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第二話「想い」
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約九年ぶりに帰ってきた我が家。アレクシスにとっては懐かしい故郷であり生家のはずなのに、どうしても気持ちが休まらなかった。
アレクシスはしばしば、夜に自室で眠るとき悪夢に悩まされた。レティシアを迎えたこの日もいつものように部屋で休んでいたが、眠っているアレクシスの周りを取り囲むように何者かの気配がする。そしてその気配たちは口々にアレクシスの名前を呼ぶのだ。その声は女の声でもあり男の声でもあり、老婆の声でもあり老人の声でもあった。口々にアレクシスを呼ぶ声たちが誰なのかはわからない。かつてこの屋敷に住んでいた者たちなのだろうか。アレクシスを呼ぶ声は無念と侘しさに満ち、ぞっとするほど不気味だ。今宵も不気味な気配と声たちに苛まれて、アレクシスはうなされていた。
アレクシスを取り囲む声たちに眠りを妨げられて、ぐっすりと眠ることができない。アレクシスはうなされながら、夢うつつに声を聞いていた。幽鬼のような声のなかに父の声が聞こえた気がしたとき、アレクシスは叫びながら飛び起きて、呼び鈴を何度も鳴らした。
すぐにノアがアレクシスの部屋にやってきた。ノアは森番として森の中の小屋で暮らしていたが、アレクシスが戻ってからは彼の命令で屋敷の中の使用人部屋に寝起きしていた。
「アレクシス、どうした。また悪い夢を見たのか?」
ベッドに駆け寄り、起き上がって項垂れているアレクシスの肩に触れる。アレクシスは青ざめた顔を両手で覆っていた。
「父の声がした。ぼくを呼んでいるんだ」
「ヘンリー様が? まさか……」
「まちがいない。前にも聞いた。やっぱり父は出奔なんかしていない。塔の呪いでこの屋敷に囚われているんだ」
ウィンチェスター家に伝わる塔の呪いについて、合理主義のレティシアならば否定しただろう。ノアも呪いの存在に半信半疑ながらも、否定することができないでいた。前当主のヘンリーも塔には近寄らなかったし、使用人にも立ち入らないよう厳格に命じていた。森から見える陰気な塔を、子供ながらに不気味だと思っていたことも確かだ。
それに、アレクシスのこの怯えよう。当主だけに降りかかるという呪いに、アレクシスが怯えるのも無理はない。アレクシスの恐怖を取り除けるなら代わってやりたいくらいだったが、それはできない。
心配そうに覗き込むノアに、アレクシスは青い顔のまま皮肉げに笑って見せた。
「だがあの父が塔の呪いを受けるなんて考えられるか? あの冷酷な父が……」
塔の呪い。『ウィンチェスター家は塔によって生かされ、繁栄をもたらされ、支配され、そして呪われている』というもの。それが具体的にどんな呪いなのかは、限られたものしか知らない。
アレクシスがかつてノアに教えてくれた呪いの言い伝え。それは、「当主が誰かを愛し、愛され、その想いが通じ合ったとき、最も愛を受けた者が塔に囚われる」というものだった。
この呪いが本当ならば、塔には妖魔が住んでいるのだろう。人の愛を喰らい、養分とする妖魔が。その代わり、妖魔は力を使ってウィンチェスター家に繁栄をもたらす。現に、ウィンチェスター家は百五十年ほど前はここまで影響力のある名家ではなかった。没落寸前で、破産しかけていた。それが五代前のユリウス・ウィンチェスターの次の代から急に力をつけ、勢力を拡大していった。事業は成功し、領地は増え、王からのおぼえもめでたく、王政を支える貴族たちの代表となっていった。
アレクシスは父が塔の呪いによって消えたことを信じていながらも、誰かに最も深く愛されたがゆえにその呪いを受けたことはまだ信じられないようだった。無理もない。アレクシスの目からは、父が母を愛していたとはとうてい見えなかった。二人の間には愛どころか、会話すらほとんどなかった。実子であるアレクシスに対しても、父はほとんど心を開かなかった。
母が病で死ぬと、ヘンリーはまだ九歳だったアレクシスを国外に留学にやることを一方的に決めてしまった。故郷からも生家からも、唯一の親友で兄弟でもあったノアとも離れさせられて、アレクシスは孤独を抱えながら今日まで過ごしてきた。
アレクシスは父ヘンリーを冷酷だという。ノアは実父であるヘンリーとほとんど交流がない。しかしアレクシスがいうようにヘンリーが冷酷な当主だったとも思えないのだ。嫡子として迎え入れることはなかったが、森番の息子として敷地の中に住まわせてくれた。アレクシスと親しくすることも止めなかった。
