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第二話
第2話 5
しおりを挟む“体の3段”
「ぉお!!」
ハゲは、体をかけ直すとフェムトに向かって得意のタックルをしかけた。
アイクも後ろに下がり、体をかけ直す。
“体の4段”
全身に電撃を纏わせて肉体を強化したアイクは、フェムトに剣形態で踏み込みアンナに指示を出した。
「アンナ、退路を頼む!!
シオはアンナの援護を!」
「分かりましたわ。」
「はーい。」
“心の0段”
アンナは、壁の一部をボロボロの鉄に変化させた。
“技の1段”
シオは、炎を纏わせた剣形態のキーウエポンを振って炎を飛ばして変化させた壁を破壊した。
“体の3段”
シオとアンナも肉体強化をかけた。
「脱出の準備は、整いましたわ。」
「…っチ!!
逃げられると思うナ!」
フェムトは、アンナ達に向かって走って行ったがアイクに進路を立ち塞さがれた。
フェムトは軽く舌打ちをするとハルバートを振り下ろす。
勿論、アイクもキーウエポンでフェムトの攻撃を受け止める。
「皆、脱出だ!」
アイクの一言で、三人はアンナとシオが作ったら穴から飛び降りていく。
三人が穴から出るのを確認すると、アイクは思いきりフェムトを押し飛ばして穴に向かって全力で走る。
壁の穴から飛び降りたのは良いものの、結構な高さが目の前に広がっていた。
「…思いの外、高さがあったな。」
「アイク様、この後のご予定は?」
アンナ達は、コートをパラシュートのように広げて可能な限り速度を落として落下していた。
「人間だ、捕獲しロ!!」
フェムトが呼び寄せたのか、それとも騒ぎがあったからか分からないが…小型の飛行物に乗って獣達向かってくる。
乗り物に目で合図したアイクは、これは幸いとばかりに大きく口を開く。
「アレを奪うぞ。」
「了解。」
シオは、そういうとビルの壁の側まで落下すると壁を蹴って獣まで向かってくいく。
その間、ハゲが銃形態で援護していた。
シオは、キーウエポンで獣を叩き落とした後に飛行物を奪う。
…が。
「アイク、これどうやるの?」
漂う飛行物に立っている状態のシオ。
この様子を見ると明らかに作戦不足の状態だ。
「うそだろ?」
「アイク様…生きて帰れたら、覚悟してくださいね?」
かなり威圧している笑みを浮かべているアンナを他所に、空から閃光が雨のように降ってきた。
閃光は、正確に獣達を貫いていく。
「みんな、此方だ。」
ベルが、B.Kをつれてやってきた。
アイク達に声をかけると同時に一体の巨大な翼をもつ大型の鳥型のゴーレムをアイク達の近くに移動させる。
アイク達は、ベルの一言で壁を蹴ってゴーレムに飛び乗った。
「しかし…ベルの能力は、なんでもありだな。
ここまで大型の鳥もつくれるのか?」
「いやー、さっきアレを召還したから思いついただけだよ。」
ベルはそういうと、空を見た。
ベルの視線の先には、大型の飛行物体が見える。
「龍だ!」
シオは、懐かしそうに指をさしてそう言った。
「確かに懐かしい。
だが、シオの要求したあのクオリティーなら誘導に向いている。
よし、このまま脱出する!」
アイクの指示と共に、ゴーレムはマレ達がいる方向へ向かっていった。
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