9 / 253
第二話
第2話 2
しおりを挟む
ーアイク SAIDー
最後に扉を開いたのは、1ヶ月前に入った新参者“マレ”。
右目に眼帯をした黒の短髪をした女だ。
眼帯を隠したいのか、右目の方の前髪だけ伸びている。
平衡感覚は、ずば抜ぬけて高いため眼帯姿を見た最初の方は不安だったが、今は支障なく任務に向かってもらっている。
他のメンバーの中では、ベル、ハゲ、シオ、B.Kと共に最年少。
ただ、スタイルの良さはノラの女性の中で一番だと思う。
身長はノラの中で一番低いが、よく食べる。
食べる量は俺やエグザスくらい、食べた質量が何処に行ったかは知らない。
仮説としては…小さい体つきの割には、かなり実った神々の谷間に行ったと思っている。
だが…この邪な思いがアンナに伝わっていたのか1ヶ月前のあの日、体で強化したであろう握力で肩を掴まれた。
あの日は、死を覚悟したな。
まだまだ、戦闘能力は未知数だが…剣形態を頻繁に使っている。
まだ、使えるホープは体の2段までしかない。
「メンバーが増えても、平均年齢が上がらないねぇ。」
ベルは、椅子に寄りかかった状態でボヤくように上を向いて言った。
確かに、平均年齢は若い。
ベル達は、22歳。
エグザス、アンナは、24歳。
俺は、28歳。
…あれ、こう見ると俺ってオッサンみてーだな。
20代で構成されたノラには、理由がある。
年齢に関係なくキーウエポンに適合しなくちゃ話にならない為、適応効果が比較的高い若者に適合する確率が高いからだ。
昔、格闘競技の世界チャンプと言われた男達でも成人した獣には敵わない。
獣達に挑んだそのチャンプ達は、殺されたか…獣達のペットにされている。
「それで、本題は?
あんな重たい扉を開かせて…只の世間話♪
…なんてないよな?」
ベルは、死んだような目で丸まるように握った両腕を胸にくっける。
まぁ、ぶりっこポーズなのだが…なんか古いな。
「あたぼーよ。
今回の任務は二組に分けて行う。
まずは、マレとベルとB.Kとエグザス。
後は、俺とシオとハゲとアンナ。
お…綺麗に男女に別れたな。
まるで合コ…。」
俺の話は一発の銃声で止まった。
正確に、俺の頬を狙えるのはアイツくらいだろ。
「…冗談だよ、B.K。
マジになるな。」
「黙れ。
次は撃ち抜くぞ。
二度と使い物にならない状態には、なりたくないだろ?」
B.Kは、起動させたキーウエポンを椅子に座ったまま肩にかけて俺の下半身を睨む。
…間の事もあるし敏感なるのは、分かるが身内には止めてほしいものだ。
「今回のミッションは、マレの体持続力の強化訓練を兼ねて軽い偵察を行う。
マレ達は、脱出しやすい出口近辺。
俺たちはやや中枢付近。
体をかけながらの密偵だ。
それなりの訓練になるだろ。」
「なるほど…理想的な組み合わせだな。
上手くパワーバランスが整っている。
機動力のあるベル、中遠距離の攻撃に長けたB.K、マレの手本として体を一番上手く扱える俺のチーム。
それに、超攻撃型のハゲとアイク、機転のバリエーションが広いシオ、回復も攻撃も長けているアンナ。
マレとベルが組むことによって、体か使えなくなってもベルのゴーレムで移動の面なら問題ない。」
エグザスは、机に両ひじをつけながら呟くように言った。
エグザスの一言に納得したのか、B.Kはキーウエポンを収納し始める。
「そう言えば、ベルのゴーレムの戦闘能力はどれくらいなの?」
「あー、物によってマチマチだけど…ユニコーンなら俺が体の1段まで強化した位の能力はある。
もっと、力を込めれば多少は強化されるとは思うが…こんなご時世だ、基本的に質より数だろ。
質をあげるなら、俺は数を増やすよ。」
マレの質問に、ベルは机に伏せたまま答えた。
他の奴等も殆ど上の空。
…ったく、ミーティングをなんだと思ってるんだ。
「…ミーティングは以上だ。
質問は、各自でしてくれ。
とりあえず、今回話したミッションは明日に行う。
んじゃ、解散。」
最後に扉を開いたのは、1ヶ月前に入った新参者“マレ”。
右目に眼帯をした黒の短髪をした女だ。
眼帯を隠したいのか、右目の方の前髪だけ伸びている。
平衡感覚は、ずば抜ぬけて高いため眼帯姿を見た最初の方は不安だったが、今は支障なく任務に向かってもらっている。
