王命により、婚約破棄されました。

緋田鞠

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「ほらぁ、やっぱり、もう着いてるんじゃない! ねぇ、アンスガル、なんで私に教えてくれなかったの?」

 華やかなクリームイエローの豪奢なドレスに、きらきら輝く宝石で飾られた黒髪、そして、黒い瞳。
 象牙色の肌に、このあたりでは見掛けない顔立ちは……

(聖女様……⁈)

 王族であるアンスガル殿下の名を親し気に呼び捨てた彼女は、なんの許しも得ずに、すとん、と勢いよくアンスガル殿下の隣に腰を下ろした。

「……どうして、ここに来たんだ? 以前、伝えた筈だ。呼ばれていない席に勝手に同席してはならない、と」
「え~~? そんなこと、言ってたっけ? ごめん、覚えてないや。でもさ、二度手間じゃない? どうせ、そのうち私も会うことになるでしょ?」
「だが、」
「だぁいじょうぶだって! アストリッドにもいい話なんだし!」

 そう言う聖女の視線は、私……ではなく、隣の院長に向かっている。
 院長のことを、『アストリッド・ラルセン』だと勘違いしているのだろう。
 親しくもない、それも初対面の相手の名を呼び捨てるのは、この世界の貴族ならば絶対にやってはならない無作法だ。
 けれど、アンスガル殿下は諦めたような顔で、溜息を吐きながら額に手を当てるだけで、それ以上、咎めなかった。
 いや、注意する徒労をご存じなのかもしれない。
 実際に今、聖女はアンスガル殿下の注意を、たいしたことがないという顔で無視している。
 ちら、と院長を見ると、聖女に視線を向けられている彼女は、無言でにこりと微笑んだ。
 
(確かに私は地味だし、貴族令嬢に見えないかもしれないけれど……)

 修道服に身を包んでいても華やかな院長と並んでいたら、自然と彼女に目が向いてしまうのはわかる。
 そもそも、彼女の視界に院長の隣にいる私は入っているのだろうか。

「あのね、私がきっかけで、アストリッドとオリヴェルの婚約がなくなったんでしょ?」

 オリヴェル様の名をも、呼び捨てる聖女。
 それに、ちくん、と胸が痛んだ。
 私だって、一度たりとも敬称を外したことはないのに。

「そのせいで、せっかく貴族に生まれたのに、修道院に行ったんだよね? 知らなかったとはいえ、可哀想だなぁ、って思ってさぁ」

(……知らなかった、って)

 オリヴェル様に婚約者がいることは、伝えられていた。
 独身でなければ、魔王討伐隊に同行できないことも、説明されていた。
 けれど、聖女にとって、その説明には意味がなかったのだ。
 暗黙の了解どころか、説明自体が、無意味だった。
 膝の上に重ねた手で、何もない左薬指に触れる。
 少しだけ、波立った気持ちが落ち着いた。

「だからね! 魔王討伐隊と一緒に来ればいいと思うんだ! 侍女だったら、同行できるっていうからさ、私の侍女になりなよ!」

(やっぱり、侍女の話が出たわ)

 院長の推測は、正しかった。

「修道院って、女の人しかいないんでしょ? そんなところに閉じこもってたら、新しい恋なんてできないよ? だったらさ、魔王討伐隊と一緒に行く人たちの中にも、恋人がいない男の人、いっぱいいるみたいだし、一緒に行って新しい婚約者探せばいいと思うんだ! 恋人がいない人たちに出会いの場を提供するなんて、いいアイディアでしょ?」
「…………!」

(何を、言っているの……?)

