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序 または雑な説明ともいう
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俺こと遠藤虹妃は、気付いたら水の中にいた。訳分からん。
「死ぬ! 息が出来な・・・・・・くないな? あれ、これ夢??」
なんか薄い膜のような物に包まれているようで、苦しくない。不思議。水中から見える太陽がキラキラ。ゆらゆら。
ああ、母親の胎内で浮いてる感じって、こんなのかな? なんて、母親の顔も知らないのに何言ってんだろ。
でもこのまま眠っていたい・・・。
・・・・・・・・・ん?
太陽が急に目の前に。違う、男前なイケメンが。あれ、水の中だよな? え、飛び込んできた?
抱き込まれた瞬間、膜が壊れたみたいで一気に苦しくなった。イケメンがぐいぐい水面に向かって泳いでいく。凄いと思う間もなく、俺は溺れかけて意識を失った。
夢じゃなかったんかい?!
次に目覚めたときには、夜で、焚き火の側で毛布に包まれて横になっていた。その火をぼーっと見ていたら、俺の後ろから声がした。
「目が覚めたようだな。よかった。気分はどうだ?」
振り向けばさっきのイケメンがテントから顔を出した所だった。
手には食器のような物を持っている。何とはなしに見ると、色素の薄い白金の髪にアクアマリンのような透き通った瞳の、細マッチョな男前な王子がいた。もう一度言う。王子だ。
十人が十人とも王子と言うだろうイケメンが、ぽけっとしてる俺に近付いておでこに手を当てて、
「熱はないな。・・・大丈夫か?」
と、気遣わしげに覗き込んできた。ドキッとしたわ!
「え、と、大丈夫です。ありがとうごさいます」
慌てて返事をする。ビックリした。長い睫毛、って何を言ってるんだ。
「そうか、大丈夫そうなら、晩飯でも食べながら少し話そう。確認したい事もあるし」
そう言って、スープとパンを渡してきた。
「ありがとうございます。えと、」
「ああすまない、俺は冒険者でクラビスと言う。君の名前を聞いても?」
そう言われて、はた、と気付く。そもそも・・・。
「ここはどこ?」
森を見つめてぽそっと呟いた。
質問の答えになっていない俺の独り言を聞いたクラビスが、目を見張ったのに気付かなかった。
「・・・フロウの街から徒歩で半日ほどにあるラスの森だ」
「フロウ? ラス?」
聞いたことない。思わず首をコテッとしてクラビスを見た。
「・・・・・・どうして水の中にいたのか聞いても?」
う~ん。どうしても何も。
「気付いたら水の中で。俺も分からないんです。なんで? 夢じゃない、の?」
そういえばさっきは苦しかったし、水も冷たくて。
え、まさか、異世界転移ってやつ?
あれは傍観者だから楽しいんであって、当事者なんてお断りなやつ!!
自覚したら震えがきた。やだ、止まんない。
どうしよう。落ち着け。何があった? ちっとも分かんない。原因なんて心当たりないぞ?!
パニクる俺を落ち着かせるようにクラビスが抱きしめた。
「焦らなくていい。俺が側にいるから、安心して?」
「クラビスさ、ん。俺、なんで、何にも分かんな・・・」
「大丈夫、俺がいる」
その力強い腕の中で、俺は情けなくも涙目になりながら再び意識をなくした。
キャパオーバーの頭の中でこの世界の神様が言うには、俺は元々この世界の人間で、貴族の三男で、生まれて間もなく時空の歪みに巻き込まれて地球に飛ばされ、再び戻された、とのこと。
滅多にない確率で飛ばされたとか。俺の幸運値、ぜってーマイナスだろ!
通りで、施設に引き取られた訳だ。元から地球に親は存在してなかったんだな。今更文句を言う気もないが、何とかならなかったんですかね?! 神様。
え? 加護をくれる? この世界のスキルは生まれ持った能力のほかに後天的に加護で増えたりするって?
まあ、くれるなら貰うけど。別に『俺TUEEE』とかは要らないよ?
向こうでけっこう大変だったから、求む!!スローライフ!
え? コッチの世界に戻しただけ? 好きに生きていいって? やった!
