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第十三話
第13話 22
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そして、ナツは直ぐに瓦礫で槍を生成。
槍の先端で地面を叩くと、地面が割れて浮き上がっていく。
「…マるで、物語に出てくる魔王のようだな。
多方面の能力を圧倒的力で行使する。
私としては、雑魚を一方的に痛めつける趣味はないからその方が助かるがな!」
男は、ナツに向かって走り出した。
ナツも、槍を一振りして周囲に浮かぶ瓦礫を男に飛ばす。
先ほどの槍ほどまでとはいかないが、それでも巨大な瓦礫が飛ぶには早すぎる速度だった。
男は再び全身から、闇色の帯を放出。
体をグルンと回転させて自分に向かってくる瓦礫をなぎ払った。
そして、右手に闇色の帯をクルクルと纏めて作った大剣を握る。
「…なるほど、君は神話継承とインフィニティの両方を使うのか。
ところで、“君の力”は溜まったかい?」
「ッ!!」
ナツは、男の大剣を軽々と受け止めると男にそういった。
包帯で見えにくい表情が動揺を表している。
無理もない。
事実なのだから。
「神話継承の細かい力は知らない。
だけど、神話継承が力を溜めて放出する能力だとは知っている。
だから、君の持つ能力が溜まる時間を停止させてもらったよ。
なに、難しく考える必要はないさ。
DVDの録画設定と同じだと思えばいいさ。
止めたい所は止めて、好きな時間に進めたり戻したり。
必要であれば、そこをデリートすればいい。」
ナツは、後ろに飛ぶと同時に協力な引力を男にかける。
消費した溜まっていないせいで抵抗し切れず地面にどんどんめり込んでいく。
最終的には、ダメ押しとばかりに瓦礫で押しつぶすように地下の奥深くまでナツは男を沈めた。
力を解除して静まり返り、様子を少し見た後にゆっくりと次に歩みを進める。
ナツが進んだ先には、ニースがいるはずであろう屋敷があった。
だが、屋敷にはニースは疎か誰もいない蛻の殻になっていたのだ。
「…まるで、実験みたいだね…。」
『その通りだ。
貴様の事は見ていた。
アレらを撃退したのは正直驚いたが…まぁいい。
おかげで良いデータがとれた。
細やかではあるが、報酬を用意している…遠慮なく受け取るといい。』
スピーカーからナツに返事をするように声がながれた。
声の主は分からないままだが、ドグマと一緒に話していた男だろう。
声の正体を思考していると屋敷が崩れ始めていた。
神話継承使いとの戦いでスタミナは、それほど残されていない。
森羅万象使いがまだ残っているから、不用意な転移は無駄だろう。
だったら…。
ナツは、最小限の引力で瓦礫の下に空間を作りその場を凌いだ。
引力は微力なら使った形跡が非常に分かり難い。
安全な場所を確保するとナツは、能力を解除して大人しくした。
『さて…今後は如何しようか?
休憩がてら大人しくして、今後の様子を見ようかな。
微量の力しか使ってないし、カメラでは把握は不可。
この場にいたとしても、余程集中力するかしかないし…もう能力の余波はない。』
一晩が経ち、朝を迎えた。
その頃には警備の人間の足音が現れる。
ナツも勿論、起きていた。
足音の数からして人数は、小隊くらい。
姿は分からないが金属の擦れ具合から、武装にも気合いが入っているのだろう。
槍の先端で地面を叩くと、地面が割れて浮き上がっていく。
「…マるで、物語に出てくる魔王のようだな。
多方面の能力を圧倒的力で行使する。
私としては、雑魚を一方的に痛めつける趣味はないからその方が助かるがな!」
男は、ナツに向かって走り出した。
ナツも、槍を一振りして周囲に浮かぶ瓦礫を男に飛ばす。
先ほどの槍ほどまでとはいかないが、それでも巨大な瓦礫が飛ぶには早すぎる速度だった。
男は再び全身から、闇色の帯を放出。
体をグルンと回転させて自分に向かってくる瓦礫をなぎ払った。
そして、右手に闇色の帯をクルクルと纏めて作った大剣を握る。
「…なるほど、君は神話継承とインフィニティの両方を使うのか。
ところで、“君の力”は溜まったかい?」
「ッ!!」
ナツは、男の大剣を軽々と受け止めると男にそういった。
包帯で見えにくい表情が動揺を表している。
無理もない。
事実なのだから。
「神話継承の細かい力は知らない。
だけど、神話継承が力を溜めて放出する能力だとは知っている。
だから、君の持つ能力が溜まる時間を停止させてもらったよ。
なに、難しく考える必要はないさ。
DVDの録画設定と同じだと思えばいいさ。
止めたい所は止めて、好きな時間に進めたり戻したり。
必要であれば、そこをデリートすればいい。」
ナツは、後ろに飛ぶと同時に協力な引力を男にかける。
消費した溜まっていないせいで抵抗し切れず地面にどんどんめり込んでいく。
最終的には、ダメ押しとばかりに瓦礫で押しつぶすように地下の奥深くまでナツは男を沈めた。
力を解除して静まり返り、様子を少し見た後にゆっくりと次に歩みを進める。
ナツが進んだ先には、ニースがいるはずであろう屋敷があった。
だが、屋敷にはニースは疎か誰もいない蛻の殻になっていたのだ。
「…まるで、実験みたいだね…。」
『その通りだ。
貴様の事は見ていた。
アレらを撃退したのは正直驚いたが…まぁいい。
おかげで良いデータがとれた。
細やかではあるが、報酬を用意している…遠慮なく受け取るといい。』
スピーカーからナツに返事をするように声がながれた。
声の主は分からないままだが、ドグマと一緒に話していた男だろう。
声の正体を思考していると屋敷が崩れ始めていた。
神話継承使いとの戦いでスタミナは、それほど残されていない。
森羅万象使いがまだ残っているから、不用意な転移は無駄だろう。
だったら…。
ナツは、最小限の引力で瓦礫の下に空間を作りその場を凌いだ。
引力は微力なら使った形跡が非常に分かり難い。
安全な場所を確保するとナツは、能力を解除して大人しくした。
『さて…今後は如何しようか?
休憩がてら大人しくして、今後の様子を見ようかな。
微量の力しか使ってないし、カメラでは把握は不可。
この場にいたとしても、余程集中力するかしかないし…もう能力の余波はない。』
一晩が経ち、朝を迎えた。
その頃には警備の人間の足音が現れる。
ナツも勿論、起きていた。
足音の数からして人数は、小隊くらい。
姿は分からないが金属の擦れ具合から、武装にも気合いが入っているのだろう。
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