 私の婚約を壊したあなたが、新たな縁談を用意するということ……?
 私を、憐れに思って……?
 愕然として、下げていた視線を思わず上げると、アンスガル殿下が眉を顰めて、

「そこまで」

と、聖女を止めた。

「そんな理由なら、ラルセン令嬢を君の侍女にはできない、と話しただろう」
「わっかんないなぁ。何が問題なの? アストリッドって、私とそう年が変わんないんだよね? 若い女の子なんだよ? 人生諦めて修道院に籠るより、次の恋を見つける方がずっと前向きじゃない。アストリッドを王宮に呼んだのは、私が正しいって思ったからでしょ?」
「……これも、言った筈だ。前向きかどうかを決めるのは、君ではなく、ラルセン令嬢だ。そもそも、」
「アンスガル殿下。お呼びにより参上いたしましたが、こちらのご令嬢とのお話を優先なさるのでしたら、お邪魔でしょうから、わたくしたちは退席させていただきます」

 アンスガル殿下の言葉を遮るように院長が口を開くと、涼やかな声ですらすらと口上を述べる。

(……あ、怒っていらっしゃる……)

 聖女は……あまりにも、この世界について無知だ。
 貴族社会における婚約の意味も、私が新たな縁談ではなく修道院を選択した理由も、彼女の常識とはかけ離れているのだろう。
 だからこそ、彼女の行動が周囲にどう見えているのか、わからないのだ。
 異界に生まれた聖女と、私たちの世界の常識は、違う。
 招かれていない席に突然現れて我が物顔で振る舞うことも、紹介されていない相手の名を断定して呼びかけることも、血縁者でも上司でもない人間が縁談を持ちかけることも、私たちの世界では、けっして許されない。
 『聖女』は、この世界でただ一人の存在。
 私たちが未来を生きるための、唯一の力。
 だからこそ、貴族のみならず、王族も彼女に敬意を払うけれど、それは、『誰に何をしても構わない』という意味ではない。
 相手を軽視していいということではないのだ。
 王女として生まれ、誰よりも厳しく礼儀を身に着けた院長に、聖女の無礼は耐えがたいものなのだろう。
 アンスガル殿下が互いを紹介していないのをいいことに、相手が聖女であると推測しつつも、単に無礼な令嬢として、冷めた視線を向ける。

「いえっ、お待ちください、セシーリア様!」

 言いおいて、実際に席を立とうとした院長を、アンスガル殿下が慌てて引き留めた。
 伯母上、ではなく、名で呼ぶのは、私的な場以外では伯母と甥という関係性で話さないようにしているからなのか、聖女に二人が親族関係であると知らせないためなのか。

「え⁈ アストリッドじゃないの? うわぁ、失敗失敗。美人だし、オリヴェルの婚約者として納得、って思ったんだけどなぁ」

 謝罪するでもなく、あはは、と笑う聖女。
 聖女にそのつもりは全くないだろうけれど、彼女の言葉が、「私は美しくないからオリヴェル様の元婚約者には見えない」と言っているように聞こえて、ずきん、と胸が痛くなった。

「少し黙ってくれないかっ!」

 アンスガル殿下が、ペラペラと話を続けようとする聖女を、苛立ちを含んだ大きな声で黙らせる。
 その剣幕に、彼女は驚いたように目を瞬かせた。
 アンスガル殿下は、見た目通りに落ち着いた方だから、声を荒らげたのは初めて見たのではないだろうか。
 私も、くつろいだ様子でご友人とにこやかに談笑されている姿しか見たことがない。

(そういえば、少しお痩せになったような……顔色もよくないわ。ご苦労なさっているのかしら)

 アンスガル殿下は、責任感の強い方だ。
 ただでさえ、魔獣が増加して対応せねばならないことも多いのに、肝心の聖女がこちらの世界にこれほどまでに慣れていないのでは、周囲との軋轢があることも想像に難くない。
 ぴり、と空気が緊張した時。
 こんこん、と応接間の扉がノックされ、

「殿下、お話し中、失礼いたします」

 入室したのは……

(オリヴェル様……!)

