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 太平洋に浮かぶ数多くの島国で構成される国家、ミクロネシア連邦。  これは西暦2036年にその国に住む1人の少女によって起こされた奇跡にまつわる物語である。   奇跡とは何を指す言葉だろうか。  常識では起こり得ない事。  科学を超越した不思議な現象。  神が示すような人智を超えた力が示される事。  おそらくはそのような事を指すのだろう。事実、奇跡と言う言葉はそのように定義づけが成されている。    そして《奇跡》と呼ばれる現象は多くの場合は善性を示す意味をもつ言葉として使用される傾向にある。  では奇跡というものは全てにおいて等しく、人々にとって【善】と呼ばれるものと言えるのであろうか。  それとも場合によっては【悪】と呼ばれるものも含まれるのだろうか。  皆さんは善悪の観点から考えてどう思うだろうか。  多くの人々は “奇跡” という言葉を用いるとき、大抵は善を指す言葉として用いるだろう。  叶わないと思っていた事が現実世界で叶う。願い続けても起こり得ないと思っていた事象が現実のものとなる。そういった瞬間を指して用いられるのであれば実際そうだと言える。  しかし、厳密にいえばそれすらもある者の立場によって捉え方の変わる話かもしれない。  ある者に起きた奇跡が別の誰かにとっての幸福になり得るとは限らない。  誰かに起きた奇跡が巡り巡って自身の幸福になり得るかもしれない。  そんな風に奇跡と呼ばれる事象が人にもたらす結末など誰も知りようがない。  “目に見えるものが全てではない”  彼女が奇跡を起こした理由。"それぞれ" のたった一つの願いの為に。 ※前後作品 前【イベリスの箱庭】 後【眠りの妃 -嘆きの大地賛歌-】 ※この物語はフィクションです。作中に登場する国家・個人・組織・団体等は実在する同名のものとは関係がありません。
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登録日 2022.05.04
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