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6 ミリィとお風呂とプロポーズ
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「ミリィ」
「ああ、ムツキ。じゃあ入ろうか。というか他人との入浴に戸惑いがないな」
そう呼んだらいい笑顔で応えるミリオネア様改めミリィ。
「ああ、銭湯、えっと大浴場っていうのがあって、不特定多数の同性同士で風呂に入れるところがあるから皆、気にしないんだ」
「───そうか。何度も?」
俺がニコニコしてそう言うとちょっと唖然としたあと躊躇いがちに聞いてきた。
こっちじゃそういう入浴施設はないのかな。あ、そもそも王族が大人数でお風呂に入るとかも普通はないか。
ただ俺は奨学金で通う苦学生でバイトをかけもちしてて、いくら数百円でも何度も通うのは経済的にキツかったから。
「それなりにお金がかかるからひと月に一度くらい、かな? 行くとジロジロ見られて恥ずかしかったし。真っ白でひょろひょろしてたからかな?」
苦笑しつつそう言ったら何やらブツブツと呟いていたミリィだったが、何か決意したような顔で風呂場に俺を誘導した。
風呂場には魔力を流して使うシャワーやらソープやらの魔導具がたくさんあって、俺はその魔力を流すやり方も分からないからと、ミリィが全て使って俺の全身を洗ってくれた。
王太子って次の国王ってことだよね? そんな人に洗って貰って大丈夫なのか、俺? 今更だけど不敬じゃない?
慣れないだろうからって、手ずからふわふわのモコモコ泡で洗ってくれたんだけど、何かあちこち触られると擽ったいし、ちょっとソレとは違うぞわっとしたモノが背筋を通ってヘンな気持ちになる。
でも我慢して、気を紛らわすようにさっき聞いた話で疑問に思ったことをミリィに聞いてみた。
「そういえば、さっき聞きそびれたんだけど」
「うん? 何かな?」
・・・・・・聞いてる間もミリィの手がモゾモゾ動いていてやっぱり気になるなぁ・・・・・・。
「あの、ここって同性同士で結婚って当たり前なの? あと、ナツメ様って、その───妊娠中って言ってたよね?」
「ああ、あれか。そうだな、婚姻出来るし子供も作れるぞ」
───おおう。やっぱりか。
俺は溜め息を吐いて苦笑した。
「はあ・・・・・・本当なんだ。凄いな異世界。俺のいた世界では同性婚は稀で、当然子供は男女のセックスでしか出来ないから驚いちゃって」
「・・・・・・ムツキは同性同士で男同士って、嫌悪とかない?」
「それはないな。最近じゃ割とオープンで付き合う人もいるし、俺としては好きな相手がたまたま同性だったってだけだよねって感じ」
そう言ったらミリィはホッとしたようだった。
こういう世界で当たり前なら、拒絶されたら気分は悪いよね。俺だって気まずくなるし。
「そうか。よかった。ちなみに、向こうの世界に想い人とかは・・・・・・」
「いないよ」
バイトと勉強に明け暮れててそんな暇も心の余裕もない毎日だったし。
だから恋愛経験皆無だよ。
年齢=恋人なし。
そんなことを告げれば何かご機嫌になったミリィに湯船に入れられ、ちょっと深くて溺れそうになりミリィの膝の上に抱えられることになって。
そうしたらなぜかミリィの陰茎が元気になっていて、俺もつられるように緩く勃起してて。
命のやり取りをしたあとだと本能で性欲が昂るのだとかで何か流されてお互い抜きっこするとことになり。
風呂上がり、ボーッとしたまま用意されていた軽食をなぜかミリィの膝の上で食べさせられて。
さっきの抜きっこでも疲れていた上にお腹が膨れて眠くなってくる。
「俺、このソファで寝るね」
「いやいや、何言ってるの? ベッドで寝るんだよ? さっき父上も私の部屋で寝るように言ったろう?」
「だからこの部屋のソファで───」
「───ダメだよ、風邪引くよ!」
そんな押し問答の末にミリィの説得に負けて一緒にベッドに入る。
◇◇◇
───そのあとはもう、あとで思い出しても恥ずかしい。
ベッドの上でミリィの手に翻弄され、その上ミリィにもう元の世界には戻れないと断言されて。
でもキッパリと未練を断ってくれたのがミリィでよかったと言ったら、ミリィにプロポーズをされて半ば強引だったけど嬉しくて後ろの処女を捧げることになって。
俺は小さい頃からずっと初めては大好きな人とって決めてたから、ミリィが初めてでよかったって思った。
───だからって初心者相手に盛りすぎだと思うんだよね。
散々啼かされた翌日、というか明け方頃までヤってた気がするから今日?
午前中にナツメ様達が来ていたらしいんだけど、かくかくしかじかで俺の魔力測定とかの検査の予定が午後に後ろ倒しになったと伝えておいた、とミリィがお昼に目が覚めた俺に教えてくれた。
それって、彼らに夕べのアレなことやアレなことがバレバレってことだよね!?
いや今更アレなんて誤魔化し要らないだろうけど!
もういやー!
この世界ではそういうのも明け透けなの!? それとも貴族だから!?
全然常識が分からない!
