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第三章 辺境編
後始末と眠れる森の美少年?
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---失敗した!
クラビスを始めとした4人全員一致で思った。
全くもって失念していた。
コカトリスに気を取られて、アルカスが倒した後の事に思い至らなかった。
コカトリスなんて大物、得られる経験値が膨大なことに加えてアルカスの加護がとんでもない事態を引き起こす。
アルカスが意識を失う瞬間の、申し訳なさそうな顔が瞼の裏にこびりついていた。
『やっちゃった! うっかりしてた』
そんな顔だった。
急に意識を失ったアルカスにアーサー達が驚き、珍しく焦った様子のクラビス達を見るが何がどうしたのか全く分からない。
「クラビス、アルカスはいったい・・・」
「すまない。詳しい話は帰ってからでいいか? ひとまず果ての森から出よう」
幸い、被害はこの辺りのみだ。
調査ももう大丈夫だろう。
そうして、道すがらアーサーにザッと事の経緯を話す。もちろん口止めしてだが。
アルカスが異世界育ちの為にレベルが無かったこと。
加護の影響で急激にレベルアップするため、体が耐えきれずに時々意識を失う事など。
今回、コカトリスなんて大物だったせいでおそらく凄まじいレベルアップをしたため倒れた事を話した。
数日間眠るだろうと予想されるので、このままアーサーの邸で休ませたいと言えば、『是』の応え。
「もちろんだとも。何時まででも良いぞ」
と、二つ返事で返ってきた。
ありがたい。
邸に着いてすぐに、あてがわれた部屋に行き浄化してアルカスを寝かせる。
一旦寝室を後にし、フェイに今回の調査及び討伐の報告を頼む。
「アルカスに付いていてやるんだろ? そのつもりでこっちは動くから気にすんな。お前じゃないと無理なときだけ声をかけるから」
「・・・すまない。助かる、フェイ。ウィステリア様もリリーも」
「我らはのんびり過ごすでの、気にするな。それより早うアルカスの元へ戻ってやれ」
「そうだぜ。今回は俺の出番がなくって暇だから、鈍らないようにここの騎士団と手合わせでもしてるさ」
そう言われて、苦笑しながらアルカスの元へと急いだ。
浄化はかけたが、武装を解いて寝衣に着替えさせないと。
眠っているというよりは気絶しているアルカスの服を着替えさせ、自分も部屋着になってホッと一息つく。
---しかし参った。完全に頭から抜け落ちていた。
俺もコカトリスでちょっと混乱してたようだ。
アルカス本人もうっかりしてたようだし、ウィステリア様達も忘れていたようだった。
珍しい事だ。
アルカスの強運が仕事をしたんだろう。
幸いなことに他に危険はなかったので良かったが、アルカスに魔物の討伐をさせるときは気を付けねばならない。
「・・・・・・俺も少し休むか」
精神的に疲れたな。アルカスを抱きしめて回復しよう。
その頃、アーサー達は果ての森の後始末をしていた。
フェイがクラビスの代わりにギルドに連絡をしている。
「ああ、そう。異変の元のコカトリスはアルカスが凍らせて倒した。ついでにグリフォンの死体も冷凍保存されてるから、帰ったら確認を頼む」
【それで、アルカスは無事なんだな?】
「ちょーっとレベルアップのせいで寝てるけど、他はどこも怪我とかないし大丈夫! 目が覚めるまではここでお世話になるからよろしく」
【分かった。フォレスター家には連絡はしたのか?】
「いや、これから。・・・・・・何度かしてるとはいえ、アルカスの事となると凄いからな。連絡したくねえ・・・」
大騒ぎするのが目に見えるようだ・・・・・・。
そうして意を決して連絡したら、案の定フォレスター家は大騒ぎで、王都で仕事中であるはずの将軍やら魔導師副団長やらがギャーギャー連絡してきて収拾がつかなくなった。
「コカトリスの後始末よりこっちの方が断然面倒臭いわ・・・・・・」
ゲンナリしたフェイに、その場にいた全員が首を縦に振って同意した。
