【完結】ねこネコ狂想曲

26 番外編 素敵な我が家

家に戻った次の日から、おおよその希望を書き付けたメモを見ながら、ヒョウガと一緒に何処をどうリフォームするのかって話し合いをした。

ヒョウガは家をぐるっと囲う塀をもっと頑丈にして、魔除け人除けの魔法を付与したいとか。

･･･うん、気持ちは分かるよ。
この前、僕、この塀で強盗誘拐されてるからね･･･。
気の済むまでやっておくれ。

そっちはヒョウガに任せて、僕は主に台所と浴室かなあ。

･･･台所って、中途半端なサイズなんだよね。

僕には高すぎて、ヒョウガには低い。
高い分には踏み台を置けば良いんだけど、場所移動のたびに台も移動させるから面倒くさい。
それに危ないからってヒョウガが付きっきりで僕、台所にはいない方が良いんでは？って。

「ヒョウガー、台所って何か高さを自動で変えられないかなあ？　何か知ってる？」

ちょうど庭から戻ってきたヒョウガに聞いてみる。
マグカップを渡しながら聞いてみると。

「うーん、確か魔導具の最新式でボタンひとつで自由に高さが変わるって言うのを聞いたな。明日、見にいってみるか？」
「えっ、行きたい！　でも･･･高いんでしょ？」
「サナの安全の為ならなんてことないさ。それに俺の稼ぎは知っているだろう？」
「うーん、まあ、心配事が減るならいっか。楽しみ！」

その後も色んな話をして、シャワーを軽く浴びて包帯を替えた。

「悪いな、傷に障るからゆっくりと入れられなくて」
「ううん。分かってるから大丈夫だよ。治ったらゆっくりしようね」
「ああ、そうだな」

そうして今日はゆっくり眠った。
ヒョウガが抱きしめてくれたおかげか、ぐっすり眠れた気がする。

やっぱり頼れる旦那様。

そうして見に行った台所が、本当に凄かった！
向こうで言うところのシステムキッチン。
え、何？
もしかして転生者いるの？
いない？
神様が運んできた知識を自前の材料で作っちゃったってこと？

凄くない？！

ソレでもって、ボタンで昇降自由。
好きな位置で止められるって凄くない？！
さすが異世界だなあ･･･。

最新式でかなりのお値段でした･･･。
スミマセン、ヒョウガ。
頑張って料理作るね！

お風呂はね、二人が入っても余裕なサイズの浴槽が欲しい。
猫足バスタブじゃなくて、老舗の旅館の檜風呂が理想･･･。

でもたぶん作って貰わないとないと思う。
そもそも檜ってあるの？

「あるぞ」
「え、あるんだ？」

それならねえ･･･と、完成図を書いて見せて、こんな感じでって大工さん？家具屋さん？に頼んだらあっと言う間に出来上がった。

「－－－凄ーい。僕、凄いしか言ってないけど、凄いしか言えない！　あ、最高！！」

わーい、とヘンな踊りを踊っていた。

「じゃあ、怪我も完治したし、晩御飯食べたら初檜風呂を二人で堪能しようか」
「そうだねー！　･･･ん？」

あ･･･そうだった。
二人で入れるサイズの浴槽って作って貰ったんだった！

「あ、え、う･･･」
「入るよな？」
「･･･ぅん」

うわー僕の馬鹿！
今更だけど、今更だけど！！
恥ずかしいんだよ－－－！！

その日の晩御飯は味が分からず･･･。

決死の覚悟で風呂に入り、エロいことを散々されて逆上せました。


ヒョウガはちょっと反省。
僕はもの凄く反省。

次があるならばと、お風呂では本番無しにしました。
声は反響するし恥ずかしいんだよ！

「－－－分かった。善処する･･･」

めちゃくちゃ苦渋の決断みたいに言わないで。
どうせ守る気ないんでしょ？！

ぷんぷん！


そんなサナも可愛い、なんて煽てても･･･煽てても･･･良いよ、許しちゃう。

結局、お互い惚れた弱味ででろ甘に過ごすことは変わらないのだから･･･。





※一応、コレにて完結とします。
読んで下さってありがとうございます。