高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

なかじまあゆこ

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ミケとわたし達

ミケとピンク色の光

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 すると、その時、ミケの胸に当てた肉球のある可愛らしい手からぽわんとあたたかいピンク色のひかりが放たれたような気がした。

「ミ、ミケちゃん!!」

 みんなの目がミケの放たれたピンク色の光に注がれる。やっぱり薄くて淡いピンク色の光が放たれている。

「んにゃん? みんなどうしたのにゃん?」

 きょとん顔で首を横に傾げてわたし達を見るミケ。そのミケの手から今もぽわんとピンク色の光が放たれているのだった。

「ミケちゃんの手からピンク色の光が放たれているよ!」

「え? わたしの手からにゃん!」

 ミケは視線を自身の手に向けると「あ、これは何だにゃん⁉」と驚きの声を上げた。


 その薄くて淡いピンク色の光は安心感と安らぎを与えてくれるそんな色だった。これは、魂の色だろうか? それとも……。

 そして、暫くするとピンク色の光は消えていた。

「消えた……」


「あ、本当だにゃん。消えた……何だったのかなにゃん」

 ミケは自身の肉球のある可愛らしい手を何度も眺め回し首を横に傾げている。

「不思議な光だったね」
「ミケちゃんの手からなんだか温もりが放たれているみたいだったわ」
「ミケちゃんってばなんかカッコいいね」
「驚いたな……」
「びっくりしたわ」

 わたし達は口々に驚きの声を上げた。

「えへへにゃん、わたしってばカッコいいかな」

 ミケは照れたように笑い頭を肉球のある手でぽりぽりと掻いている。

 そういう問題ではないと思うのだけどな。カッコいいというよりか不思議であたたかくて特別な何かを感じるそんな光にわたしは見えた。

 ミケも高男さんもムササビもそして、亡くなった真昼ひいおばあちゃんも不思議な存在だ。

 ピンク色の光の中にミケの何かとそれから……何だろうか? 何かを感じた。


「ミケちゃんはカッコいいかもしれないけど、それよりぽわんとした温もりを感じたよ。このムササビカフェ食堂はわたし達の原点なのかな?」

 顎に人差し指を当てながらわたしは言った。

「原点にゃん?」とミケは首を傾げる。

「うん、わたしとミケちゃんとこのムササビカフェ食堂との出会いとそれとまだよくわからないけど真昼ひいおばあちゃんも関係しているのかな?」

 わたしはそう言いながら視線をミケから真昼ひいおばあちゃんに移す。

「へっ! わたし?」ときょとんとした顔で真昼ひいおばあちゃんは人差し指で自分の鼻を指差す。

「うん、もしかしたら真昼ひいおばあちゃんもここに来たことがあるんじゃないのかな? と思ったのよ」

 このムササビカフェ食堂がいつから存在しているのかわたしは知らないけれど。もしかしたら?

「あ、そうだ、高男さん。このムササビカフェ食堂はいつからこの場所にあるんですか?」

 わたしの問いかけに高男さんは、「え~といつからかよくわからないけど祖父母も跡継ぎらしいからね」と答えた。

 と、言うことはやはり……。
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