「アレクシス。ヘンリー様は時折森へ来て、森番をしてた父さんと話していた。俺は遠くから見ていただけだったけど、いつも二言三言声をかけてくださった。寡黙な方だったが、お前が言うように冷酷な方ではないと俺は思うよ」
ノアのこんな慰めも、アレクシスにとっては気休めにもならない。雰囲気を変えようと、ノアはわざとおどけて見せた。
「今夜は久しぶりに一緒に寝るか? 子供のころはよくこの部屋や納屋で一晩中話をしながら眠っただろ」
昔そうしていたようにアレクシスの肩を強く抱いて頭を撫でると、アレクシスは慌ててそれを振り払った。
「ばかをいうな。もう子供じゃないんだぞ。わきまえろ」
「仰せのままに、当主様」
ノアが冗談めかしてそう言うと、アレクシスは呆れたようにため息をついて再び寝台の中にもぐりこんだ。
「もう寝る。きみも下がっていいぞ」
ノアは立ち上がって部屋から出ようとして、扉の前で立ち止まり振り返った。
「また何かあったらすぐに呼べよ。俺はお前のためならどんなことだってしてやる。お前のその不安や恐怖を取り除くためなら」
アレクシスはノアに背を向けたまま答えなかった。ノアが部屋を去り、寝台の中でじっと身をかがめながら、ノアの言葉とぬくもりを反芻していた。
アレクシスがなぜここまで怯えているのか、ノアにはわからないだろう。冷え切った家の中で唯一の心の安らぎであったノア。孤独な留学先でもいつも手紙のやり取りをして、アレクシスを支えてくれたノア。親友として兄弟として、彼を大切に思っている。いや、それ以上に。
一年前アレクシスがこの家に戻ってきて、ノアとは九年ぶりに再会した。久しぶりに会ったノアは子供の時よりずっと背が伸びていて、体格が良くなっていた。健康的な肌の色をして、笑うと頬にえくぼができるところは子供の頃と変わっていなかった。
ノアが落ち着いた力強い声でアレクシスを慰め励ますとき。がっしりとした大きな手で肩を抱いてくれるとき。アレクシスの心の奥底にあるノアに対する感情がかき乱される。これは愛なのかという考えがよぎったとき、たまらなく恐ろしくなった。アレクシスがノアを愛してしまったら、二人のどちらかが呪いを受けるかもしれないのだ。呪いを避けるためには、互いを愛さないこと、もし愛してしまったとしても、絶対にその思いを通じ合わせないことだ。
どうかこのまま異母兄弟として、ただの友としていられることをアレクシスは願った。それ以上の感情がこの胸の内に湧き上がらないことを願った。いっそノアが妻を持つか、この屋敷から出てどこか遠くで暮らしたなら、呪いは避けられる。そんなことになったら耐えられないほどの悲しみがアレクシスを襲うだろう。しかし彼を失うよりはずっとずっとましだ。
ノアは屋敷の中に割り当てられた使用人部屋に戻り、ベッドに入った。暗闇の中で、アレクシスの不安そうな顔を脳裏に思い描く。そして、幼いころに親しくしていた美しい思い出も。はじめてアレクシスに会った幼い日、ノアがアレクシスを「坊ちゃん」と呼ぶとアレクシスはそれを叱ったのだ。「ぼくときみは兄弟なんだ。二度とぼくをそんなふうに呼ぶな」と。ノアはうれしかった。使用人としての生活に不満はなかったが、自分もウィンチェスター家の一員であると、アレクシスが認めてくれたからだ。
ノアに字の読み書きを教えたのもアレクシスだ。そのおかげで、アレクシスが国外に行ってからも手紙で親交を持ち続けることができた。老齢になった育ての父が腰と膝を痛めると、アレクシスは年金を出して父を故郷で暮らせるように手配し、ノアを新しい森番として任命してくれた。アレクシスには感謝してもしきれない。
そんなアレクシスが、当主としての重圧に悩み、父を恨み、塔の呪いに怯えている様を見るのは心が痛む。なんとかして支えてやりたいが、貴族教育を受けていないノアにできることなど知れている。幼い頃のように、ただ大切に想っているだけでは力になれないのか。ノアにはそれが歯痒かった。九年ぶりに再会したアレクシスは立派な紳士に育っていたが、神経質で気難しいところは変わっていなくて、ノアはそれを愛おしく思った。不安や悩みを昔のように打ち明けてくれるのも、頼られているようで嬉しかった。
自分のアレクシスに対する感情は、度を越したものだろうかと時折不安になる。半分血がつながっているとはいえ自分は使用人だ。本当なら友と呼ぶことすらおこがましいのだろう。しかしアレクシスを想う気持ちは、苦しみを取り除いてやりたいと願う気持ちは、彼の幸せを願う気持ちは止められない。
