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2章

21話 元パーティはぎくしゃく。

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『彗星の一団』一行が現れたのは、少ししてからだった。

気づかれぬよう、抜き足忍び足だ。
俺たちは距離を取って、後ろからついていく。

基本的に、魔物たちが出現する場所(いわゆるダンジョン)は、人が生活を営む街とは少し離れたところに点在する。

ダンジョンが先にあり、その後に街を形成したためだ。

必然的に、それなりの距離もあるわけだが、その間、『彗星の一団』に会話はほとんどなかった。

「……なんか、私たちまで変に気まずくなるよぉ」

ミリリがひしっと俺の腕にしがみつく。
それくらい、パーティーメンバーたちからは不協和音が奏でられていた。

たまに話をしても、最低限のやり取りのみ、全く話は弾んでいかない。

パーティーというより、敵同士かのよう。

はじめ彼らを見たときは、どんな気持ちになるだろうかと思ったが、今は見ているのもいたたまれなかった。

そんな有様のまま、いよいよ『深闇の森』ダンジョンへと入っていく。

上級レベルであることや、冒険者減少の煽りもあってか、人はまばらだった。

俺たちは、より息を潜める。

「グォォォン!!!」

パーティーはさっそく、フォレストウルフに出くわした。

森の木々に擬態するように生えた緑の毛に、鋭利な爪や牙が冒険者を襲う、危険な魔物だ。
Bランクの危険度に位置付けられている。

「くそっ、動きが見えないな。姿さえ捉えられれば、一撃で仕留められるだろうに」
「どーだか。ルリ、今のサンタナには無理だとおもうんだけど?」
「……言ったな。今にやって見せようじゃないか」

やはり、穏やかではない空気に包まれていた。

躍起になったサンタナはソードを抜き、やみくもに草むらへと斬りかかる。

「くっ……。外したか! グァァッ!!?」

無論、当たるわけもない。

空振りをしては、ウルフに後ろから襲われる。

ヒーラーのルリはもちろん、後衛のソフィアも、身動きを取れていなかった。

もし矢の狙いが少しでも逸れたら、サンタナを貫いてしまうためだろう。

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