4 / 26
4 にゃにゃにゃぁにゃ(自己紹介)
しおりを挟む
たぶんこの人が僕の保護者になるんだろう。
でも僕はにゃあと啼くだけなんだけど、どうしよう?
えっと、神様はなんて言ってたっけ・・・?
僕が黙ってしまったのに気を悪くもせず、ヒョウガさんは顎に手を当てて少し考えた後、僕に言った。
「〈念話〉出来るか?」
んん?
あ! 神様が去り際に叫んでたヤツ!
もちろん出来ませんとも!
その意味も込めて首をコテンと傾げる。
「っかわ、ゴホン。じゃあ、俺が君に魔力を流して頭の中で話しかけるから、聞こえたら君も頭で考えてくれ」
「うん」
そうしたらそっと抱き上げて自分のおでこに僕のおでこをコツンと合わせた。
そして温かいモノが体を巡って来て、たぶん魔力なんだろうなと思っていると不意にチャンネルがあったように鮮明な『声』が頭に響いた。
『聞こえたか?』
『う、うん。聞こえる』
そう思ったら、おもむろに額を離して僕をテーブルに載せた。
そしてそのまま〈念話〉で聞いてきた。
『これでも聞こえるか?』
『! 聞こえる! 凄ーい!!』
『よかった。これでいつでも話が出来るぞ』
そういってホッとしたヒョウガさん。
じゃあ、自己紹介をしよう!
『あの、僕はサナって言います。よろしくお願いします』
そういってペコリ。
顔をあげると微笑ましそうな顔をしたヒョウガさんと目があった。
なんか照れる。
『サナ、俺は神様から君のことを託されたんだ。保護して手元に置くようにと。誰にも渡しては駄目だと。だが、お告げ関係なく君を大切にするよ。それだけは信じて』
凄く真剣な目だった。
もちろん僕は疑わないよ。
猫になったからなのか、本能でこの人は大丈夫って、安心できるって思うんだ。
だから。
『もちろん!』
即答した。
『・・・とりあえず、僕の〈ステータス〉見て貰っていい? 後、神様がうんと、〈隠蔽〉の魔法を教えて貰いなさいって言ってたの』
『・・・見てもいいのか?』
『うん、ヒョウガさんだけね!』
『分かった。じゃあ〈ステータスオープン〉と言ってくれるか? それで他の人にも見せられるから。くれぐれも俺以外には駄目だぞ?』
コクンと頷いて〈ステータスオープン〉と唱えた。
次いで現れた僕のステータスを見て少し固まっヒョウガさんだったけど、再起動したみたいで色々質問してきた。
あ、僕が念話出来るようになったから、ヒョウガさんは普通に話してもらった。
「サナは貴族なのか?」
『ううん、僕のいたところでは皆、家名を持ってるの。貴族とかの階級はずっと昔に廃止されたから』
「そうか。こちらでは家名を持ってるのは大抵貴族で、豪商人などが家名を貰っている場合もあるが、普段はサナとだけ名乗ろうな」
『はあい』
異世界あるあるだね。貴族なんてイヤだから絶対関わらないようにしようっと。
「あと年齢だが、元は16才って事か? 猫又としては生まれたばかりのようだが・・・」
『元の体の年齢が16才。たぶん0才なのは猫又で生まれ直したからだと思う。前はね、16才で学生だったんだよ』
「へえ、学生ねえ。こちらでは16才は成人になる歳だから、平民はすでに働いてる者がほとんどだな。貴族は学園に通っているが」
ふんふん。元の年齢だと成人なんだ。
でも今の僕は・・・・・・赤ちゃん。
「あとはクレール神の加護と愛し子か。効果が凄まじいから隠蔽しないと。異世界転生者も隠さないとな。よし、さっさと〈隠蔽〉を覚えてステータス弄っちゃおう!」
『了解です!』
その後すぐに隠蔽を覚えてステータスを隠したので、今はコレだけ。
【名前:サナ
性別:男
年齢:0才
種族:猫又
称号:無し】
うん。シンプルで実にいい。
面倒ごと、駄目!絶対!!
満足して二又の尻尾がゆらゆら揺れていたのを目を細めて楽しそうにヒョウガが見ていたのには気付かなかった。
でも僕はにゃあと啼くだけなんだけど、どうしよう?
えっと、神様はなんて言ってたっけ・・・?