俺は恥ずかしすぎて、しばらくベッドに潜ってぴるぴる羞恥に震えていたのだった。
※二人の詳しいR18は【重たい愛】の王太子sideにありますので省略させて頂きます。
気になる方はそちらを読んで下さいませ。
次話からは新しい続きの話の予定です。
最近スマホの調子が悪くて文字変換のラグで誤字が多いですが、気付いたら直すようにしてます。スミマセン。
「ああ、ムツキ。じゃあ入ろうか。というか他人との入浴に戸惑いがないな」
そう呼んだらいい笑顔で応えるミリオネア様改めミリィ。
「ああ、銭湯、えっと大浴場っていうのがあって、不特定多数の同性同士で風呂に入れるところがあるから皆、気にしないんだ」
「───そうか。何度も?」
俺がニコニコしてそう言うとちょっと唖然としたあと躊躇いがちに聞いてきた。
こっちじゃそういう入浴施設はないのかな。あ、そもそも王族が大人数でお風呂に入るとかも普通はないか。
ただ俺は奨学金で通う苦学生でバイトをかけもちしてて、いくら数百円でも何度も通うのは経済的にキツかったから。
「それなりにお金がかかるからひと月に一度くらい、かな? 行くとジロジロ見られて恥ずかしかったし。真っ白でひょろひょろしてたからかな?」
苦笑しつつそう言ったら何やらブツブツと呟いていたミリィだったが、何か決意したような顔で風呂場に俺を誘導した。
風呂場には魔力を流して使うシャワーやらソープやらの魔導具がたくさんあって、俺はその魔力を流すやり方も分からないからと、ミリィが全て使って俺の全身を洗ってくれた。
王太子って次の国王ってことだよね? そんな人に洗って貰って大丈夫なのか、俺? 今更だけど不敬じゃない?
慣れないだろうからって、手ずからふわふわのモコモコ泡で洗ってくれたんだけど、何かあちこち触られると擽ったいし、ちょっとソレとは違うぞわっとしたモノが背筋を通ってヘンな気持ちになる。
でも我慢して、気を紛らわすようにさっき聞いた話で疑問に思ったことをミリィに聞いてみた。
「そういえば、さっき聞きそびれたんだけど」
「うん? 何かな?」
・・・・・・聞いてる間もミリィの手がモゾモゾ動いていてやっぱり気になるなぁ・・・・・・。
「あの、ここって同性同士で結婚って当たり前なの? あと、ナツメ様って、その───妊娠中って言ってたよね?」
「ああ、あれか。そうだな、婚姻出来るし子供も作れるぞ」
───おおう。やっぱりか。
俺は溜め息を吐いて苦笑した。
「はあ・・・・・・本当なんだ。凄いな異世界。俺のいた世界では同性婚は稀で、当然子供は男女のセックスでしか出来ないから驚いちゃって」
「・・・・・・ムツキは同性同士で男同士って、嫌悪とかない?」
「それはないな。最近じゃ割とオープンで付き合う人もいるし、俺としては好きな相手がたまたま同性だったってだけだよねって感じ」
そう言ったらミリィはホッとしたようだった。
こういう世界で当たり前なら、拒絶されたら気分は悪いよね。俺だって気まずくなるし。
「そうか。よかった。ちなみに、向こうの世界に想い人とかは・・・・・・」
「いないよ」
バイトと勉強に明け暮れててそんな暇も心の余裕もない毎日だったし。
だから恋愛経験皆無だよ。
年齢=恋人なし。
そんなことを告げれば何かご機嫌になったミリィに湯船に入れられ、ちょっと深くて溺れそうになりミリィの膝の上に抱えられることになって。
そうしたらなぜかミリィの陰茎が元気になっていて、俺もつられるように緩く勃起してて。
命のやり取りをしたあとだと本能で性欲が昂るのだとかで何か流されてお互い抜きっこするとことになり。
風呂上がり、ボーッとしたまま用意されていた軽食をなぜかミリィの膝の上で食べさせられて。
さっきの抜きっこでも疲れていた上にお腹が膨れて眠くなってくる。
「俺、このソファで寝るね」
「いやいや、何言ってるの? ベッドで寝るんだよ? さっき父上も私の部屋で寝るように言ったろう?」
「だからこの部屋のソファで───」
「───ダメだよ、風邪引くよ!」
そんな押し問答の末にミリィの説得に負けて一緒にベッドに入る。
◇◇◇
───そのあとはもう、あとで思い出しても恥ずかしい。
ベッドの上でミリィの手に翻弄され、その上ミリィにもう元の世界には戻れないと断言されて。
でもキッパリと未練を断ってくれたのがミリィでよかったと言ったら、ミリィにプロポーズをされて半ば強引だったけど嬉しくて後ろの処女を捧げることになって。
俺は小さい頃からずっと初めては大好きな人とって決めてたから、ミリィが初めてでよかったって思った。
───だからって初心者相手に盛りすぎだと思うんだよね。
散々啼かされた翌日、というか明け方頃までヤってた気がするから今日?
午前中にナツメ様達が来ていたらしいんだけど、かくかくしかじかで俺の魔力測定とかの検査の予定が午後に後ろ倒しになったと伝えておいた、とミリィがお昼に目が覚めた俺に教えてくれた。
それって、彼らに夕べのアレなことやアレなことがバレバレってことだよね!?
いや今更アレなんて誤魔化し要らないだろうけど!
もういやー!
この世界ではそういうのも明け透けなの!? それとも貴族だから!?
全然常識が分からない!
俺は恥ずかしすぎて、しばらくベッドに潜ってぴるぴる羞恥に震えていたのだった。
※二人の詳しいR18は【重たい愛】の王太子sideにありますので省略させて頂きます。
気になる方はそちらを読んで下さいませ。
次話からは新しい続きの話の予定です。
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