恋愛物の短編集!

缶詰め精霊王

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水魔法しか使えない私の幸せを掴む話

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「水魔法しか使えない厄介者、ここは有能な魔法使いが学ぶ場所だ! 今すぐこの場を立ち去れ!」
「そうだそうだ!」
「お前が来る場所では無いんだぞ」

いや! いや! もうやだよ……
なんで? 私なにか悪いことした? ただ水魔法しか使えないだけでしょ?
なんで他の魔法が使えないの? こんなになるぐらいなら生まれなければ良かった――――



いつものように家に帰った私は初めてお母様の涙を見た
「ごめんなさい、アクア」
「どうしたのですか? お母様」
「私が悪いのです。貴女を水魔法しか使えない体に生んでしまって……本当にごめんなさい。いじめを止めれなくて」

最初は何を言っているのかわからなかった。よくよく考えるとお母様にいじめを見られていたのかも知れない。
『お母様が悪いんじゃない』その一言を言えばいいだけ、でも私は何も言えなかった

私はこの日から変わった。いやどちらかと言うとこの日から元の自分に戻った。
お母様やお父様に迷惑をかけたくない一心で明るく過ごしてきた。もうあの時の私の明るさは戻せない
だって見られていたのだから。

あの出来事から何日間も部屋にこもって過ごしていた。部屋から出ようかと思ったことはある、だが出れる訳がない、だって親に見せる顔が無いのだ。お母様は毎日のように私にドア越しだが話しかけてくれている。
お父様は仕事休暇に私に話しかけてくれる。私は一回も声を返さない、そんな事があったからだ

私が部屋にこもって何ヶ月かたったときだお母様がこう言った『今日はいい天気だわ、海が綺麗に見れるわよ、私達の事は気にしないで行ってきたら?』
私は海が好きだ、綺麗だから。

「お母様覚えていたのね、私が海が好きということを」

涙がでた、お母様は私が海を好きと覚えていたからだ

私は部屋から出ることにした。家の廊下を歩いていると皆が目を開いて驚いていた、メイドも執事も。
私に良くしてくれたメイドの一人が話しかけてきた

「アクア様何処かへ行かれるのですか?」
「え、ええ」
「誰かお付きの者をつけましょうか?」
「大丈夫よ」
「そうですか、わかりました」

久しぶりに誰かと会話をしたからおかしくなっちゃたわ

誰かに声をかけられたのは驚いたけど、嬉しかった自分がいた

私はそのまま海方面に向かって歩いて行った。今日の天気は本当に良い天気で雲ひとつもない空だった。
歩いていると人が沢山いて怖いと思ったけど、優しい人の方が多いいと知った。でもやっぱり、人は怖い。人を信用できない自分がいる。そんな私でも好きなものが海。

私は海を何時間も何時間も見続け、波を聞き続けていた。

「誰か、水を……喉が乾いた」
「え、なに!」

私は大声を出してしまっていた。だって見知らぬ男性が倒れかけているのだから。

この人、喉が乾いたって言っていたよね? 私の魔法で何とかなるかしら

「あの、水です。どうぞ」

私は魔法を使って水を出し、恐る恐る水を男性に差し出した。


「ありがとう! ありがとう! 貴女のおかげで助かった」

男性は私の手を掴み感謝を伝えれくれている

ありがとうってこんなに心に刺さるものなのね

「名前はなんて言うのですか?」
「ヴァダー・アクアです」
「アクアさんですね、この恩は返します。また後日ヴァダー邸に訪れますね! それでは失礼します」

男性は一瞬で消えた。それにも驚いたが一番は私が知らない人と喋れたことだ。
あの男性と喋れたのだから他の人と喋れるのではないかと思ったが、全然喋れなかった。
私は家に帰りあの男性の事を考えていた。

あの人って何者かしら? 後日って言っていたけどいつ来るのかしら?
もう今日はつかれたから眠りたいわ

私は眠った。

朝だ突然メイドが『アクア様にお客様です』そう言われて起きた。お客様って誰? って思っていたけど、あの男性事を思い出した。私は客室に向かった。
私はドアを開けたそこにいたのは、昨日の男性かも知れない人がいた。多分昨日の男性だ。

「昨日ぶりですね? アクアさん」
「は、はい。そう、ですね」
「そうでした、私の名前はラハト・アルクです。昨日は助かりました」

私は驚いた。昨日助けた人がこの国の王子だったから。アルク様は私にもっと驚くことを言った

「アクアさん。私と婚約しませんか?」
「え」

驚き過ぎて言葉が出せない私は焦りを見せた

「私初めてなんです。こんなに心が綺麗な貴女みたいな女性に会ったのは。お願いです。」
「はい」

私はつい口走ってしまった。この国の王子との婚約に許可をしてしまった。こんな私で本当に良いのだろうか?

「なんで私を?」
「さっきも言った用に心が綺麗だからですよ。あとは水魔法が綺麗だったから」

私は嬉しくて泣いた。これを聞いて泣かない訳がない、だって初めて水魔法を褒められたのだから。


「お母様、お父様、私を生んでくれてありがとうございます」

私は両親に感謝を伝えた
だって水魔法しか使えない私を生んでくれたおかげでこんなに幸せになれたのだから。


END
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