『どんまい!』
いい笑顔でそう言うアルカスの幻聴が聞こえるようだった・・・・・・。
クラビスを始めとした4人全員一致で思った。
全くもって失念していた。
コカトリスに気を取られて、アルカスが倒した後の事に思い至らなかった。
コカトリスなんて大物、得られる経験値が膨大なことに加えてアルカスの加護がとんでもない事態を引き起こす。
アルカスが意識を失う瞬間の、申し訳なさそうな顔が瞼の裏にこびりついていた。
『やっちゃった! うっかりしてた』
そんな顔だった。
急に意識を失ったアルカスにアーサー達が驚き、珍しく焦った様子のクラビス達を見るが何がどうしたのか全く分からない。
「クラビス、アルカスはいったい・・・」
「すまない。詳しい話は帰ってからでいいか? ひとまず果ての森から出よう」
幸い、被害はこの辺りのみだ。
調査ももう大丈夫だろう。
そうして、道すがらアーサーにザッと事の経緯を話す。もちろん口止めしてだが。
アルカスが異世界育ちの為にレベルが無かったこと。
加護の影響で急激にレベルアップするため、体が耐えきれずに時々意識を失う事など。
今回、コカトリスなんて大物だったせいでおそらく凄まじいレベルアップをしたため倒れた事を話した。
数日間眠るだろうと予想されるので、このままアーサーの邸で休ませたいと言えば、『是』の応え。
「もちろんだとも。何時まででも良いぞ」
と、二つ返事で返ってきた。
ありがたい。
邸に着いてすぐに、あてがわれた部屋に行き浄化してアルカスを寝かせる。
一旦寝室を後にし、フェイに今回の調査及び討伐の報告を頼む。
「アルカスに付いていてやるんだろ? そのつもりでこっちは動くから気にすんな。お前じゃないと無理なときだけ声をかけるから」
「・・・すまない。助かる、フェイ。ウィステリア様もリリーも」
「我らはのんびり過ごすでの、気にするな。それより早うアルカスの元へ戻ってやれ」
「そうだぜ。今回は俺の出番がなくって暇だから、鈍らないようにここの騎士団と手合わせでもしてるさ」
そう言われて、苦笑しながらアルカスの元へと急いだ。
浄化はかけたが、武装を解いて寝衣に着替えさせないと。
眠っているというよりは気絶しているアルカスの服を着替えさせ、自分も部屋着になってホッと一息つく。
---しかし参った。完全に頭から抜け落ちていた。
俺もコカトリスでちょっと混乱してたようだ。
アルカス本人もうっかりしてたようだし、ウィステリア様達も忘れていたようだった。
珍しい事だ。
アルカスの強運が仕事をしたんだろう。
幸いなことに他に危険はなかったので良かったが、アルカスに魔物の討伐をさせるときは気を付けねばならない。
「・・・・・・俺も少し休むか」
精神的に疲れたな。アルカスを抱きしめて回復しよう。
その頃、アーサー達は果ての森の後始末をしていた。
フェイがクラビスの代わりにギルドに連絡をしている。
「ああ、そう。異変の元のコカトリスはアルカスが凍らせて倒した。ついでにグリフォンの死体も冷凍保存されてるから、帰ったら確認を頼む」
【それで、アルカスは無事なんだな?】
「ちょーっとレベルアップのせいで寝てるけど、他はどこも怪我とかないし大丈夫! 目が覚めるまではここでお世話になるからよろしく」
【分かった。フォレスター家には連絡はしたのか?】
「いや、これから。・・・・・・何度かしてるとはいえ、アルカスの事となると凄いからな。連絡したくねえ・・・」
大騒ぎするのが目に見えるようだ・・・・・・。
そうして意を決して連絡したら、案の定フォレスター家は大騒ぎで、王都で仕事中であるはずの将軍やら魔導師副団長やらがギャーギャー連絡してきて収拾がつかなくなった。
「コカトリスの後始末よりこっちの方が断然面倒臭いわ・・・・・・」
ゲンナリしたフェイに、その場にいた全員が首を縦に振って同意した。
『どんまい!』
いい笑顔でそう言うアルカスの幻聴が聞こえるようだった・・・・・・。
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