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20 対策会議 3
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「ところでこの件は陛下には───」
「これから奏上する予定だ。まあ、あちらでも頭を抱えそうな案件だが、今は貞操は守られるということだけでも万々歳だな」
ササナギがミリィに聞くと、そう応えが返った。
うーん。国王様、すみません。
「それから陛下とも相談の上ムツキの細かい予定を詰めていこう」
「うん」
「警備体制も確認しないとな」
「私の方でも結界の確認とか諸々忙しくなりそうですね」
「……その割に楽しそうだね?」
一人ウキウキな様子のティメール師団長に苦笑するとにっこり笑って言った。
「だって、どこが弱いとかどういう風に侵入したのかとか確認し放題ですよ。そこから更に強化したり、もう私のやりたい放題! でもね」
さっきまでの楽しげな雰囲気とはガラリと変わってティメール師団長が呟いた。
「この私に喧嘩を売ったことを後悔させてやらないとですよね?」
にっこりしてるのに目は笑ってない。
ゾクッと悪寒のような寒気に俺はぶるりと震えた。
「ティメール師団長。あまりムツキを怖がらせるな」
俺の様子に気付いたミリィが肩を抱き寄せてきてそう言った。
言われた師団長はというと、途端にケロッといつもの調子に戻って笑った。
「おや? そんなことないですよねぇ? ムツキ様」
「ぇ、あ……うん?」
その様子に俺は曖昧に頷くしかない。アレかな、触らぬ神に祟りなし。
「……はあ。もういい。とりあえず色々と情報を整理したいから今日は一旦解散で。ササナギとナツメも助かった。ありがとう」
「いえ、また何かあればいつでも呼んでください。じゃあムツキはゆっくり休んでね」
「ミリオネアも無理をさせるなよ?」
ミリィがそう言うのに合わせて席を立つナツメとササナギに苦笑する。
「うん、ありがとう」
「……善処する」
ミリィは何を善処するんだ?
首を傾げているとササナギ達は訳知り顔をして苦笑した。
「では私も他の師団員達と点検作業といきますか。ムツキ様、何かあればいつでもお声がけください」
「ティメール師団長もありがとう」
最後に師団長もそう言って部屋を出て行って、シンと静まりかえった室内。
扉の前にいる近衛騎士は使用人を呼んでお茶の片付けを頼んでいた。
「さて、私達は陛下に面会を求めよう。先触れを出すから、都合のいい時間までゆっくり過ごそう」
「それはありがたいけど、ミリィは仕事は? 溜まってるんじゃないの? 大丈夫?」
「まあ、今日一日は予定を白紙にして貰ってるから大丈夫。……明日からはちょっと忙しくなるかな?」
それって俺の魔力暴走の件もあるよな?
「ええと、ごめんな。俺で出来ることなら手伝うから何でも言って?」
「ありがとう、ムツキ。ならそばにいてくれるだけでも癒されて助かるんだけど」
「いやそう言うことじゃなくて……はあ、まあいいか」
こうしているうちに国王からの返答があって、面会の時間までまったりしてから移動した。
今回は国王の執務室で会うそうだ。
まあ、内容があれだからな。
この短期間で色々と大事になってて申し訳ないなぁ。
*短いですが切りよく。
近況報告にもありますがちょっと諸事情で当分の間、全面的に更新が滞ります。
途中まで書いてあるモノにちまちま足して仕上がったモノをたまに投稿するくらいです。
お待ち頂けるとありがたいです。
「これから奏上する予定だ。まあ、あちらでも頭を抱えそうな案件だが、今は貞操は守られるということだけでも万々歳だな」
ササナギがミリィに聞くと、そう応えが返った。
うーん。国王様、すみません。
「それから陛下とも相談の上ムツキの細かい予定を詰めていこう」
「うん」
「警備体制も確認しないとな」
「私の方でも結界の確認とか諸々忙しくなりそうですね」
「……その割に楽しそうだね?」
一人ウキウキな様子のティメール師団長に苦笑するとにっこり笑って言った。
「だって、どこが弱いとかどういう風に侵入したのかとか確認し放題ですよ。そこから更に強化したり、もう私のやりたい放題! でもね」
さっきまでの楽しげな雰囲気とはガラリと変わってティメール師団長が呟いた。
「この私に喧嘩を売ったことを後悔させてやらないとですよね?」
にっこりしてるのに目は笑ってない。
ゾクッと悪寒のような寒気に俺はぶるりと震えた。
「ティメール師団長。あまりムツキを怖がらせるな」
俺の様子に気付いたミリィが肩を抱き寄せてきてそう言った。
言われた師団長はというと、途端にケロッといつもの調子に戻って笑った。
「おや? そんなことないですよねぇ? ムツキ様」
「ぇ、あ……うん?」
その様子に俺は曖昧に頷くしかない。アレかな、触らぬ神に祟りなし。
「……はあ。もういい。とりあえず色々と情報を整理したいから今日は一旦解散で。ササナギとナツメも助かった。ありがとう」
「いえ、また何かあればいつでも呼んでください。じゃあムツキはゆっくり休んでね」
「ミリオネアも無理をさせるなよ?」
ミリィがそう言うのに合わせて席を立つナツメとササナギに苦笑する。
「うん、ありがとう」
「……善処する」
ミリィは何を善処するんだ?
首を傾げているとササナギ達は訳知り顔をして苦笑した。
「では私も他の師団員達と点検作業といきますか。ムツキ様、何かあればいつでもお声がけください」
「ティメール師団長もありがとう」
最後に師団長もそう言って部屋を出て行って、シンと静まりかえった室内。
扉の前にいる近衛騎士は使用人を呼んでお茶の片付けを頼んでいた。
「さて、私達は陛下に面会を求めよう。先触れを出すから、都合のいい時間までゆっくり過ごそう」
「それはありがたいけど、ミリィは仕事は? 溜まってるんじゃないの? 大丈夫?」
「まあ、今日一日は予定を白紙にして貰ってるから大丈夫。……明日からはちょっと忙しくなるかな?」
それって俺の魔力暴走の件もあるよな?
「ええと、ごめんな。俺で出来ることなら手伝うから何でも言って?」
「ありがとう、ムツキ。ならそばにいてくれるだけでも癒されて助かるんだけど」
「いやそう言うことじゃなくて……はあ、まあいいか」
こうしているうちに国王からの返答があって、面会の時間までまったりしてから移動した。
今回は国王の執務室で会うそうだ。
まあ、内容があれだからな。
この短期間で色々と大事になってて申し訳ないなぁ。
*短いですが切りよく。
近況報告にもありますがちょっと諸事情で当分の間、全面的に更新が滞ります。
途中まで書いてあるモノにちまちま足して仕上がったモノをたまに投稿するくらいです。
お待ち頂けるとありがたいです。
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でも、ムツキにも何か嬉しいスキルはえてたらいいなぁと思います。今のところ全体的に可哀想過ぎるので😅💦
作者もすっかり忘れてたw
そうですね、ムツキはちょっと不憫すぎるのでどこかで何かいいことがあればいいですね😄
わぁ、何だかすごーくピンチな案件発覚⚡😭💣
だけど守ってくれる人もいる。
そのまま兵器にされてしまいそうだけど、闇ギルドの連中に気づかれなくて良かった👊😭✨
実はとってもヤバい能力持ちでした😨
幸いだったのは奴隷時代に知られなかったことですね😄
実は貞操を護る魔法もコレを護るためだった!?
大丈夫! ムツキを護ってくれる人達、大勢いるよ😆
魔法バカは私のこころのよりどころ❤️
刺さった方がいて嬉しいです😆👍