ミステリー要素有小説一覧

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 秋の涼しさが冬の寒々しさに変わろうとしている中、友達のいない私は一人、近所の公園に来ていた。学校からは歩いて通える距離なので、どこかのお店に寄り道するには遠回りしなければならない。でも、今日はすぐ家に帰りたい気分にはなれず、通り道に近いこの公園に寄った。そこしか、行く当てがなかったからだ。  でもそこで、中年と言うには若く、成人したてと言うには歳を取っている男性と知り合うことになった。  その男性は話を聞く限り、社会不適合者で指名手配された逃亡犯のはずなのに、何故か別居しているお父さんを思い起こしてしまう。そんな雰囲気を醸し出している人だった。  本当なら見知らぬ男性が女子高生に話しかけた時点で通報するべきなのに、私はこの犯罪者に色々と愚痴ってしまった。  そのことをきっかけに、私と彼の奇妙で珍しい関係が始まった。年齢や性別を超えた友情があるのかは分からない。恋愛感情があるかどうかすらも怪しい。  けど、言葉が通じて気が合っている以上、私は彼と一緒の時間を過ごすのだろう。  ……その出会いがまさか、隠された過去から今でも続いている報復行為に繋がるとは、夢にも思わなかったけれどね。
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文字数 110,945 最終更新日 2022.03.31 登録日 2022.02.01
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