アレクシスはしばしば、夜に自室で眠るとき悪夢に悩まされた。レティシアを迎えたこの日もいつものように部屋で休んでいたが、眠っているアレクシスの周りを取り囲むように何者かの気配がする。そしてその気配たちは口々にアレクシスの名前を呼ぶのだ。その声は女の声でもあり男の声でもあり、老婆の声でもあり老人の声でもあった。口々にアレクシスを呼ぶ声たちが誰なのかはわからない。かつてこの屋敷に住んでいた者たちなのだろうか。アレクシスを呼ぶ声は無念と侘しさに満ち、ぞっとするほど不気味だ。今宵も不気味な気配と声たちに苛まれて、アレクシスはうなされていた。
アレクシスを取り囲む声たちに眠りを妨げられて、ぐっすりと眠ることができない。アレクシスはうなされながら、夢うつつに声を聞いていた。幽鬼のような声のなかに父の声が聞こえた気がしたとき、アレクシスは叫びながら飛び起きて、呼び鈴を何度も鳴らした。
すぐにノアがアレクシスの部屋にやってきた。ノアは森番として森の中の小屋で暮らしていたが、アレクシスが戻ってからは彼の命令で屋敷の中の使用人部屋に寝起きしていた。
「アレクシス、どうした。また悪い夢を見たのか?」
ベッドに駆け寄り、起き上がって項垂れているアレクシスの肩に触れる。アレクシスは青ざめた顔を両手で覆っていた。
「父の声がした。ぼくを呼んでいるんだ」
「ヘンリー様が? まさか……」
「まちがいない。前にも聞いた。やっぱり父は出奔なんかしていない。塔の呪いでこの屋敷に囚われているんだ」
ウィンチェスター家に伝わる塔の呪いについて、合理主義のレティシアならば否定しただろう。ノアも呪いの存在に半信半疑ながらも、否定することができないでいた。前当主のヘンリーも塔には近寄らなかったし、使用人にも立ち入らないよう厳格に命じていた。森から見える陰気な塔を、子供ながらに不気味だと思っていたことも確かだ。
それに、アレクシスのこの怯えよう。当主だけに降りかかるという呪いに、アレクシスが怯えるのも無理はない。アレクシスの恐怖を取り除けるなら代わってやりたいくらいだったが、それはできない。
心配そうに覗き込むノアに、アレクシスは青い顔のまま皮肉げに笑って見せた。
「だがあの父が塔の呪いを受けるなんて考えられるか? あの冷酷な父が……」
塔の呪い。『ウィンチェスター家は塔によって生かされ、繁栄をもたらされ、支配され、そして呪われている』というもの。それが具体的にどんな呪いなのかは、限られたものしか知らない。
アレクシスがかつてノアに教えてくれた呪いの言い伝え。それは、「当主が誰かを愛し、愛され、その想いが通じ合ったとき、最も愛を受けた者が塔に囚われる」というものだった。
この呪いが本当ならば、塔には妖魔が住んでいるのだろう。人の愛を喰らい、養分とする妖魔が。その代わり、妖魔は力を使ってウィンチェスター家に繁栄をもたらす。現に、ウィンチェスター家は百五十年ほど前はここまで影響力のある名家ではなかった。没落寸前で、破産しかけていた。それが五代前のユリウス・ウィンチェスターの次の代から急に力をつけ、勢力を拡大していった。事業は成功し、領地は増え、王からのおぼえもめでたく、王政を支える貴族たちの代表となっていった。
アレクシスは父が塔の呪いによって消えたことを信じていながらも、誰かに最も深く愛されたがゆえにその呪いを受けたことはまだ信じられないようだった。無理もない。アレクシスの目からは、父が母を愛していたとはとうてい見えなかった。二人の間には愛どころか、会話すらほとんどなかった。実子であるアレクシスに対しても、父はほとんど心を開かなかった。
母が病で死ぬと、ヘンリーはまだ九歳だったアレクシスを国外に留学にやることを一方的に決めてしまった。故郷からも生家からも、唯一の親友で兄弟でもあったノアとも離れさせられて、アレクシスは孤独を抱えながら今日まで過ごしてきた。
アレクシスは父ヘンリーを冷酷だという。ノアは実父であるヘンリーとほとんど交流がない。しかしアレクシスがいうようにヘンリーが冷酷な当主だったとも思えないのだ。嫡子として迎え入れることはなかったが、森番の息子として敷地の中に住まわせてくれた。アレクシスと親しくすることも止めなかった。
「アレクシス。ヘンリー様は時折森へ来て、森番をしてた父さんと話していた。俺は遠くから見ていただけだったけど、いつも二言三言声をかけてくださった。寡黙な方だったが、お前が言うように冷酷な方ではないと俺は思うよ」