 実に、二年ぶりに顔を見る元婚約者だった。
 彼は、アンスガル殿下にまず挨拶をしてから、院長と私にも目礼をする。
 そして、聖女に微笑みを向けた。
 けれど、その目は笑っていない。

「こちらにいらしたのですね。この時間は、魔法の講義があった筈ですよ? 講師が懸命に探しています」
「だって、オリヴェルも聞いたでしょ? あなたの元婚約者が王宮に到着したって」
「それと、あなたが今、呼ばれもしていない席にいることに、どんな関係があるというのですか」
「だからぁ、説明したじゃない。あなたの元婚約者に、新しい恋人を紹介しようと思うって。そうすれば、オリヴェルも安心だよね? 私も余計な罪悪感、持たなくていいし。このお城の人、私が我儘言った、ってすっごいうるさいんだもん」
「あなたが手を煩わせる必要はありません。誰も、もちろん、私も、この件に関してあなたが干渉することを望んでいません」
「えぇぇ? でも、アストリッドの意見を聞いたわけじゃないよねぇ?」
「そうですね。ですが、アストリッド嬢は礼儀作法をしっかりと身に着けている方です。そんな方が、招かれていない席に強引に押しかけた無作法な人間の話に耳を傾けると思っているのですか?」
「そんなのわかんないじゃない。ねぇ? アストリッド……」

 聖女は、改めて院長の顔を見て、

「あ」

と言った。
 ずっと、『アストリッド・ラルセン』だと思い込んで話していた相手の名が違っていたことを、思い出したらしい。
 院長がアンスガル殿下に向かってにっこりと微笑み、その笑みに気圧されたように、殿下は軽く咳ばらいをする。

「聖女、こちらは、南部修道院の院長であるセシーリア様だ。ご挨拶を」

 院長の名だけを紹介するのは、彼女が人違いをしているのだと強調するためと、聖女に介入されずに私と話したいためだろう。

「え? えーっと、鷹森羽菜です。こっち風にいうなら、ハナ・タカモリ、かな? ハナって呼んでくださ~い」

 なおざりにぺこりと下げられた頭と軽い挨拶に、院長の微笑みが一層、冷たいものになった。

「聖女様、異界よりのお越し、感謝申し上げます。わたくしたちでは対抗できない魔王が、聖女様のご助力により無事に討伐される日を、切に心待ちにしております。……改めまして、わたくし、南部修道院をお預かりしております、セシーリアと申します。どうぞ、お見知りおきくださいませ」

 口元だけ微笑みながらも、怒りの込められた院長の眼差しに、聖女だけが気づかない。

「さぁ、挨拶はしただろう? 今、君はこの場に招かれていない。魔法の講義の時間だといったな。……フィリップ」
「かしこまりました。聖女様、こちらへ」

 アンスガル殿下に名を呼ばれたオーバリ伯爵令息に促され、聖女は渋々、立ち上がった。
 オーバリ伯爵令息は、扉の側でそわそわと聖女の様子を窺っていた護衛騎士に彼女の身柄を引き渡すと、

「今日は、お部屋からけっして出ていただかないように」

と言い含める。

「ちょっと待って! せっかく、ここまで来たんだから、もっと話したい。あ、じゃあさ、セシーリア? その人が一緒でもいいから、皆でお茶しようよ。街で話題になってるっていう美味しいお菓子、買って来てもらったの。ね? 人数は多いほうが楽しいじゃない? いいでしょ?」
「聖女様。申し訳ありませんが、その時間はございません。魔王討伐隊が出発するための準備に追われておりますので」
「フィリップの言う通りだ」
「私も、この後の予定が詰まっています」
「~~~~!」

 顔だけ申し訳なさそうに、けれど、心の籠っていない拒絶で、取りつく島もないアンスガル殿下たちに、聖女は可愛らしい顔を歪め、どこか傷ついたような顔をすると、

「もういいっ」

と、護衛騎士を置き去りにする勢いで去っていった。
 来客中に押し掛けて、「自分を優先して」と幼子のように主張する姿に、唖然とする。
 嵐が通り過ぎた静けさの中、院長が、深い溜息を吐いた。
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