灰に紛れた光
――Dom/Sub と α/Ω が共存する世界。
人は生まれながらにして
α(アルファ)・β(ベータ)・Ω(オメガ)
そして Dom(ドム)・Sub(サブ)
この二つの分類のどれかを持って生きている。
どれも優劣ではない“ただの特性”のはずだった。
けれど偏見が残る街では、その特性が生きやすさや扱われ方に影を落とすことがある。
黒瀬琉衣は、ΩかつSubとして生まれた。
幼くして両親を失い、引き取られた親戚の家は財閥・黒瀬家。
だがそこでは、琉衣は“唯一のΩでSub”という理由だけで便利な駒のように、奴隷のように酷い扱いをされてきた。
そして、黒瀬家の事業が失敗したとき――
多額の借金と引き換えに、
琉衣自身までもが“売られて”しまう。
すべてを諦めかけていた琉衣が連れて行かれた先は、とある回収業者の背後にある組織、霧島組。
そこで出会ったのが、
αでDomの若頭・霧島隼人だった。
霧島と出会った瞬間から、琉衣の人生の歯車は、静かに、しかし確かに動きはじめる――。
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