ノアのこんな慰めも、アレクシスにとっては気休めにもならない。雰囲気を変えようと、ノアはわざとおどけて見せた。
「今夜は久しぶりに一緒に寝るか? 子供のころはよくこの部屋や納屋で一晩中話をしながら眠っただろ」
昔そうしていたようにアレクシスの肩を強く抱いて頭を撫でると、アレクシスは慌ててそれを振り払った。
「ばかをいうな。もう子供じゃないんだぞ。わきまえろ」
「仰せのままに、当主様」
ノアが冗談めかしてそう言うと、アレクシスは呆れたようにため息をついて再び寝台の中にもぐりこんだ。
「もう寝る。きみも下がっていいぞ」
ノアは立ち上がって部屋から出ようとして、扉の前で立ち止まり振り返った。
「また何かあったらすぐに呼べよ。俺はお前のためならどんなことだってしてやる。お前のその不安や恐怖を取り除くためなら」
アレクシスはノアに背を向けたまま答えなかった。ノアが部屋を去り、寝台の中でじっと身をかがめながら、ノアの言葉とぬくもりを反芻していた。
アレクシスがなぜここまで怯えているのか、ノアにはわからないだろう。冷え切った家の中で唯一の心の安らぎであったノア。孤独な留学先でもいつも手紙のやり取りをして、アレクシスを支えてくれたノア。親友として兄弟として、彼を大切に思っている。いや、それ以上に。
一年前アレクシスがこの家に戻ってきて、ノアとは九年ぶりに再会した。久しぶりに会ったノアは子供の時よりずっと背が伸びていて、体格が良くなっていた。健康的な肌の色をして、笑うと頬にえくぼができるところは子供の頃と変わっていなかった。
ノアが落ち着いた力強い声でアレクシスを慰め励ますとき。がっしりとした大きな手で肩を抱いてくれるとき。アレクシスの心の奥底にあるノアに対する感情がかき乱される。これは愛なのかという考えがよぎったとき、たまらなく恐ろしくなった。アレクシスがノアを愛してしまったら、二人のどちらかが呪いを受けるかもしれないのだ。呪いを避けるためには、互いを愛さないこと、もし愛してしまったとしても、絶対にその思いを通じ合わせないことだ。
どうかこのまま異母兄弟として、ただの友としていられることをアレクシスは願った。それ以上の感情がこの胸の内に湧き上がらないことを願った。いっそノアが妻を持つか、この屋敷から出てどこか遠くで暮らしたなら、呪いは避けられる。そんなことになったら耐えられないほどの悲しみがアレクシスを襲うだろう。しかし彼を失うよりはずっとずっとましだ。
ノアは屋敷の中に割り当てられた使用人部屋に戻り、ベッドに入った。暗闇の中で、アレクシスの不安そうな顔を脳裏に思い描く。そして、幼いころに親しくしていた美しい思い出も。はじめてアレクシスに会った幼い日、ノアがアレクシスを「坊ちゃん」と呼ぶとアレクシスはそれを叱ったのだ。「ぼくときみは兄弟なんだ。二度とぼくをそんなふうに呼ぶな」と。ノアはうれしかった。使用人としての生活に不満はなかったが、自分もウィンチェスター家の一員であると、アレクシスが認めてくれたからだ。
ノアに字の読み書きを教えたのもアレクシスだ。そのおかげで、アレクシスが国外に行ってからも手紙で親交を持ち続けることができた。老齢になった育ての父が腰と膝を痛めると、アレクシスは年金を出して父を故郷で暮らせるように手配し、ノアを新しい森番として任命してくれた。アレクシスには感謝してもしきれない。
そんなアレクシスが、当主としての重圧に悩み、父を恨み、塔の呪いに怯えている様を見るのは心が痛む。なんとかして支えてやりたいが、貴族教育を受けていないノアにできることなど知れている。幼い頃のように、ただ大切に想っているだけでは力になれないのか。ノアにはそれが歯痒かった。九年ぶりに再会したアレクシスは立派な紳士に育っていたが、神経質で気難しいところは変わっていなくて、ノアはそれを愛おしく思った。不安や悩みを昔のように打ち明けてくれるのも、頼られているようで嬉しかった。
自分のアレクシスに対する感情は、度を越したものだろうかと時折不安になる。半分血がつながっているとはいえ自分は使用人だ。本当なら友と呼ぶことすらおこがましいのだろう。しかしアレクシスを想う気持ちは、苦しみを取り除いてやりたいと願う気持ちは、彼の幸せを願う気持ちは止められない。
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