僕が黙ってしまったのに気を悪くもせず、ヒョウガさんは顎に手を当てて少し考えた後、僕に言った。
「〈念話〉出来るか?」
んん?
あ! 神様が去り際に叫んでたヤツ!
もちろん出来ませんとも!
その意味も込めて首をコテンと傾げる。
「っかわ、ゴホン。じゃあ、俺が君に魔力を流して頭の中で話しかけるから、聞こえたら君も頭で考えてくれ」
「うん」
そうしたらそっと抱き上げて自分のおでこに僕のおでこをコツンと合わせた。
そして温かいモノが体を巡って来て、たぶん魔力なんだろうなと思っていると不意にチャンネルがあったように鮮明な『声』が頭に響いた。
『聞こえたか?』
『う、うん。聞こえる』
そう思ったら、おもむろに額を離して僕をテーブルに載せた。
そしてそのまま〈念話〉で聞いてきた。
『これでも聞こえるか?』
『! 聞こえる! 凄ーい!!』
『よかった。これでいつでも話が出来るぞ』
そういってホッとしたヒョウガさん。
じゃあ、自己紹介をしよう!
『あの、僕はサナって言います。よろしくお願いします』
そういってペコリ。
顔をあげると微笑ましそうな顔をしたヒョウガさんと目があった。
なんか照れる。
『サナ、俺は神様から君のことを託されたんだ。保護して手元に置くようにと。誰にも渡しては駄目だと。だが、お告げ関係なく君を大切にするよ。それだけは信じて』
凄く真剣な目だった。
もちろん僕は疑わないよ。
猫になったからなのか、本能でこの人は大丈夫って、安心できるって思うんだ。
だから。
『もちろん!』
即答した。
『・・・とりあえず、僕の〈ステータス〉見て貰っていい? 後、神様がうんと、〈隠蔽〉の魔法を教えて貰いなさいって言ってたの』
『・・・見てもいいのか?』
『うん、ヒョウガさんだけね!』
『分かった。じゃあ〈ステータスオープン〉と言ってくれるか? それで他の人にも見せられるから。くれぐれも俺以外には駄目だぞ?』
コクンと頷いて〈ステータスオープン〉と唱えた。
次いで現れた僕のステータスを見て少し固まっヒョウガさんだったけど、再起動したみたいで色々質問してきた。
あ、僕が念話出来るようになったから、ヒョウガさんは普通に話してもらった。
「サナは貴族なのか?」
『ううん、僕のいたところでは皆、家名を持ってるの。貴族とかの階級はずっと昔に廃止されたから』
「そうか。こちらでは家名を持ってるのは大抵貴族で、豪商人などが家名を貰っている場合もあるが、普段はサナとだけ名乗ろうな」
『はあい』
異世界あるあるだね。貴族なんてイヤだから絶対関わらないようにしようっと。
「あと年齢だが、元は16才って事か? 猫又としては生まれたばかりのようだが・・・」
『元の体の年齢が16才。たぶん0才なのは猫又で生まれ直したからだと思う。前はね、16才で学生だったんだよ』
「へえ、学生ねえ。こちらでは16才は成人になる歳だから、平民はすでに働いてる者がほとんどだな。貴族は学園に通っているが」
ふんふん。元の年齢だと成人なんだ。
でも今の僕は・・・・・・赤ちゃん。
「あとはクレール神の加護と愛し子か。効果が凄まじいから隠蔽しないと。異世界転生者も隠さないとな。よし、さっさと〈隠蔽〉を覚えてステータス弄っちゃおう!」
『了解です!』
その後すぐに隠蔽を覚えてステータスを隠したので、今はコレだけ。
【名前:サナ
性別:男
年齢:0才
種族:猫又
称号:無し】
うん。シンプルで実にいい。
面倒ごと、駄目!絶対!!
満足して二又の尻尾がゆらゆら揺れていたのを目を細めて楽しそうにヒョウガが見ていたのには気付かなかった。
207
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
とある社畜のハロウィン
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
ハロウィンの夜。終電を逃した智広は、ハロウィンを楽しむ人々を避けるようにして近くの店に入る。今まで何度か利用したことのあるイタリアン食堂のはずだったが、店はファンタジー風の仮装をした人達で溢れていて――。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
【完結済】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜
キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。
そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。
近づきたいのに近づけない。
すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。
秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。
プロローグ+全8話+エピローグ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる