
火矢の準備も整え出発する。
よく出没するという街道をゆっくりと荷馬車を走らせる。子供すら追いつくほどの速度なのは、荷馬車に乗せた肉の臭いを残すためだ。
馭者はもちろんアーフェンを始めとする熟練の団員だ。防具の上に汚れた服を纏い偽装して岩獅子の襲来を待った。
他の団員は過去に出没した辺りで待機していることだろう。
一列になって街道を進めば、最近襲撃された場所のすぐ傍にさしかかったところで荷馬車の左側より岩獅子がのそりと現れた。
あれほど戦い続けてきたのに。
聖者召喚の儀を行う前は、誰かがいなければ戦えないなど、一度たりとて考えたことはなかった。
(これじゃ、あいつを守ることなんてできないじゃないか)
駄目な自分を叱責して、頭から必死に真柴の存在を弾き出す。
彼のことさえ考えなければ以前の自分に戻れる、そんな気がしたからだ。
「アーフェン、疲れているだろうが装備の確認の指示を出しておけ。いつでも動けるように」
「もう終わってます。それよりも倒し方をどうするかが重要ですね」
岩獅子の攻略法がまだ見つかっていない。今では炎系と氷系であれば水を拭きかければ動きが鈍ることや、水系は風に弱いなどある程度掴めたが、土系の魔獣だけはいかんともしがたかった。闇雲に戦っては兵が疲弊し怪我をしやすくなってしまう。なんとしても全員が無事王都に戻れるように策を練らねばならない。
「そうだな。岩獅子は滅多に現れない分、情報が少なすぎる。岩のように硬いということしか分かっていないのも大きいな」
さすがのローデシアンも、騎士団に所属してから数回しか遭遇しておらず、明快な対策が分からずにいた。だが難敵だからといって放置するわけにもいかない。
どうしたもんだと団長に宛がわれた部屋に皆で集まり頭をひねる。
「あのー、岩獅子って皮膚の下に岩があったりするんですか?」
新人が突拍子もないことを訊いてきた。
「それすら分からないんだ。あまりにも情報が少なすぎる」
「石だったら壊すのは簡単なのになー」
「……なんだって?」
ぼそりと呟いた新人の言葉に、皆が驚いた。
石だって壊すのに力がいる。剣でもどちらが先に折れるかの勝負だ。それを簡単に壊せる手があるのだろうか。
「いや、子供の頃に野営をしたことがあるんですよ。そんときに火を消そうと水を掛けたら石が弾けて粉々になったんです。親父が、熱した石にだけは水を掛けるな、弾けて危ないって」
確かにそうだ。
火を焚く際に石はどけるようにと言われている。なぜかなど考えたこともなかったが、弾け飛んだ石で怪我をするのを防ぐためだったのか。
「でもさ、どうやって岩獅子を火の中に入れるんだ? あいつらだって火を見たら近づかないだろう」
「そうだな……」
餌を撒いて火の中に入ってくれるなら話は簡単だ。ある程度待って水を掛けて弱体化するなら、これほど簡単な手はない。しかし、獣の本性で炎系の魔獣でなければ火を怖れる。そのため城から村に至るまで魔獣の侵入を防ぐ壁にはどこもたいまつが灯されているのだ。
「火の中に飛び込んでくれる……か……。飛び込んだところに火を点けられれば一番簡単なんだが」
「……お前、頭が良いな!」
アーフェンはぼそりと呟いた新人の肩を掴んで激しく前後に揺らした。
「そうだよ、飛び込んだところに火矢を放てばいいんだよ!」
「どういうことだ、アーフェン」
「油ですよ」
岩獅子は人間のみならず荷馬車まで狙う。食料が積まれていると知ってしまったのだろう。街道に現れるようになったのは、荷馬車を狙っている可能性がある。
ならば油と肉を積んだ馬車をわざと襲わせればいい。油まみれになったのを見計らって火矢を打ち込めば火だるまになることだろう。
「危険は伴うが……やる価値はあるな。どれほどの群れで活動しているか分かる人がいないか聞いてこい! その間に荷馬車と油の用意だ!」
ローデシアンの声に皆が一斉に動き始める。
アーフェンは荷馬車の用意に回った。
火矢は、真柴が乗っていると見せかけた馬車を焼くときに使った手だ。
ドゴに合図を送って逃げ出した後に火矢を放ったが、それがまた魔獣の攻撃に似て功を奏した。あの馬車も、事前に燃えやすいように油を塗ったのを思い出す。
「すまん、テレビン油はないか。多ければ多いほど良い」
領城の侍従長を捕まえ、たいまつに使われる油はないかと訊ねれば、涼やかな顔で首を傾げた。
「何にお使いになるのでしょうか」
「岩獅子の討伐だ。それと荷馬車が欲しい。なければ材木の伐採許可を領主から貰いたい」
討伐と聞けば、侍従長は慌てて領主の元へと向かった。
あまり財源があるとは思えない領だが、すぐに大量の油を用意してくれた。同時に数台の荷馬車も。
「これで足りないようでしたら、領地内のどの木もお好きに切って下さい。領城から近く太い木であればあちらに多く茂っております」
領城の右手にある森のどの木も使っていいと聞いて、アーフェンは早速斧を借り、仲間たちと切り始めた。
話を聞いた領民も集まり、荷馬車を作っていく。
その間にローデシアンと熟練の団員が周囲への聞き取りを行った。
街道によく現れる岩獅子の群れは六頭。どれも個体は大きく、成獣とみられる。
一匹に付き一台の荷馬車を用意し、年老いた馬に引かせた。
こればかりはローシェンなど騎士団の馬を使うことはできない。申し訳ないが、殺処分寸前の馬はないかと領内を探し回った。テュレアール領の誰もが協力的で、老いた馬を六頭用意するのに三日とかからなかった。
討伐開始だ。
火矢の準備も整え出発する。
よく出没するという街道をゆっくりと荷馬車を走らせる。子供すら追いつくほどの速度なのは、荷馬車に乗せた肉の臭いを残すためだ。
馭者はもちろんアーフェンを始めとする熟練の団員だ。防具の上に汚れた服を纏い偽装して岩獅子の襲来を待った。
他の団員は過去に出没した辺りで待機していることだろう。
一列になって街道を進めば、最近襲撃された場所のすぐ傍にさしかかったところで荷馬車の左側より岩獅子がのそりと現れた。
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