後はステータス確認してね? ゲームみたいだな。何かあったら教会へ? らじゃ! ラノベあるあるおっけ!(ヤケクソ)
じゃあ、いい加減寝ていいかな? もう疲れたよ、主に精神が。
おやすみなさい。ぐう・・・。
「死ぬ! 息が出来な・・・・・・くないな? あれ、これ夢??」
なんか薄い膜のような物に包まれているようで、苦しくない。不思議。水中から見える太陽がキラキラ。ゆらゆら。
ああ、母親の胎内で浮いてる感じって、こんなのかな? なんて、母親の顔も知らないのに何言ってんだろ。
でもこのまま眠っていたい・・・。
・・・・・・・・・ん?
太陽が急に目の前に。違う、男前なイケメンが。あれ、水の中だよな? え、飛び込んできた?
抱き込まれた瞬間、膜が壊れたみたいで一気に苦しくなった。イケメンがぐいぐい水面に向かって泳いでいく。凄いと思う間もなく、俺は溺れかけて意識を失った。
夢じゃなかったんかい?!
次に目覚めたときには、夜で、焚き火の側で毛布に包まれて横になっていた。その火をぼーっと見ていたら、俺の後ろから声がした。
「目が覚めたようだな。よかった。気分はどうだ?」
振り向けばさっきのイケメンがテントから顔を出した所だった。
手には食器のような物を持っている。何とはなしに見ると、色素の薄い白金の髪にアクアマリンのような透き通った瞳の、細マッチョな男前な王子がいた。もう一度言う。王子だ。
十人が十人とも王子と言うだろうイケメンが、ぽけっとしてる俺に近付いておでこに手を当てて、
「熱はないな。・・・大丈夫か?」
と、気遣わしげに覗き込んできた。ドキッとしたわ!
「え、と、大丈夫です。ありがとうごさいます」
慌てて返事をする。ビックリした。長い睫毛、って何を言ってるんだ。
「そうか、大丈夫そうなら、晩飯でも食べながら少し話そう。確認したい事もあるし」
そう言って、スープとパンを渡してきた。
「ありがとうございます。えと、」
「ああすまない、俺は冒険者でクラビスと言う。君の名前を聞いても?」
そう言われて、はた、と気付く。そもそも・・・。
「ここはどこ?」
森を見つめてぽそっと呟いた。
質問の答えになっていない俺の独り言を聞いたクラビスが、目を見張ったのに気付かなかった。
「・・・フロウの街から徒歩で半日ほどにあるラスの森だ」
「フロウ? ラス?」
聞いたことない。思わず首をコテッとしてクラビスを見た。
「・・・・・・どうして水の中にいたのか聞いても?」
う~ん。どうしても何も。
「気付いたら水の中で。俺も分からないんです。なんで? 夢じゃない、の?」
そういえばさっきは苦しかったし、水も冷たくて。
え、まさか、異世界転移ってやつ?
あれは傍観者だから楽しいんであって、当事者なんてお断りなやつ!!
自覚したら震えがきた。やだ、止まんない。
どうしよう。落ち着け。何があった? ちっとも分かんない。原因なんて心当たりないぞ?!
パニクる俺を落ち着かせるようにクラビスが抱きしめた。
「焦らなくていい。俺が側にいるから、安心して?」
「クラビスさ、ん。俺、なんで、何にも分かんな・・・」
「大丈夫、俺がいる」
その力強い腕の中で、俺は情けなくも涙目になりながら再び意識をなくした。
キャパオーバーの頭の中でこの世界の神様が言うには、俺は元々この世界の人間で、貴族の三男で、生まれて間もなく時空の歪みに巻き込まれて地球に飛ばされ、再び戻された、とのこと。
滅多にない確率で飛ばされたとか。俺の幸運値、ぜってーマイナスだろ!
通りで、施設に引き取られた訳だ。元から地球に親は存在してなかったんだな。今更文句を言う気もないが、何とかならなかったんですかね?! 神様。
え? 加護をくれる? この世界のスキルは生まれ持った能力のほかに後天的に加護で増えたりするって?
まあ、くれるなら貰うけど。別に『俺TUEEE』とかは要らないよ?
向こうでけっこう大変だったから、求む!!スローライフ!
え? コッチの世界に戻しただけ? 好きに生きていいって? やった!
後はステータス確認してね? ゲームみたいだな。何かあったら教会へ? らじゃ! ラノベあるあるおっけ!(ヤケクソ)
じゃあ、いい加減寝ていいかな? もう疲れたよ、主に精神が。
おやすみなさい。ぐう・・・。
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