他のメンバーの中では、ベル、ハゲ、シオ、B.Kと共に最年少。
ただ、スタイルの良さはノラの女性の中で一番だと思う。
身長はノラの中で一番低いが、よく食べる。
食べる量は俺やエグザスくらい、食べた質量が何処に行ったかは知らない。
仮説としては…小さい体つきの割には、かなり実った神々の谷間に行ったと思っている。
だが…この邪な思いがアンナに伝わっていたのか1ヶ月前のあの日、体で強化したであろう握力で肩を掴まれた。
あの日は、死を覚悟したな。
まだまだ、戦闘能力は未知数だが…剣形態を頻繁に使っている。
まだ、使えるホープは体の2段までしかない。
「メンバーが増えても、平均年齢が上がらないねぇ。」
ベルは、椅子に寄りかかった状態でボヤくように上を向いて言った。
確かに、平均年齢は若い。
ベル達は、22歳。
エグザス、アンナは、24歳。
俺は、28歳。
…あれ、こう見ると俺ってオッサンみてーだな。
20代で構成されたノラには、理由がある。
年齢に関係なくキーウエポンに適合しなくちゃ話にならない為、適応効果が比較的高い若者に適合する確率が高いからだ。
昔、格闘競技の世界チャンプと言われた男達でも成人した獣には敵わない。
獣達に挑んだそのチャンプ達は、殺されたか…獣達のペットにされている。
「それで、本題は?
あんな重たい扉を開かせて…只の世間話♪
…なんてないよな?」
ベルは、死んだような目で丸まるように握った両腕を胸にくっける。
まぁ、ぶりっこポーズなのだが…なんか古いな。
「あたぼーよ。
今回の任務は二組に分けて行う。
まずは、マレとベルとB.Kとエグザス。
後は、俺とシオとハゲとアンナ。
お…綺麗に男女に別れたな。
まるで合コ…。」
俺の話は一発の銃声で止まった。
正確に、俺の頬を狙えるのはアイツくらいだろ。
「…冗談だよ、B.K。
マジになるな。」
「黙れ。
次は撃ち抜くぞ。
二度と使い物にならない状態には、なりたくないだろ?」
B.Kは、起動させたキーウエポンを椅子に座ったまま肩にかけて俺の下半身を睨む。
…間の事もあるし敏感なるのは、分かるが身内には止めてほしいものだ。
「今回のミッションは、マレの体持続力の強化訓練を兼ねて軽い偵察を行う。
マレ達は、脱出しやすい出口近辺。
俺たちはやや中枢付近。
体をかけながらの密偵だ。
それなりの訓練になるだろ。」
「なるほど…理想的な組み合わせだな。
上手くパワーバランスが整っている。
機動力のあるベル、中遠距離の攻撃に長けたB.K、マレの手本として体を一番上手く扱える俺のチーム。
それに、超攻撃型のハゲとアイク、機転のバリエーションが広いシオ、回復も攻撃も長けているアンナ。
マレとベルが組むことによって、体か使えなくなってもベルのゴーレムで移動の面なら問題ない。」
エグザスは、机に両ひじをつけながら呟くように言った。
エグザスの一言に納得したのか、B.Kはキーウエポンを収納し始める。
「そう言えば、ベルのゴーレムの戦闘能力はどれくらいなの?」
「あー、物によってマチマチだけど…ユニコーンなら俺が体の1段まで強化した位の能力はある。
もっと、力を込めれば多少は強化されるとは思うが…こんなご時世だ、基本的に質より数だろ。
質をあげるなら、俺は数を増やすよ。」
マレの質問に、ベルは机に伏せたまま答えた。
他の奴等も殆ど上の空。
…ったく、ミーティングをなんだと思ってるんだ。
「…ミーティングは以上だ。
質問は、各自でしてくれ。
とりあえず、今回話したミッションは明日に行う。
んじゃ、解散。」
0
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
ファンタジー
生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
魔法が使えなくても、何かできる事はあるはず。
人生を変え、自分にできることを探すため、カテリーナの挑戦が始まる。
そして、カテリーナの行動により、周囲の認識は彼女を聖女へと変えていくのだった。
物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる